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シャープ、劣化に強い住宅用リチウムイオン蓄電池システム

~8,000回繰り返し使っても、電池容量は初期の70%以上

 シャープは、長期間使用しても劣化しにくい住宅用リチウムイオン蓄電池システムを1月17日より発売する。電池容量は4.8kWhの「JH-WB1201」と2.4kWhの「JH-WB1202」の2種類が用意される。価格はいずれもオープンプライス。市場想定価格は順に190万円前後、140万円前後。主にハウスメーカーや同社の販売特約店を通じて販売する。

リチウムイオン蓄電池「JH-WB1201/JH-WB1202」
パワーコンディショナ「JH-20CL1」

 充放電の繰り返しに強い住宅用の定置型リチウムイオン蓄電池システム。一般的なリチウムイオン蓄電池は、充放電を繰り返しているうちに電池容量が低下する特性があるが、新製品では満充電と放電を8,000回繰り返しても、初期の70%以上の電池容量を維持する高性能のリチウムイオン蓄電池セルを搭載した点が特徴。長期間に渡って安定して運転できるという。

満充電を8,000回繰り返しても、初期の70%以上の電池容量を維持する

 太陽光発電と連携し、停電時でも日中に発電した電力を使える。曇天時など発電量が消費電力量を下回る場合には、不足する電力を補い、過負荷による太陽光発電システムの運転停止を防ぐ。

 別売りの専用タブレット端末を使って電力の見える化システム(HEMS)と連携し、画面上で蓄電池の残量確認や、日毎の蓄電池残量の履歴確認ができる。また、タブレット端末に付属するタップに家電機器を接続すると、蓄電池の残量に応じてそれらの機器の合計使用可能時間を一括して表示する。このうち必要な機器だけを選択して再計算することも可能。

ホーム画面
蓄電池の残量履歴を表示する
使用可能時間も表示

 平常時の運転モードは、安価な深夜電力で充電し、割高な日中の買電量を抑える「経済性モード(自動)」「経済性モード(時刻指定)」のほか、電力系統から充電せずに太陽光発電の余剰電力で充電する「クリーンモード」、計画停電などに備え、充電を優先する「充電モード」が用意される。充電モードでは24時間満充電の状態を維持し、その後、自動で「経済性モード(自動)」に移行する。ほかに、HEMS向けの通信規格「ECHONET Lite」に対応し、別売りの専用タブレット端末から「充電」「放電」「待機」などマニュアル操作できる「ECHONET Lite機器専用モード」で操作できる。

安価な深夜電力で充電し、割高な日中の買電量を抑える「経済性モード」は、電力会社の深夜電力時間帯以外に自動で家庭内へ電力供給する「自動」と、指定した時刻に家庭内へ電力供給する「時刻指定」の2つの設定を用意。時刻指定は、計画停電時などに役立つという
クリーンモードでは太陽光発電から充電し、発電量が消費電力量を下回った際に家庭内へ電力を供給する

 なお、余剰電力の買取価格については、通常では太陽光発電システムと蓄電池などの自家発電システムを組み合わせると、買取価格が太陽光発電システムのみを設置した場合の42円/kWhよりも少ない34円/kWhとなるが、本システムでは別売りのRPRセンサーを取り付けることで、分電盤から系統電力へ逆潮流しないように監視し、太陽光発電システムで発電した余剰電力の売電中は、家庭内への電力供給をストップする。このため、太陽光発電システムのみを設置した場合と同じ42円/kWhが適用されるという。

太陽光発電システムと組み合わせて、余剰電力の売電も可能

 「JH-WB1201」の蓄電池の本体サイズは700×250×1300mm(幅×奥行×高さ)。本体重量は約160kg。

 併せて使用する蓄電池パワーコンディショナ「JH-20CL1」の本体サイズは666×201×429mm(同)。本体重量は約28kg。

 付属の「マルチエネルギーモニタ JH-RWL5」の本体サイズは175×27×137mm(同)で、本体重量は約500g。7インチカラーのTFT液晶を搭載し、タッチパネル式となる。

小林 樹