東芝キヤリア株式会社は、「業界トップ」の集塵能力と省エネ性を発揮する家庭用エアコン「大清快」BDRシリーズを12月1日より順次発売する。ラインナップは以下の通り。
型番 | 電源 | 適用畳数 | 発売時期 | 希望小売価格 |
RAS-221BDR | 100V | 6畳 | 2008年2月上旬 | オープンプライス |
RAS-251BDR | 8畳 |
RAS-281BDR | 10畳 | 12月1日 |
RAS-361BDR | 12畳 | 12月上旬 |
RAS-401BDR | 14畳 |
RAS-402BDR | 200V | 12月1日 |
RAS-502BDR | 16畳 | 12月上旬 |
RAS-632BDR | 20畳 |
RAS-712BDR | 23畳 |
店頭予想価格は、「RAS-221BDR」が19万円前後、「RAS-251BDR」が208,000円前後、「RAS-280BDR」が228,000円前後、「RAS-402BDR」が25万円前後、「RAS-712BDR」が33万前後。
東芝の家庭用エアコンシリーズ「大清快」シリーズの新製品。家庭用エアコンの使用電力用は全体の25%と、家庭の中では環境負荷が最も大きく、さらにウイルス、花粉、ハウスダストなどに対する健康意識の高まりから、高い省エネ性ときれいな空気を同時に提供することをコンセプトに開発された。
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ムーンホワイト
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シャンパンゴールド
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表面仕上げはフラット
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家庭の消費電力の約25%はエアコン
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他の家電製品と比べても、使用することによる環境負荷が高い
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空気のきれいさと省エネの両立がコンセプト
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まず、きれいな空気を送風する機能として、新たに「エコdeクリーンシステム」を搭載した。これは、本体前面のホコリとニオイの2つのセンサー「Wみはりセンサー」で、室内の空気を監視し、空気が汚れている場合は空気清浄運転を、ニオイを検知した場合は換気運転を自動で行なうというもの。Wみはりセンサーには空気の汚れを色で表わすライトがあり、きれいになるにつれて赤→緑→青へと変わってゆく。
空気清浄運転では、本体内に新設した「プラズマイオンチャージャー」が、1cc当たり最大60万個のマイナスイオンを発生し、空気中のウイルス、花粉、ハウスダストを帯電させ、熱交換器内部のアルミフィン「アクアde洗浄熱交換器」でキャッチするというもの。捕集したホコリはエアコン運転中に発生するドレン水を使って洗い流されるため、手入れは不要となる。また、アルミフィンには特殊な樹脂を採用し、さらには抗菌材が塗布されているため、汚れは落ちやすく、また除菌効果もあるという。同社ではこの機構を「NEW全面プラズマ空清」と呼び、業界トップの集塵能力を発揮するとしている。
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本体前面の「Wみはりセンサー」が、ホコリとニオイを検知。程度に応じて自動で空気清浄/換気運転をする
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例えば帰宅時なら……
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コートに付着した花粉などを検知。ライトが赤に変わり、空気清浄運転を行なう
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「NEW全面プラズマ空清」の仕組み。熱交換器を集塵に利用する構造だ
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プラズマイオンチャージャーが大量のマイナスイオンを発生
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ミクロ単位のウイルスなどに帯電し、捕集しやすくする
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帯電されたウイルス類は、熱交換機内部のアルミフィン「アクアde洗浄熱交換器」でキャッチ
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アルミフィンはドレン水で洗浄される
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BDRシリーズのスケルトンモデル。中央の青いものがプラズマイオンチャージャーで、その奥にあるのがアクアde洗浄熱交換器
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東芝キヤリアの統括技術長 辰巳光好氏は、NEW全面プラズマ空清について「他社で採用されているような静電気集塵フィルターは集塵性能がかなり低いが、本製品なら広範囲の粒子に対して高い集塵性能を発揮する」と述べ、性能に対する自信を見せた。さらに、「家庭用エアコンにおいて本格的な空気清浄能力を有するのは、東芝の『大清快』のみ。本格的な空気清浄機が丸ごと入っているともいえる」と語り、他社製品との違いを示した。
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静電気で集塵するタイプとは、性能に大きな差があることを示すデータ
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東芝キヤリア 統括技術長 辰巳光好氏
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ちなみに、ニオイを検知した場合は、本体内の換気ファンが自動で動き、室内の空気を換気する
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また、省エネ性を向上するために、コンプレッサーとインバーターを改良。コンプレッサーでは、冷媒を吸い込む管を2本から1本にすることで、吸引時の抵抗を抑えて高効率化し、さらにシリンダを約14%薄くして、圧力の漏れと機械損失を削減した。インバーターでは、新開発の低損失素子「Super Junction MOS-FET」を内蔵した高効率のパワーモジュールを採用し、東芝独自のスマート・プレ・スイッチングシステム回路と組み合わせることで、使用頻度の高い運転域での効率を改善したという。
さらに、小型化されたプラズマイオンチャージャーの採用により、従来製品「RAS-402SDR」で搭載されていた「プラズマ空清ユニット」よりも、通風路の占有面積を1/3以下に狭めた。これにより、通風抵抗は従来比で約10%低減できたという。
これらの改良で、冷房と暖房をそれぞれ3.6カ月、5.5カ月使用したと仮定して算出される期間消費電力量は、10年前の「大清快」から約34%低減された。通年エネルギー効率(APF。1年間、1kW当たりの冷房・暖房能力)は6.2ポイントとなり、同社ではこれを業界トップの数値としている。削減された電力量をCO2排出量に換算すると、1台で杉16本が吸収する量に相当するという。
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省エネ性能を向上するため、コンプレッサーとインバーター、機内の通風路を改良した
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写真左が本製品で新たに採用されたコンプレッサー。冷媒の通り道を2本から1本に変えている
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高効率パワーモジュールの「Super Junction MOS-FET」
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「Super Junction MOS-FET」 を、東芝独自の「スマート・プレ・スイッチング回路」と組み合わせることで、運転効率を改善
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室外機のカットモデル
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プラズマイオンチャージャーと、従来製品で採用されていた空気清浄ユニット「プラズマ空清ユニット」との比較
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占有面積が1/3に縮まることで、通風抵抗も約10%改善された
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10年前の同社製品と比べると、約34%の省エネになる
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また、ソファやダイニングなど、普段よくいる場所に風向を向けることで、体感温度を保ちながら省エネ運転が行なえる「スポットモード」も搭載する。冷房時では、最大で30%の省エネになるという。送風エリアは2方向に設定できる。
このほか、リモコンでは、ボタンを押すことで運転時間/電気代/室内外の温度を表示が可能。また、フィルターの自動掃除機能も備えている。
本体サイズは、840×218×318mm(幅×奥行き×高さ)で、室外機のサイズは780×290×550mm(同)。運転音は冷房時が47dB、暖房時が49dB(RAS-402BDRの場合)。本体カラーはムーンホワイトとシャンパンゴールドの2色。
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送風は2方向に設定可能
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風向はリモコンで切り替える
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リモコンの液晶では、電気料金の目安や、室内外の温度などを表示できる
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東芝キヤリア 取締役社長の不破久温氏は、本製品について「静岡県富士市にある富士事業所の、独自の技術力を結集した。ご家庭でのCO2削減に大きく貢献できる」と語った。また、販売目標については「向こう1年間はエアコン全体で100万台の販売を考えており、このうちBDRシリーズを3割弱を目指す」とした。
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東芝キヤリア 取締役社長 不破久温氏
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富士事業所の技術力を結集したことから「MADE IN FUJI」を謳う
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■URL
東芝キヤリア株式会社
http://www.toshiba-carrier.co.jp/
ニュースリリース
http://www.toshiba-carrier.co.jp/press/2007/07_11_06.htm
エアコン関連記事リンク集
http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/aircon.htm
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・ 家電製品ミニレビュー 東芝「大清快 SDRシリーズ」(2007/07/24)
( 本誌:正藤 慶一 )
2007/11/06 17:26
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