三洋、銀座・三越で太陽電池を紹介するセミナーを開催

今回の特別セミナー開催のきっかけになった、銀座三越に設置されたHIT太陽電池

 三洋電機は、小学校2年生以上の子供と、その保護者を対象にした特別教室「太陽電池博士になろう!」を6月11日、東京・銀座三越の9階、銀座テラスで開催した。

 銀座・三越は、昨年実施したリニューアルの際、9階に芝生コーナーを設けた空間「銀座テラス」をオープン。その天井と壁面に三洋電機のHIT太陽電池モジュール270枚を設置している。

 今回の特別教室は銀座テラス脇のスペースで実施されたもので、通常は三洋電機が小学校の授業で行なっている内容をアレンジして実施された。この日は2回の教室が実施され、各回で約10組の親子が参加した。講師は、三洋電機 コーポレートコミュニケーション本部ブランドコミュニケーション・社内広報部 教育推進チームの小島彩主任が担当した。

クイズ形式で地球環境や太陽電池について楽しく学ぶ

講師役は三洋電機株式会社 コーポレートコミュニケーション本部ブランドコミュニケーション・社内広報部 教育推進チーム 小島彩主任

 セミナーではまず、地球温暖化されている状況をクイズ形式で紹介。地球温暖化によって最大2100年までに地球の温度が約6.4℃上昇すると予想されていることや、地球温暖化の原因の1つである二酸化炭素の排出量などをゲーム感覚で楽しく学んだ。

 また、今回のセミナーの目的である太陽電池についても紹介。太陽光発電は二酸化炭素を排出せずに発電できること、太陽がある限り資源がなくならないことなどを説明した。

 さらに、太陽電池にも様々な種類があり、それぞれ特性があることを紹介した。たとえば、世界で最も多く作られているシリコン系太陽電池にも、アモルファス太陽電池と結晶系太陽電池がある。アモルファス太陽電池を使った製品として、電卓が紹介された。アモルファス太陽電池を使った電卓は、室内の灯りで利用することが可能で、表示されている数値が手で太陽電池部分を隠すと消えてしまう。一方、結晶系太陽電池は通常の室内灯では利用できないものの、強い光源では、アモルファス太陽電池では動かすことができないプロペラ付きモーターを動かすことができるなど、実験を通して学んだ。

当日、利用された小学生向けテキストクイズ形式で楽しく地球環境について学んだ子供達だけでなく保護者も一緒にクイズに参加
電卓についている太陽電池を手で隠すと、表示されていた文字が消えてしまうアモルファス太陽電池(向かって左)と結晶系太陽電池(向かって右)を紹介
アモルファス太陽電池をオルゴールに接続し、音が出るのかを試すオルゴールからちゃんと音が出ているのか、耳を近づけて確認!
実験からわかった答えをテキストに書き込む次の実験はプロペラ付きモーターを太陽電池に接続太陽光の代わりに強い光源のライトを使い、どちらの太陽電池でプロペラが回るのかを試す

 その上で、三洋電機のHIT太陽電池は、結晶系、アモルファスを組み合わせて作った、新しい太陽電池であることや同じ面積あたりで発電できる量が世界最高レベルにあることなども紹介された。セミナー会場となった三越にも同社のHIT太陽電池が、通常の住宅に設置するもののおおよそ20軒分程度設置されている。

 続けて、三洋電機株式会社 コーポレートコミュニケーション本部ブランドコミュニケーション・社内広報部 教育推進チーム・平田勇人マネージャーから、太陽電池で生み出したエネルギーを貯める充電池の必要性が実験と共に紹介された。平田勇人マネージャーは「太陽電池は太陽の光が当たっている間しか発電しませんが、充電池に電気をためることで、いつでも利用することができるようになります」と充電池の必要性を説明。

結晶系太陽電池とアモルファス太陽電池を組み合わせて作った三洋電機のHIT太陽電池もう一人の講師役、三洋電機株式会社 コーポレートコミュニケーション本部ブランドコミュニケーション・社内広報部 教育推進チーム・平田勇人マネージャーは、太陽光を貯める仕組みを紹介。身近にあるエネルギーを貯める蓄電池の代表とし「eneloop」を紹介

 例として三洋電機のeneloopを挙げて、「充電池は何回くらい利用できると思いますか?」と質問されると、「永遠に使えるのでは?」という答えが子供達から返ってきた。実際にはeneloopは1,500回繰り返して利用できると言われると、「そうなんだ」と驚いた様子。それでも、「1,500本の乾電池を買うのと、同じだけ利用できるので、資源にも優しいことになります」という説明を聞くと、子供達も納得した様子だった。

eneloopをプラレールに搭載し、発電するのかを実験太陽電池と充電器がセットになった商品にeneloopを入れて明るいところに置いて、充電されるのを待つ

 セミナーの最後には、アフリカのウガンダ共和国の電気がない地域で利用されている、太陽電池で発電した電気を充電池にためて明かりをともす「ソーラーランタン」と、実際にウガンダで利用されている様子を紹介したビデオを上映。

 「世界中で電気のない生活をしている人は約16億人存在します。ウガンダは都市部での電気普及率は20%で、地方では約4%に留まり、普段は炎で光るケロシンランプを使っていますが、煙が出るため、子供達は目や肺の病気になることが多くなると言われています。ソーラーランタンは電気がない地域でも、利用できる灯りとして大活躍しています」という説明を聞くと、太陽電池の可能性にも興味を持った様子だった。

電気がない地域で活躍している、太陽電池で灯るソーラーランタン

 会場では、eneloopのソーラー充電器を使って、eneloopを充電。当日はあいにくの曇り空だったために、実際に太陽から充電することは難しい環境であったが、ソーラー充電器をガラス窓ごしに太陽の方に向けて、なんとか充電が完了。充電前には動かなかったプラレールが充電後は動くようになることを確認すると子供達は途端に笑顔に。太陽電池やeneloopを通して、電気の大切さ、発電することの大変さを学んだ1日となったようだ。






(三浦 優子)

2011年6月13日 12:46