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パナソニック、欧州の白物家電事業に本格参入

~冷蔵庫とドラム式洗濯機を3月に販売

欧州市場向けに展開される冷蔵庫「NR-B30FX1」(右)と、洗濯機の「NA-16VX1」(左)
 パナソニックは、欧州市場向けの白物家電事業に本格参入すると発表した。

 2月23日(現地時間)からオランダの首都アムステルダムで開催している欧州のディーラー向けセミナー「Panasonic Convention 2009」にて、2日目となる24日午後2時30分(同)に、同会場で記者会見を開き、発表した。

 投入する家電は、冷蔵庫2機種とななめドラム式洗濯機3機種。ベルギー、フランス、ドイツ、オランダ、ポーランド、スペイン、英国の7か国で、3月から販売を開始する。

 また、4月には、スウェーデン、ノルウェー、デンマークの3か国、5月にはチェコ、ハンガリー、スロバキア、ルーマニア、ブルガリア、クロアチアの6か国、9月にはイタリアでの販売を開始し、欧州17か国での販売体制を整える計画だ。

 これまで同社では、欧州市場向けにエアコン、電子レンジ、掃除機などの白物家電商品を販売してきた経緯があるが、冷蔵庫、洗濯機といった主要商品の展開によって、欧州における白物家電事業を本格化することになる。


パナソニック株式会社ホームアプライアンス社・松村二郎副社長
 パナソニックは大阪でも24日に説明会を開催。パナソニック株式会社ホームアプライアンス社・松村二郎副社長は、「本格的に欧州市場で戦っていける体制が整った。まずは、プレミアム商品ゾーンで足場を固めていく。環境性能と基本性能は二律背反することもあるが、当社独自の環境コア技術で双方の性能を高めることができる。この技術を搭載することで、日本だけでなく、世界各地で戦えると考えている」と概要を説明した。

 松村氏は欧州市場における具体的なシェア目標や販売台数については言及しなかったが、「これまで取り扱ってきたエアコンなどの白物家電商品だけで、2007年度実績は約400億円。冷蔵庫、洗濯機を加えることで、これを今後5年で倍増にまで拡大したい」と語った。

 続けて「欧州のユーザーは、世界で最も環境意識が強い。経済性、環境性という2つの要求を満たすものであり、それに加えて、高性能、高品質、デザイン性、使いやすさの面で優位性がある。パナソニックは、冷凍冷蔵庫と洗濯機において、どの国でも常に高いシェアを獲得してきた。欧州においても、高級品市場において、主役になることを狙っている」と話し、成功に向けた自信を見せた。


霜の発生を抑制、エネルギー効率に優れた“次世代”の冷蔵庫

上位モデルの「NR-B30FX1」。2ドアタイプは欧州市場での標準となっている
 冷蔵庫では、同社のインバータ技術とU-Vacua 真空断熱材などの独自の技術を搭載した高級商品として、「NR-B30FX1」および「NR-B30FG1」を投入する。市場想定価格は上位モデルで1,000ユーロ(約12万円)前後。

 特にに上位機となるNR-B30FX1は、業界で初めて欧州のエネルギーラベルで「A++」に格付けされた「霜なし冷凍室」を備えている。また運転音も36dbと、同クラスの冷蔵庫に比べて約25%の静音性を実現したという。

 また両モデルとも、空気循環、LEDライト、フィルターの組み合わせによる除菌システム「ハイジーン・アクティブ・システム」によって、バクテリアを99.9999%除去することに成功。一般的な冷蔵庫と比較して、1,000倍も効果的に除菌することができるという。ここで採用されているLEDの効果は、欧州の商品評価の試験機関である「SLG」によって認証されているという。

 そのほか、室内の湿度を95%に保ち、食品を新鮮に保持する「ビタミンセーフ野菜室」も搭載。温度は0度から5度の間で設定ができるようにした。

 同社では、今回投入する冷蔵庫を“次世代冷凍冷蔵庫”と表現。「最大の特徴は、エネルギー効率に優れていること。消費電力が少ないことは、環境に優しく、家計を助ける」としている。


「NR-B30FX1」の特徴
NR-B30FX1と下位機種NR-B30FG1のスペック表

洗濯機は傾斜が10度の“ななめドラム”を投入

洗濯機の「NA-16VX1」。乾燥機能はついていない
 一方、洗濯機は「NA-16VX1」、「NA-16VG1」、「NA-14VA1」の3機種が投入される。市場想定価格は700ユーロから900ユーロ(約8万5千円~10万円)になる。

 インバーター技術と10度傾けたななめドラム構造、3Dセンサー技術を採用することで、高い洗浄能力を実現するとともに、洗濯時間を短縮し、使用水量を節約できるのが特徴となっている。

 3Dセンサーによって、衣類の負荷によるドラムの動きを感知。モーター動作の微調整などによって、ドラム内の衣類の偏りを防ぎ、最適な洗濯を可能とする。また、最初の洗濯サイクルが開始される前に、衣類を十分に水に浸すための広角シャワーや、必要に応じて洗濯に必要な水量や消費電力を引き下げたり、泡が出過ぎた場合には水量コントロールにより最適な洗濯を可能にする機能も搭載している。

 EUのA-20%エネルギーラベルに適合した省エネ性を実現。自動的に電源が切れる設計も採用したという。

 同社によれば、「15年前の洗濯機は、1回あたりの洗濯で100Lの水を使用したが、新製品では1回あたり44Lで済む。年間1万Lの水を節約できることになる」という。


上位モデル「NA-16VX1」の特徴 欧州向け洗濯機3機種のスペック表

現地の生活様式に見合った家電を研究/開発する施設もオープン

 また、同社では、欧州市場向けの白物家電の商品企画強化策の1つとして、欧州HA生活研究センターを、ドイツ・ヴィースバーデン市に、4月に開設すると発表した。

 同センターは、欧州地域の生活研究に基づく商品コンセプトや、機能の仮説検証および提案、欧州での社会・環境トレンドの的確な把握を行なうことで、白物家電商品の企画などに反映させる活動を行なう。

 同様のセンターは、中国・上海などでも開設されており、中国人の生活様式を研究、分析した上で企画した商品がヒットするなどの実績があがっている。

 欧州HA生活研究センターでは、まずは日本人の所長1人、欧州の社員2人の3人体制でスタート。当面、冷蔵庫、洗濯機を主力とした白物家電に関して、欧州の家庭における設置状況や使用状況などの使用実態把握、ライフスタイルなどの生活実態把握、消費動向や生活インフラの変化などの調査・分析し、それらの結果に基づいた仮説・検証から、商品コンセプトの立案や仕様の提案などを行ない、現地発の商品開発支援につなげる考えだ。さらに、欧州の主要研究機関と連携した取り組みも開始する。

 なお、同センターは、パナソニックヨーロッパの一組織として設置される。





URL
  パナソニック
  http://panasonic.co.jp/
  冷蔵庫 関連記事リンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/refrige.htm
  洗濯機 関連記事リンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/washer.htm

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( 大河原 克行 )
2009/02/25 00:05

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