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松下、中国における環境貢献企業を宣言

~すべての家電/AV製品で環境ラベル取得へ

 松下電器産業株式会社およびパナソニックチャイナは、「中国環境フォーラム2007」を、中国・北京の中国大飯店で開催し、中国において、環境に配慮した企業経営を目指す「中国環境貢献企業宣言」を発信した。


北京で開催された中国環境フォーラム2007
賑わいをみせた会場

 中国環境貢献企業宣言では、高い環境性能を有する製品づくり、製造事業場における環境負荷低減、従業員の環境意識の向上とエコ活動の展開――の3点から、中国現地に即した環境保全活動に取り組むという。

 具体的な目標としては、2007年4月以降、中国で発売するすべての新製品において、中国における製品の環境対応を示すラベルである「十環ラベル」、「節ラベル」、「環保ラベル」を取得。また、エアコンや冷蔵庫、洗濯機などにおいて、省エネルギーや節水などのレベルを評価する「省エネルギーラベル」においても、中国市場向けの全製品において、トップ水準を獲得する。


松下グループのうち、74社、6万7336人の従業員が署名したエコ行動宣言
中国における各種環境ラベル
左側が中国が掲げている環境目標。右が松下電器の企業目標。上からエネルギー消費量、廃棄物、化学物質、水使用量

松下電器産業役員環境本部・野口直人本部長
 なかでも、取得が難しいとされる十環ラベルを、薄型テレビおよびデジタル複写機で今年8月に取得。「パネルから鉛を完全に無くしたプラズマテレビのVIERAを発売し、大幅な節水を実現するななめドラム洗濯乾燥機などの環境配慮製品をグリーンプロダクツとして位置づける。有害物質を使用しないだけでなく、省エネ性能も極めて重要な条件である。有害物質の使用については、約3,000社のサプライヤーに対して不使用を徹底するなど、調達面から対応している」(松下電器産業役員環境本部・野口直人本部長)としている。

 また、製造拠点においては、中国の第11次5か年計画に掲げられている主要な環境目標をベースに、同等規模の削減目標を企業内指標とし、2010年3月(2009年度)までに、エネルギー消費量の縮小によるC02排出量を20%削減、水使用量で30%削減などを目指す。


パナソニックチャイナ・林義孝会長
 また、全製造事業所で公的環境認証を取得する考えで、「2009年度までにすべての工場で清潔生産審査に合格し、環境友好企業表彰において12社の表彰を目指す」(パナソニックチャイナ・林義孝会長)とする。

 さらに、従業員における取り組みとしては、中国に拠点を置くすべての松下グループにおいて、従業員によるエコ行動宣言を行ない、10項目におけるエコライフスタイルへの取り組みなどを家庭でも行なう考え。

 「中国にある松下グループのうち、74社、67,336人の従業員がエコ行動宣言活動に署名。2007年7月には、CO2削減10万人エコチャレンジを日中両国の松下グループ社員が行なった。1週間に渡り、主電源オフ、冷房26℃以上の設定、人のいない部屋での消灯という誰にもできる省エネへの取り組みであるが、これだけでC02排出量削減効果は約180トンに達し、北京市民415人の1年分の消費電力によるCO2排出量削減に相当した。従業員の活動については、これだけの広い国土で、環境への意識をいかに浸透させるかが課題だった。この点ではまだ取り組んでいく必要がある。今後は、社員への評価制度への反映も考えていきたい」(林会長)とした。


エコライフスタイルの10項目
 また、野口本部長は、「社長の大坪文雄は、環境負荷の小さい商品開発は当然の取り組みであり、それ以上に、ものづくりのすべてのプロセス、個人のすべての活動において、環境への配慮を忘れてはならないと語っている。これは松下電器の『モノを作る前に、人を作る』ということを、環境活動でも実践していくことを示したもの。松下グループは中国に92,800人の従業員がおり、松下電器にとっても大変重要な地域。中国での環境への取り組みも重要なものとなる」と強調した。

 中国におけるエネルギー消費量は年々増加傾向にあり、2006年には標準石炭に換算して、24億6,000万トンのエネルギー消費となっている。そのうち、工業生産における消費が71%、生活消費が10%を占めている。

 松下グループでは、工業生産と生活消費の両面からの環境貢献に挑む考えだ。

 野口役員は、「松下電器は、『地球環境との共存への貢献』を。ユビキタスネットワーク社会の実現と並ぶ、2大事業ビジョンの1つとして取り組んでいる。当社が取り組んでいる3か年のGP3計画においては、環境面では、高い環境性能の商品の連打、全工場における高い環境パフォーマンスの実現、中国での環境活動の強化に取り組む」とした。

 中国環境フォーラム2007は、松下電器、パナソニックチャイナおよび中国日本友好協会と共同で行なったもので、中国政府や関連団体の関係者など約230人が参加した。


中国日本友好協会の井頓泉副会長 中華環境保護基金会の曲格平理事長 中国商務部研究員多国籍企業研究センター・王志楽主任

 中国日本友好協会の井頓泉副会長は、「中日両国の交流と合作によって、環境保全の取り組みを行なうことは、大きな意義がある。今回のフォーラムを通じて、多くの人に衆知し、環境に対する関心を高めることができればいい」と挨拶。中華環境保護基金会の曲格平理事長は、「中国における環境への取り組みはやや遅れているが、ここ数年で大きな転換を行なっている。地球全体で取り組むものとして、中国でもさらに環境への取り組みを加速させることが必要」とした。

 また、中国商務部研究員多国籍企業研究センター・王志楽主任は、「欧米や中国の企業を研究してきたが、松下電器の環境への取り組みは世界的に見ても先進的である。これまで企業や製品は、コストパフォーマンスの高さを競ってきたが、今後の競争には、それに加えて、社会的責任や環境への責任が含まれる」とした。

 また、同フォーラムでは、松下電器が先頃発表した「黄海エコリージョン支援プロジェクト」に関する調印式が行なわれ、黄海エコリージョンを推進する世界自然保護基金(WWF)や松下電器関係者などが出席した。


黄海エコリージョンに関する調印式の様子
関係者一同

 同プロジェクトは、今後7年間に渡り、1億7,000万円の資金を松下電器が援助し、黄海の海洋生態系の保全を目的に、黄海、渤海、東シナ海の一部を含めた約46万平方kmの海域を「黄海エコリージョン」と定め、日本の領域内の3か所を含む、23の優先保全地域を対象に、生物多様性を維持するための活動を行なう。

 松下電器は、世界で2社目となるWWFインターナショナルのコーポレートサポーターとして、同プロジェクトを支援するとともに、同社が環境活動に積極的に取り組んでいる姿勢を、ロゴなどを使用しながら広く啓蒙していくことになる。





URL
  松下電器産業株式会社
  http://panasonic.co.jp/
  環境活動報告
  http://panasonic.co.jp/eco/
  ニュースリリース
  http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn070926-3/jn070926-3.html

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松下、WWFと共同で黄海の生態系保全プロジェクトを開始(2007/09/07)


( 大河原 克行 )
2007/09/26 15:57

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