家電量販店のコジマ(株式会社コジマ)は、経済産業省と環境省に対し、同社のリサイクル業務を改善する旨の報告書を提出した。
今回の報告書は、12月5日に経済産業省が行なった、家電リサイクル法52条に基づく勧告を受けたことへの対応。家電リサイクル法では、一般消費者がテレビ/エアコン/冷蔵庫/洗濯機の4品目を廃棄する場合、販売小売店にリサイクル料金を支払い、その後小売店が廃家電をメーカーへ搬送、最終的にメーカーがリサイクル処理を行なうよう定められている。
しかし、コジマでは愛知県と岐阜県の10店舗において、消費者から引き取った廃家電の一部を、メーカーに引き渡していなかったことが、10月に発覚した。以後、全国で合計76,745台の廃家電が正しく処理されていなかったことや、リサイクル料金を管理するための「家電リサイクル券」の控えが保管されていないことが明るみになるなど、ずさんな管理体制が問題になっていた。
報告書では、契約社員を含む職員4,760人・廃家電の運搬業者・エアコン取付業者に対して、不適正な処理を行なっていないことを誓約書で確認のうえ、実際に関与したかどうかを、新設する第三者委員会にて調査するとしている。なお、運搬業者全62社のうち、2社は誓約書を提出していないため、契約を打ち切るとしている。
また、過去3年半のうち、52店舗で廃家電を保管する倉庫の施錠が破壊されているケースが約300件あった。さらに、84店舗で多数の廃家電が屋外に置かれており、盗難を誘発するような状況だったという。このほか、メーカーへ引き渡されなかった廃家電が多い店舗のうち、23店舗で保管倉庫の周辺で不審な集団や人物を目撃していたともしており、盗難があった可能性もほのめかしている。
廃家電が不法投棄されたか否かの問題については、警察署や役所へのヒアリングからは確認できなかったとしている。しかし、店舗へのヒアリングでは、コジマのリサイクル券が貼られた廃家電が不法投棄されているのを発見し、回収して製造業者へ送ったというケースが2件あったという。
再発防止策としては、廃家電を管理するシステムの導入、保管庫の増設と警備の強化、IDカードによる業者の管理、リサイクル専門部署の設立と社員・業者への教育を挙げている。また、正しく処理されなかった廃家電のリサイクル料金を支払った消費者に対しては、2008年1月末までに全件について返金するとしている。
■URL
株式会社コジマ
http://www.kojima.net/
特定家庭用機器再商品化法第52条に基づく報告に関する件(PDF)
http://www.kojima.net/corporation/ir/pdf/release20071219.pdf
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( 本誌:正藤 慶一 )
2007/12/19 17:36
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