ダイキン工業株式会社は、貯湯ユニットの設置スペースを従来の約半分にしたエコキュート「ダイキン エコキュート Pシリーズ EQP18KSCV」を、2009年3月1日に発売する。希望小売価格は661,500円。
エコキュートは空気中の熱を使ってお湯を沸かすCO2冷媒式給湯器のこと。今回のPシリーズでは、同社の調査にて、ユーザーがエコキュートの導入を見送る理由として、「導入価格が高い」「トータルコスト」といったコスト面に次いで「機器の大きさ」が挙げられていたことから、貯湯ユニットのコンパクト性にこだわった。
「ダイキンでは角形/薄型/スリム型など、設置形態に合わせた貯湯タンクを用意しているが、敷地の限られた住宅では、厚みがあって収まらない、設置スペースはあっても搬入できないという制約があった。また、小世帯の家族の比率も増えていることもあり、設置と搬入のしやすさを備え、さらに少人数から最大5人まで対応できるエコキュート、というのをコンセプトとした」(ダイキン工業 空調営業本部 商品企画部長 浜口守氏)
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エコキュートを導入するうえでは、価格のほかに設置スペースの問題がある
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スペースに収まらないことはもちろん、路地を通せずに設置スペースまで運べないという問題がある
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限られた住宅でも設置できる省スペース性、搬入のしやすさ、幅広いライフスタイルに対応できる点の3つがテーマ
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ダイキン工業 空調営業本部 商品企画部長 浜口守氏
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そこで、貯湯タンクの幅と奥行きを「新聞紙片面サイズ」という430×560mm(幅×奥行き)とコンパクトにした。設置面積は0.24平方mで、同社の370Lの薄型タイプ「EQ37H3FTV」の0.49平方m、同じく370Lの角形タイプ「EQ37JFV」の0.46平方に比べて、約半分に当たる。これにより、約500mmの住宅横側の隣地境界のスペースでも設置がしやすくなった。
さらに、重量は「業界トップの最軽量」という49kgになり、搬入が難しい通路や曲がり角でも、2人で簡単に搬入できるという。
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設置スペースを従来の370Lタイプから半減
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左が今回発売される180Lタイプ。右の370Lタイプ(薄型)と比べると、かなりコンパクトになっている
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設置面積はほぼ半分
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重量も軽くなっており、2人での搬送が可能。狭い通路や住宅の角にも設置できる
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一般的な隣地境界である幅500mm程度のスペースにも搬入・設置が可能
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設置後の外観
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会場では実際の住宅に設置したVTRが放映された。新聞紙一枚のスペースがあれば設置可能
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搬入は2人で行なえる
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設置後のようす
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貯湯ユニットの容量は180Lで、従来までの370Lよりも約半分となっているが、容量の不足を補うため、ヒートポンプユニットを高能力化した。圧縮機の回転数を毎分6千回から7千回に増やし、インバーターにはPAM方式よりも省電流で高回転を実現する「SP-PAM」方式を採用。さらに、水熱交換器は伝熱を促進する「Hiスマートディンプル管」も取り入れた。これにより、最大加熱能力は従来の4.5kWから10kWへとアップ。貯湯量が不足しても追加沸き増しで対応できるため、370Lタイプと同等の給湯能力が発揮できるという。
また、お湯が使用される時間を学習し、生活シーンに合わせて沸き上がりをムダなく制御する「ハーフリー制御(ハーフ+フリーの造語)」も搭載する。通常の加熱能力は6.0kWだが、タンクの残りが少なくなった場合は、10kWで急速に沸かしお湯を追加するため、最大で5人までの家族に対応できるという。
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圧縮機の回転速度を高速化し、1分間に7千回転できるようになった
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インバーターは少ない電流で圧縮機を回転できる「SP-PAM」方式を採用
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伝熱効果の高い「Hiスマートディンプル管」
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タンク容量は180Lだが、加熱能力を最大10kWまでアップすることで、370Lクラスと同等の給湯効果が得られるという
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生活パターンに応じて蓄熱時間を自動でコントロールする「ハーフリー制御」
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同社では本製品を導入することで、1年間にかかる光熱費が、ガス給湯器の7万6千円から、約1/3に当たる2万5千円に抑えられるとの試算を発表している。なお、従来製品の370Lタイプの年間光熱費は1万7千円。
このほか、白と黒とのコントラストでより鮮明に画面が確認できる操作パネル「らクリア リモコン」、お湯が冷めてもボタン1つで簡単にお湯が足せる「フレッシュあたため」機能も備えている。
サイズは、貯湯ユニットが430×560×1,890mm(幅×奥行き×高さ)、ヒートポンプユニットが825(+74)×300×735mm(幅×奥行き×高さ)。APF(年間給湯効率)は従来と同等の3.0。外気温は-10~43℃まで対応。取り付けには基礎や転倒防止のための金具を使用する。
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ガス給湯器と比べると、給湯の光熱費を1/3に抑えられるという
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ホワイトバックライトを採用した操作パネル「らクリアリモコン」
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ダイキン工業 専務執行役員 空調営業本部長 加藤豊氏
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ダイキン工業 専務執行役員 空調営業本部長 加藤豊氏は、エコキュートの市場について「(改正建築基準法の影響により)住宅着工数が不振だが、2008年度は前年比26%増と、他の商品にない伸びを見せている。住宅での給湯器のストックは約5千万台で、このうちエコキュートの普及率は約3%と言われている。地球環境・省エネの観点から、今後はリフォームなど更新での需要が期待できる」と期待を見せた。
加藤氏は、続けて本製品の特徴である設置のしやすさについてに触れ「エコキュートの普及には設置スペースの面で課題があり、(土地が狭い)都会で普及していく妨げになる。本製品なら、新聞紙一枚のスペースがあれば設置できる。私自身もエコキュートを使っているが、エコキュートの省エネ性、環境性、お湯のやさしさを実感したら、皆さんファンになっていただけると思う」と語った。
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貯湯ユニット
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貯湯ユニットのカットモデル
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ヒートポンプユニット(室外機)
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■URL
ダイキン工業株式会社
http://www.daikin.co.jp/
ニュースリリース
http://www.daikin.co.jp/press/2008/081021/index.html
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http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/alldenka.htm
( 本誌:正藤 慶一 )
2008/10/21 16:22
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