東芝ホームアプライアンス株式会社は、食品の鮮度を保ち、食品廃棄のロスを防ぐ冷蔵庫「プラチナ潤い鮮蔵庫 まるごと鮮度名人 クールイン1(ワン)スタイル」3機種を、12月1日に発売する。価格はすべてオープンプライス。ラインナップの詳細は以下の表の通り。
品番 | GR-A56R | GR-A51R | GR-A48R |
容量 | 定格内容量 | 556L | 511L | 483L |
冷蔵室 | 377L | 346L | 318L |
冷凍室 | 179L | 165L | 165L |
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 740×710×1.818mm | 685×721×1,818mm | 685×721×1,738mm |
2Lペットボトル収納 (ドアポケット) | 最大8本 | 最大6本 |
本体カラー | シルバーステンレス ブラウンステンレス プライムウッド | パールホワイト シルバーステンレス シルバー |
店頭予想価格 | 28万円前後 | 26万円前後 | 24万円前後 |
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GR-A56R プライムウッド
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GR-A56R ブラウンステンレス
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GR-A56R シルバーステンレス
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主婦の3人に2人が食材を廃棄しているという調査結果
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庫内容量が556/511/483Lの3タイプで展開される、フレンチドア(両開き)タイプの大型冷蔵庫。同社によると、食品の乾燥や老化、使い忘れなどで、主婦の3人に2人が食材を廃棄しており、その量を金額に換算すると、1家庭当たりで年間約3万円分に及ぶという。また、冷蔵庫は家庭で使う電気代のうちエアコンに次ぐ2番目の高さとなっており、ユーザーが省エネを意識して選ぶ家電のトップとして挙げられている調査もある。このことから、本製品では「食」と「省エネ」という2つのエコをテーマとしている。
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ひと家庭当たり、年間で約3万円分の食材が廃棄されているという
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冷蔵庫は一般家庭における電気代で、エアコンに次いで2番目に高い
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「省エネ」「食」の2つのエコがテーマ
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i-ツイン冷却のモデル図(写真右)。冷蔵、冷凍にそれぞれ別の冷却器を使用する
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まず、食品の鮮度を保持するために、冷蔵室と冷凍室をそれぞれ別々の冷却器で冷やす「ツイン冷却」機構を改良した「i(インテリジェンス)-ツイン冷却」を搭載した。冷却フィンの間隔を2mm短縮し、表面積を従来の1.6倍に増やすことで冷蔵・冷却パワーをアップし、フィンの表面にはシリカ系の親水コートを施すことで、霜取り運転時の水はけを向上させた。さらに、天井部にコンデンサー(放熱器)を配置することで、放熱性能と冷却制御を改善した。
この「i-ツイン冷却」により、冷蔵室の湿度は約85%と非常に高くなり、また温度変化も約±0.4℃の範囲内に収まるため、食品の乾燥が抑えて。食品の鮮度をキープできるという。また、この安定した庫内温度により、アスパラガスを4日間保存した場合、アミノ酸が約10%、糖度が約20%アップしたという実験結果もある。
なお、冷蔵室と冷凍室を1つの冷却器で冷やす「シングル冷却」の場合、湿度は約25%と低く、食品が乾燥しやすい。また、温度変化も±2℃の範囲と「i-ツイン冷却」よりも変化が激しいため、比較すると食品の鮮度維持がしにくくなっている。
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i-ツイン冷却の、冷蔵室用の冷却器(左)と冷凍室用の冷却器(右)
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一般的なシングル冷却とi-ツイン冷却との構造・性能の違い。シングル冷却では冷凍用の冷気をファンで冷蔵室に飛ばすため、湿度が低く、温度変化が大きい。
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本製品では、冷却器のフィンの面積を拡げ、冷却パワーをアップした
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i-ツイン冷却では、約85%の高湿度の冷気が、食品の乾燥を防ぐ。ラップなしの保存も可能だという
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さらに、庫内の冷気を、オゾン・紫外線・ヒドロキシラジカルの効果により脱臭・除菌する「プラチナプラスユニット」も搭載した。このユニットは、浮遊菌を30分で約1/2,000まで減少するほか、野菜老化促進ガスとして知られるエチレンガスやアルデヒド系ガスも分解できるため、野菜の鮮度を保つ効果がある。また、このユニットではニオイ分子を電気的に分解するため、長く使っても性能劣化はほとんどないという。「プラチナプラスユニット」と「i-ツイン冷却」により、食材の鮮度保持能力は、10年前の機種「GR-Y45KC」と比べて2倍に向上した。
また、これらの機能により、冷蔵室内のどこにでも野菜が収納できるようになった。庫内には食品を見渡しやすく取り出しやすいレイアウトを採用し、見落としがちな使いかけの野菜や小物野菜の使い忘れを防いで、食品をムダに廃棄することが防げるという。
冷蔵室下部には、主に野菜の保管に使用する「Ag抗菌ケース」を搭載。銀イオンの抗菌剤を使用しており、「プラチナプラスユニット」の除菌効果と合わせて、野菜を保存する際に出るくずなどを原因とする細菌の繁殖も抑えられるという。ケース内はブルーのLED照明が備えられている。
ちなみに、本製品には野菜室は設けられておらず、野菜は冷蔵室に収納する。このことから同社では本製品の冷蔵室を「まるごと鮮蔵室」と呼んでいる。
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脱臭・除菌効果のある「プラチナプラスユニット」を搭載
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野菜の老化の原因となるガスも分解するため、野菜の鮮度を保つ効果がある
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本製品と1998年に発売された「GR-Y45KC」での、ほうれん草をラップなしで1日保存した場合の比較。左が本製品、右がGR-Y45KCで保存したもの。右のほうれん草は葉がしなっているのに対し、左はみずみずしさを保っている
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次に同条件でセロリを保存した場合の比較
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肉や魚の保存にも効果がある
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冷蔵庫最下部には、銀イオンによる抗菌効果が期待できる「Ag抗菌ケース」を搭載
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庫内のどこにでも野菜が収納できる「まるごと鮮蔵室」を謳う
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エコの面では、「i-ツイン冷却」が冷蔵・冷凍でそれぞれ効率的な冷却を行なうほか、ウレタンの断熱材よりも約12倍の断熱性能を持った「真空断熱パネル」を採用し、省エネ性能を向上。GR-A51Rの年間消費電力量は「業界トップクラス」の380kWhで、これは3年前の機種「GR-W50FB」の半分に当たるという。また、「食のエコ」の面では、食品の廃棄量を約40%削減し、約18,000円分に抑えられるという。
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断熱材には、ウレタンの12倍の性能を持つ「真空断熱パネル」を採用
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3年前の機種「GR-W50FB」と比べると、年間消費電力量は半減。「業界トップクラス」の省エネ性能を謳う
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約3万円とされる廃棄食材の量を、約1万2千円分減らし、約1万8千円とした
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このほか、タッチで開く冷蔵室の電動ドア、炊き立てのご飯を急速に冷凍する「熱もの冷凍室」といった、昨年度の機種から継承する機能も搭載。また、買い物カゴ6箱分の食材が入る3段収納の冷凍庫、2Lのペットボトルが最大8本まで入る「業界No.1」のドアポケット収納も備えている。
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炊き立てのご飯などを急速に冷凍する「熱もの冷凍室」
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「熱もの冷凍室」は、冷蔵室の下、製氷室の右の引き出しにある
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その左側には、Agイオンによる抗菌加工が施された製氷室がある
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買い物カゴ6箱分の食材が入る、3段収納の冷凍庫
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フレンチドアの左側の収納スペース。野菜が立てられる「どこでも野菜スタンド」も搭載する
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右側。2Lペットボトルが最大で8本投入できる
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東芝ホームアプライアンス株式会社 取締役社長 山下文男氏
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東芝ホームアプライアンス株式会社 取締役社長の山下文男氏は、年間約1千万tの食品が家庭から捨てられているというデータを指摘。そのうえで「食品を捨てたくて捨てているわけではもちろんないが、賞味期限などの問題から仕方なく捨ててしまっている。冷蔵庫は、台所の片隅にひっそりと置かれ、365日24時間、必死に動いて食材を守っている“けなげ”な商品だが、そこに食材廃棄のロスを減らす“食エコ”という観点からスポットライトを当てた」と、開発に至った経緯を説明した。
また、冷蔵庫業界は引き続き450L以上の大型機種が需要を牽引しているという。
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年間約1千万t(東京ドーム8杯分)の食品が家庭から捨てられている
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大型タイプの冷蔵庫が引き続き需要を牽引している
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■URL
東芝ホームアプライアンス株式会社
http://www.toshiba.co.jp/tha/
ニュースリリース
http://www.toshiba.co.jp/tha/about/press/081009.htm
冷蔵庫 関連記事リンク集
http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/refrige.htm
■ 関連記事
・ 東芝、野菜室を冷蔵室に合体した大型冷蔵庫(2007/08/28)
( 本誌:正藤 慶一 )
2008/10/09 17:23
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