今日、わが社は社名を改め「パナソニック株式会社」として出発する。併せて、ブランド統一も加速して進めている。いよいよ、本日を節目に世界中どこでも、私たちの社名、事業、商品全てが「パナソニック」と呼べるようになり、呼ばれるようにもなる。
私たちにとって、「松下」や「ナショナル」は大変馴染の深い名前であった。私個人のことだが、子供の頃、家の近くにナショナルショップがあり、沢山の商品が置かれており、その1つ1つに大変魅力を感じたことを憶えている。入社後は、毎日当たり前のように口にしてきた。しかし今朝、新しいグループ記章をつけ、通勤途上でパナソニック電工や本社の社銘板・看板がすべて取り替えられているのを見て、改めて、変えた、変わったと、大きなものを心に感じた。
大切なのは変更が、より社業の進展に貢献する、そして成功したと言われるようにすること。
社名変更・ブランド統一の趣旨はどこにあるのか、今一度直接お話したい。この取り組みは、全従業員一人ひとりが自分のことと理解し、行動・実践して初めて意味がある。全員、「自分がアクションを起こす」との意識を持って聞いてほしい。
今回、社名変更・ブランド統一の最大の狙いは、全従業員の知恵・心・思い・パワーを「結集」すること。全世界の社員の一秒の努力、一滴の汗も無駄にせず結集したい。様々な国籍、様々な事業に携わる、多様な能力を持ったパナソニックグループの全従業員が、1つの名前のもとに結集することで大きな力を出せると確信している。
パナソニックにすべて統一していくわけだが、改めて意識してほしいのは「松下電器」、「ナショナル」に蓄積された価値の大きさ。創業者は、私たちの使命を、「事業を通じて人々の暮らしを豊かにすること」とした。富や名声でなく、この使命を達成するために仕事をするのが松下電器。この考え方が社員の誇り、他社との違い、困難を乗り越える大きな力となって事業発展を支えてきた。そして、この経営哲学・理念が込められた、数々のナショナル商品は、お客様から深い信頼と強い愛着をもってご使用いただいた。「松下電器」には90年、「ナショナル」には80年かけて培った価値がある。それを捨てるのではなく、逆に、蓄積された価値を、パナソニックに結集して、さらにグローバルに拡大していく。
今後、パナソニックに積み上げる価値は、これまで同様、経営理念・綱領の実践から生まれるものでなくてはならない。同時に、使命は不変だが、やるべきことは時代と共に変化する。これまでの取り組みに加え、「環境・エコロジー」、「安心・安全」、「UD」などを事業・商品に込めてグローバルに追求する。ブランドプロミスは、「綱領」を今日的な視点で、グローバルに実践する宣言。お客様との重要な約束として、日々実践していただきたい。
名前を変えることはゴールではなくスタート。これからが勝負。入り交じり、1つになり、力を結集して、一人ひとりが趣旨をよく理解し、変えるべきものがあれば、勇気をもって変えてほしい。世界中の全従業員が1つになって、「1つの理念、1つの名前」のもとに結集し、素晴らしい商品・事業を展開し世界に貢献したい。
ぜひ私たちの手でパナソニックを、さらに明るく、大きく、輝くブランドに育てようではありませんか!
(パナソニック発表のリリースより全文を転載)
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