家電製品ミニレビュー
部屋から部屋へ移動できるコンパクトな空気清浄機
by 伊達 浩二(2014/1/8 07:00)
ワンルームや子供部屋に向いたシンプルな製品
今回はパナソニックの「F-PDJ30」という空気清浄機を紹介する。加湿機能を持たず空気清浄機能だけに徹したシンプルな製品だ。
もともと子供部屋や寝室、ワンルームを想定している製品で、軽量さとコンパクトさが売りだ。移動用の手提げも付いていて、必要に応じて移動することもできる。実勢価格も1万円台前半と手頃だ。
今年も2月頃から花粉の到来が予想されている。そろそろ空気清浄機を準備しておいてもおかしくない時期なのだ。
メーカー名 | パナソニック |
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製品名 | F-PDJ30 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 12,060円 |
コンパクトな本体で、設置も簡単
F-PDJ30には、3色のカラーバリエーションが用意されている。ソーダーブルー、ストロベリーピンク、ミルキーベージュだ。今回は、ソーダーブルーにした。
本体は幅が31cmで一般的な空気清浄機に比べると小さく、厚さも21cmと薄い。高さは54cmあるが、上部は取っ手になっているので、あまり大きさを感じさせない。重さは4.1kgだ。
どっかりとリビングルームに鎮座しているというよりも、人の移動に合わせて必要な場所で使う製品で、狭い場所にも向いている。
空気の流れは、空気清浄機本体の正面下部から吸い込んで、背面の上部に吹き出す。なので、壁面に、ほとんどくっつけて使うことができる。また、卓上・床置両用なので、低い家具などの上に置いて使うこともできる。
フィルターは集塵フィルターと脱臭フィルターの2枚だ。フィルターはPM2.5にも対応しており、花粉やダニなどのアレル物質を抑制するための加工がされているという。
最初に使う時は、脱臭フィルターをビニール袋から取り出して、取り付け直す作業が必要だが、フロントパネルが大きく開くし、脱臭フィルターは上下左右を気にせずに取り付けられるので難しくない。外箱や空気清浄機本体にも、ていねいに組み立て方が書いてある。
シンプルな操作ボタン
電源コードをコンセントに差し込んで、運転(電源)スイッチを入れると、「自動」モードで動作を始める。
空気の汚れを感知するセンサーを搭載しているので、通常は自動モードに任せて良いだろう。空気の汚れ具合は、パネルの「クリーンサイン」が色で表示する。空気が汚れていると赤、きれいな時は青が大きく表示される。
なお、本機のセンサーは、空気の汚れを感知する「よごれ(ニオイ)センサー」タイプで、ホコリや花粉などを感知する「ハウスダストセンサー」が搭載されていないのは、ちょっと惜しい。
手動で風量を変えたいときは「風量」ボタンを押すと、「自動→静音→中→ターボ→自動」と切り替わる。
部屋の適用畳数は12畳だが、これはターボモードの時の値なので、だいたい8畳間ぐらいまでが実用範囲と思えば良いだろう。
動作音は、静音なら寝室においても眠れるぐらいの音、少し離れていれば中でも気にならない。ターボにするとややうるさく、テレビの音量を上げたくなるぐらいだ。
風量以外の操作ボタンとして、「チャイルドロック」と「切タイマー」が用意されている。チャイルドロックは、3秒長押しすると、電源スイッチも含めた他のボタンが操作できなくなる。もう一度、長押しすると解除できる。切タイマーは、3時間固定で、押すだけで動作する。
どちらも子供部屋に置くときには便利な機能で、操作方法が簡単なのが良い。
シンプルで、メンテナンスにも手間がかからない
空気清浄機の性能を活かすためにはメンテナンスが必要だが、この製品の場合は、加湿機能がないこともあって、あまり手間はかからない。
基本的には、集塵フィルターの表面を2週間に一度ぐらいの頻度で、掃除機で掃除すれば良いという。脱臭フィルターの手入れは不要だ。まあ、このぐらいならなんとかできるだろう。
フィルターの寿命は、部屋の状況に大きく左右されるが、1日にタバコ6本を吸うという業界規格で計測して、約2年とされている。スモーカーの居ない家庭や、子供部屋だけで使う場合は、もう少し長く持つと思って良いだろう。
交換用のフィルターは2枚セットで4,410円だ。集塵フィルター、脱臭フィルターの単体でもバラで購入できる。
ついでに消費電力に触れておくと、ターボ/中/静音の各風量で、50Hz地域では28/20/14W、60Hz地域では33/20/12Wだ。ほとんどの時間は静音モードで動いているので、あまり電気代は気にしなくて良いだろう。花粉の時期は、電源スイッチを入れっぱなしにして使うことをお勧めする。
使いこなしの楽しさもある実用的な製品
この製品はコンパクトで、使い方や構造もシンプルなのが特徴だ。操作するボタンも少ないので迷うこともない。加湿機能が無い分だけ、本体が軽く、移動しやすいという特徴もある。
また、ちょっと便利な細かい設定が用意されている。1つは、「チャイルドロック」と「風量」の同時押しで、空気の汚れ具合を示すクリーンサインが消せる。寝室をできるだけ暗くしたいときに便利な機能だ。
もう1つは、電源スイッチがオフの状態で、「切タイマー」と「風量」の同時押しをすると、センサーの感度を3段階に切替できる。センサーの感度が鈍く感じたり、逆に敏感すぎると思ったときに調節できる。ペットがいて匂いに敏感な場合は、センサーの感度を高めておけば良い。
本機は、子供部屋を始めとする小さめの部屋に向いた製品だが、とりあえず花粉の時期に向けて、空気清浄機を試してみたいという入門用途にもおすすめできる。低価格な製品だが、空気清浄機の基本的な機能は十分に備わっている。この製品を使って空気清浄機のメリットがわかったら、上位機種の導入を考えてみれば良いだろう。