GfK Japan(ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社)は、同社のホームページにて、今冬(2007年11月~2008年2月)の暖房関連機器の市場動向に関する調査結果を発表。暖房市場は昨年以上の販売数量・金額となり、エアコンが市場を牽引したとの見解を示した。
今回の調査は、家電量販店のPOS(販売時点情報管理)データに基づいたもの。具体的な販売台数・金額については公表されなかったが、今冬暖房関連機器は、数量ベースで前年比の2%増、金額ベースでも同10%増となったという。同社ではこの理由について、昨年は記録的な暖冬だったが、今冬は平年並みに寒かったことを挙げている。さらに、東京では過去2年とは違って、1月を過ぎても気温が低い日が続いたことも一因としている。
レポートでは、電気/石油ストーブやエアコンといった、暖房機器市場の製品ジャンルごとの構成比も公開した。この中で、石油ストーブは、2005年~06年時点では数量ベースで36%とトップだったが、今冬は原油価格の高騰の影響を受け、27%と下降。電気ストーブらと同じ数値となっている。一方金額ベースでは、エアコンが特に伸びており、2008年~06年の39%から、今冬は50%となった。同社では、気流コントロールや自動フィルター掃除機能などの多機能・高機能な商品が順調にシェアを伸ばし、今冬の販売価格の伸びに貢献したと分析している。
エアコンについてはさらに、省エネラベリングの対象となった製品の、等級ごとのシェアも公開、省エネ性能の高い製品が好調であることを指摘した。2006年11月と2008年2月のデータを比較すると、5つ星のシェアが伸びており、逆に1つ星のシェアは減少傾向にある。また、2008年2月時点での5と4つ星を加えると、シェアは全体の4割を超えている。同社ではこれについて、同社の調査で消費者が製品を選択する際の理由で、「消費電力が少ない」が一番多く、「省エネ運転がある」が次点だったことから、高い省エネ性がエアコンのシェアを増やした大きな理由としている。なお、省エネラベリングとは、経済産業省の関連機関である省エネルギーセンターが行なう制度で、省エネ性能の高さを1~5つの星で評価し、星が多い製品ほど高い省エネ性を備えていることを表す。
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暖房関連商品の、販売数量とその前年比。ここでの「販売指数」とは、2006年11月期の販売数量を100としたときの指数を表す
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週次の販売動向と、東京における最低気温のグラフ。ここでの「販売指数」は、2005年11月第1週の販売数量を100としたときの指数
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過去3年間の、暖房関連商品の販売数量と金額シェア
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省エネ達成率の評価による、2007年度の販売数量のシェア
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(c) Copyright 2008 GfK Marketing Service Japan Ltd.
■URL
GfK Japan(ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社)
http://www.gfkjpn.co.jp/
2008年2月期 暖房関連商品市場現況(PDF)
http://www.gfkjpn.co.jp/report/documents/ProFiMonthlyMarketComment_0802AC.pdf
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( 本誌:正藤 慶一 )
2008/03/10 17:10
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