【特別企画】

毎日のごはんライフをもっと幸せにしてくれる、こんな炊飯器&精米器を待っていた!

「土鍋圧力IH炊飯ジャー<THE炊きたて>」レビュー

タイガーの高級炊飯器といえば、本物の土鍋の内釜を採用した「土鍋ごはん」。それが、2016年モデルではさらにバージョンアップさせたプレミアム本土鍋に進化し、釜全体を効果的に発熱させる遠赤大土かまどとの二重発熱構造で、“香りを引き出す”ことに成功したのだとか。こちらもフルモデルチェンジした精米器との合わせ技でごはんの楽しみ方がさらに広がります。2台そろって「家電アトリエ」にやってきたので、さっそく炊飯&精米! その魅力に迫ります。

土鍋&最高280度の高温が引き出す「おいしい香り」

届いたのは高級感のある艶消しブラックの「土鍋圧力IH炊飯ジャー<THE炊きたて>JPX-102X」。さっそくふたを開けてみると、お馴染みの土鍋仕様の内釜が入っています。内部の口が絞られ、底に近づくにつれてふくらみを持たせ、最後にギュッと絞った丸みのある形状。これによって熱対流を起こし、上部に蒸気のふたを作って理想的な加熱を生み出したとのこと。遠赤効果の高い遠赤釉薬を採用して、従来モデルよりも遠赤放射率が40%以上もアップしていると言うのですから、ずいぶん進化しているのですね。「プレミアム本土鍋」と名付けているのにも、なるほどとうなずけます。

内釜には「口絞り構造」を採用。効果的な加熱を生み出します

内釜がどんなに頑張っても、加熱をする本体やふたなどとうまく組み合わさらなければ、おいしいごはんへと繋がりません。釜全体を効果的に加熱する遠赤大土かまどが、IH発熱をして、しっかり熱を伝え、大小2つの圧力ボールによる可変W圧力で最大280度の高温で炊き上げます。それに加えて、新モデルでは蒸らし工程でも200度以上という高温で仕上げているため、お米の粒と粒の間に残った余分な水分を飛ばして、甘みと香りのあるごはんを実現させているのです。

親水性の高い塗膜についた水分が炊飯時には素早く蒸発する「つや艶内ふた」。保温時は膜をはってご飯をしっとり保温します

大小ふたつの圧力ボールで、ふっくらもちもちなのに、一粒ひと粒がしっかりおいしいごはん粒に仕上げます

その真価を確かめるべく、まずは白米を「極うま白米」メニューで炊いてみることにしましょう。洗米をこのプレミアム本土鍋で行うことは何だか少しためらいを感じますが、取説で確認してみるとまったく問題ないようです。ただし、万が一、床に落としてしまうと割れることもあるので、その点は慎重に、慎重に。

洗米してから、まずは「極うま白米」を試します

「極うま白米」メニューでは、火加減と仕上がり具合がそれぞれ3段階から選べますが、今回はいずれも中くらいをセレクト。タッチパネルで軽快に操作して炊飯ボタンを押すと、3合のごはんの炊飯が56分と表示されました。ふむふむ、イマドキの炊飯器としては時間がかかりすぎることもなく、ごく普通というところ。どんな炊き上がりか楽しみです。

タッチパネルで操作も軽快

そして56分後! 「タイガー炊飯ジャー、炊きたて~♪」のあのメロディが鳴ったではありませんか。なんとも心躍る音楽、ふたを開けるのに胸が高鳴ります。

じゃーん。ふたを開けたとたんに湯気と共に香ばしいごはんの香りがして、「あ、他とは違う」というのが第一印象。白米特有の甘みに加え、かまどで炊いたような火のしっかり入った香りがします。しゃもじで底からかき混ぜると、うっすらおこげができていて、それもうれしい。お茶碗によそう時間ももどかしく、口に入れてみると、粒感がはっきりと感じられて、かむほどに甘みがあり、ほどよい弾力があります。味が濃いので「おかずが要らない白飯」と言ったら、わかりやすいでしょうか。

ふたを開けると、おいしそうな香りが広がります

よい感じにおこげもできています

土鍋仕様のふたも付属しているので、食卓に持って行って「おひつ」として使えるのもプレミアム本土鍋ならではの楽しみ方。蓄熱性があるので冷めにくく、高級感のある土鍋は食卓に置いたときに格が違います。

こんな感じで「おひつ」として使えます

ちなみに今回は5.5合炊きのJPX-102Xを使いましたが、まったく同じ仕様で3.5合炊きのJPX-062Xもあります。ひとり暮らしからファミリーまで、家族の人数や暮らし方に合わせて選べるように、2サイズそろっているのもうれしいなと思います。

「押麦」だけじゃなく、健康効果で評判の「もち麦」まで食べやすく

ここ1~2年、健康のために食卓に取り入れる人が急増しているのが、麦ごはん。繊維質が豊富で独特の食感が楽しく、特にとろろと合わせた「麦とろ」はファンも多いものです。タイガーの炊飯器では、昨年モデルから麦ごはんに合わせた専用プログラムを採用。麦ごはんに慣れるまでの「麦1割」と、より健康効果が発揮されやすい「麦3割」のどちらも気軽に取り入れられるように、2種類の麦専用計量カップや、水目盛を用意しているところがとても細やかで素敵です。

2種類の麦専用軽量カップが付属されているのもうれしいポイント

まずは麦3割で炊いてみます

そうしたら、なんと今年は「もち麦メニュー」も加わったと聞き、「ん? 今までの麦ごはんは何麦だったのかしら?」と一瞬頭に疑問符が。なるほど、今までのは「押麦用」だったのですね

あらためて調べてみると、「押麦」というのは、大麦を蒸気で加熱してやわらかくしてからローラーで平たく加工し、吸水しやすくしたもののこと。こうすることで食べやすくなり、お米と一緒に炊きやすくしているのですね。一方、「もち麦」というのは外皮を残す加工をしていて、形も丸みがあります。押麦に比べてβグルカンという食物繊維を多く含み、メタボ対策にさらに有効とされているのだとか。ゆっくり消化されるので、血糖値の上昇を防ぐとも言われているようです。ただし、独特の香りがあるため、押麦よりもハードルが上がってしまうのが弱点というわけ。

それで、今回、タイガーでは吸水時間を長めにとり、沸とう維持工程で高火力で炊き上げることでニオイを抑えるという「もち麦メニュー」を新たに開発。どちらの麦も無理なくおいしく続けられるようにしているのですね。

実際に3割のもち麦を入れて炊いてみると、確かに麦ごはんならではの香りはあるものの、粘りのあるもち麦はとても食べやすく「毎日食べたい!」と言える味わい。おこげも楽しめる香り高い白米だって、健康的な麦ごはんだって、何でもおいしいのだから、やっぱりプレミアム本土鍋はさすがですね。

近づくと浮かび上がるタッチパネルで使いやすさも上々!

この<THE炊きたて>には、モーションセンサーが搭載されています。ふだんは天面に何も表示されていないのに、人が近づくとタッチパネルの表示が浮かび上がる仕組みになっているのも、「美しさ」と「使いやすさ」が両立されていていいなと思います。

たとえば、「極うま白米」モードでごはんを炊こうと思った場合、まずは中央部の表示の中から、「極うま白米」を選んでタッチすると、これまで表示されていなかった「火かげん」「仕上り」のボタンが浮かび上がり、それぞれ3段階の中から好みのものを選んでタッチ。その後「保温」ボタンを押すと、それ以外のすべての表示が消えて、保温の有無や、保温時間を選択できるという仕組みになっています。併せて、音声でのガイドもしてくれるので、年配の方や機械操作に慣れていない人でも安心して使えます。

天面にはモーションセンサーを搭載。手を近づけるとタッチパネル表示が浮かび上がります

タッチパネルの操作も簡単。火かげんや仕上がりも3段階で選べるので、自分好みのごはんを探すのも楽しそうです

どんなに素晴らしい機能が搭載されていても、さまざまな炊き分けがあったとしても、操作が複雑すぎて使いこなせないようでは「宝の持ち腐れ」になってしまいます。でも、この炊飯器は使う人のことをきちんと考えて、UIが作り込まれているのですね。

それに、もうひとつ見逃せないポイントも。炊飯時に操作パネルの右下にお茶碗にごはんが入ったイラストが表示されて、そこから湯気が出る様子がとてもかわいらしいのです。しかも、極うま白米と麦ごはんのときではごはんのイラストが変わったり、炊き込みごはんのときにはお茶椀の柄が変わったりするという凝った仕掛けまで。

右下に表示されるお茶碗のイラストが変わるのも楽しい

先に述べた「土鍋のふたが付いていて、おひつになる」という点もそうですが、購入した人が、毎日愛着を持って使いたくなる心配りのような、さりげない仕組みが随所にあふれているところに胸を打たれました。

ごはんを究めるなら精米器も合わせて使いたい

炊飯器にこだわる人は増えているけれど、まだまだ精米器を導入する人は少数派のようです。でも、炊飯する直前に、食べるぶんだけ精米したお米は水分もたっぷりで、表面が酸化していないので香りも豊か。おいしさがひと味もふた味も違うのです。健康のための分づき米や胚芽米などを、好みに合わせて作れるのも魅力です。

多彩なコースを搭載しています

玄米用の軽量カップがついているのもうれしいポイント

タイガーが従来モデルを刷新してこの秋発売した精米器「RSF-A100」は、5.5合炊きの炊飯器よりもひと回りほどコンパクトなサイズ。ブラックとレッドのバイカラーデザインがとてもスタイリッシュです。細かな運転制御が可能なDCモーター採用で、白米、胚芽米、もち米などの精米時には3段階で回転数を調整することによって、お米に負荷をかけない「変速かくはん式精米」が特徴。割れや温度の上昇を抑えて、丁寧に精米してくれるのです。

実際に精米してみると、さすがDCモーター。これまで使ってきた数々の精米器に比べて、驚くほど運転音が静か。朝ごはんのために夜寝る前に精米してから、炊飯器のタイマーをスイッチオンというという場合でも、家族に気兼ねなく使えそうです。また、ぬかボックスと精米かごが一緒に取り出せるため、ぬかがこぼれずにお手入れが簡単なのも素晴らしい。機構によっては、精米器本体の奥にぬかがたまってしまい、それが虫やカビの原因にもなるので、ここはとても大切なポイントです。ちょっとしたことかもしれませんが、精米器には珍しいコードリール式で、持ち運びに便利なのもいいなと思います。

ふた、精米はね、精米かご、ぬかボックスが取り外せるのでお手入れも簡単

精米器には珍しいコードリール式

いつもの白米メニューでふっくら炊ける「やわらか玄米」コースが便利

実は、この「RSF-A100」を知ったときにいちばん心に響いたのが、他にはない「やわらか玄米」コースを備えていること。「玄米はそのまま食べるものなのに、精米器にかけるの?」と不思議に思うかもしれませんね。どんな仕組みなのかというと、玄米の表面に細かいキズをつけることで、炊飯時にそこから吸水させて芯まで水分を届けることができるため、炊飯器の白米メニューのままで炊くことができるというのです。

さっそく「やわらか玄米」コースを試してみます

精米の時間は、わずか数十秒程度! このひと手間で、前の晩から水につけておいたり、じっくりと時間をかけて炊く炊飯器の「玄米」メニューを使ったりすることなく、白米を炊くのと同じ時間でふっくらとおいしく炊けるというのですから驚きです。

左が精米前の玄米で、右が精米後の玄米

こぼれるぬかの量も少なく、精米後のお手入れも簡単

今回は「土鍋圧力IH炊飯ジャー<THE炊きたて>」の「極うま白米」モードで炊いてみることにします。通常の精米時には、付属の「玄米専用(200ml)」カップを使いますが、「やわらか玄米」コースの際にはぬかがほとんど出ないので、いつもの炊飯器用の計量カップ(180ml)でお米を計って精米し、白米のときの水加減をした後、1合あたり大さじ2杯の水をプラスします。使う計量カップや、水位目盛のこと、プラスする水の量などは、慣れるまで毎回確認が必要かもしれませんね。

さて、あっという間の炊き上がり。はたして味はどうなのでしょう? これはびっくり、事前に吸水させたわけでもないのに、ごそごそした感じもなくて、食べやすく豊かな味わいに炊き上がっています。これなら、遅めに帰宅しても玄米を炊こうという気持ちになるし、前の晩にやわらか玄米コースで精米してから炊飯器にセットしておいたら、きっとさらにもちもちとおいしい玄米になるに違いありません!

玄米もおいしく炊けました

この後、やわらか玄米コースで精米した玄米を、玄米メニューで炊いてみたのですが、さらにもっちりとして食べやすい、まさに“極上玄米”に炊き上がりました。玄米派の人でも時短やおいしさにこだわって、さまざまに使えるこの精米器、本当におすすめです。

そのほか、購入後になかなか食べ切れず、表面が酸化してきてしまった白米も、「古米みがき」コースを使うと、ごはんのフレッシュな香りが蘇ってぐんとおいしくなるし、自宅で「無洗米」も作れてしまうなど、精米器は思った以上に“使える”家電です。今回のように炊飯器とセットで購入して使ってみるのは最高ですが、炊飯器は最近購入したばかりだしという場合、精米器の導入だけでも、毎日のごはんライフがぐんとバージョンアップするに違いありません。