公正取引員会は、九州電力株式会社が提供する電気料金「電化deナイト」に関するパンフレットにおいて、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)に違反する不当な表現があったと発表。同社に対し排除命令を行なった。
問題となったパンフレットは、すべての熱源を電気でまかなう「オール電化住宅」と、ガスを使用する住宅にかかる費用を比較したもの。このなかでは、オール電化住宅の方がガスを使用する住宅と比べて、1年間で最大10万円、30年間では約300万円得になるという表示があった。また、「オール電化住宅ローン」という融資を受けた場合、30年間で約350万円得になるなどの表記があった。
しかし実際には、エコキュートやIHクッキングヒーターなどの購入費や工事費のほか、長期間使用するための買い換えが必要であるものの、パンフレットではこれらの費用が考慮されていなかった。公取委では、オール電化の導入で1年間で最大10万円、ならびに30年間で約350/300万円得になるとはいえないと判断。景品表示法に違反するとして、同社に対し、一般消費者に誤認される恐れがある旨を公示し、再発防止策を講じるなどを排除命令を行なった。
九州電力ではこれを受け、パンフレットから「30年間で約300万円おトク」「30年間で約350万円も節約」の表示を削除すると、ホームページ上にて発表。また「1年間で約10万円もおトク」の表示については、初期費用が含まれていない旨を明記するという。
景品表示法では、一般消費者に対して実際よりも著しく優良であることを訴求し、不当に顧客を誘引することを、公正な競争を妨げるとして禁じている。
■URL
公正取引委員会
http://www.jftc.go.jp/
九州電力株式会社に対する排除命令について(PDF)
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/08.october/081015.pdf
排除命令書(PDF)
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/08.october/081015haijyo.pdf
排除の原因となったパンフレット(PDF)
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/08.october/081015tenpu.pdf
九州電力株式会社
http://www.kyuden.co.jp/
パンフレット表示内容に対する公正取引委員会からの「排除命令」について
http://www.kyuden.co.jp/press_081015-1.html
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2008/10/16 15:13
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