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霧ヶ峰 ZWシリーズ
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三菱電機株式会社は、CO2排出量と削減量を室内機に表示するエアコン「三菱ルームエアコン 霧ヶ峰 ZWシリーズ」を、10月下旬から順次発売する。価格はすべてオープンプライス。ラインナップの詳細は以下の通り。
品番 | 冷房能力 | 冷暖房 適応床面積 | 電源 | 店頭予想価格 | 発売日 |
MSZ-ZW229 | 2.2kW | 6畳 | 単相100V | 19万8千円前後 | 11月7日 |
MSZ-ZW259 | 2.5kW | 8畳 | 21万8千円前後 |
MSZ-ZW289 | 2.8kW | 10畳 | 23万8千円前後 | 10月31日 |
MSZ-ZW369 | 3.6kW | 12畳 | 24万8千円前後 |
MSZ-ZW409S | 4.0kW | 14畳 | 単相200V | 25万8千円前後 |
MSZ-ZW509S | 5.0kW | 16畳 | 28万8千円前後 |
MSZ-ZW639S | 6.3kW | 20畳 | 30万8千円前後 | 12月26日 |
MSZ-ZW719S | 7.1kW | 23畳 | 32万8千円前後 |
● CO2排出量を表示する「世界初」のモニターを搭載
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前面パネルに光る表示パネル「省エネお知らせサイン」。このうち右から2番目が、CO2排出量を表示する「セレクトモニター」
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部屋や人を見張って効率の良い空調を行なうセンサー「ムーブアイ」を搭載するエアコンの最新モデル。本製品は、同社が全国の一般世帯に行なった「エアコン購入重視点」に関する調査にて、「省エネ」を挙げる声が最も多く、しかも回答数が直近4年で急激に伸びていることから、省エネ機能を重視した点が特徴となっている。
まず、CO2排出量などの表示ができる「セレクトモニター」を採用した。表示位置は、前面の表示パネル「省エネお知らせサイン」の一部。従来製品では、人が感じる温度を表示する「体感温度モニター」だったが、本製品ではリモコンのボタンを押すだけで、エアコンの運転開始から現在までのCO2排出量を表示、さらにもう一回押して、1カ月当たりのCO2排出量が表示できる。同社では、CO2排出量が表示できるエアコンを「世界初」としている。
セレクトモニターではこのほか、電気料金の目安、設定温度、体感温度も表示可能。電気料金の目安はCO2と同様に、1カ月当たりの積算値も表せる。また運転開始10秒間は、1時間当たりの電気代の目安を表示し、その後は体感温度、運転終了後は、運転1回当たりの電気料金の目安に切り替わる。
表示パネルではこのほか、葉っぱの枚数で省エネ運転のレベルを知らせる「ECOモニター」、フィルターやエアコン内部の清掃中に点灯する「クリーンモニター」、空調中のエリアを6マスの明かりで示す「エリアモニター」の3つを継承する。
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リモコンの「CO2量」を押して、セレクトモニターにCO2量を表示する
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「セレクトモニター」で表示できるデータの一覧
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運転スタート時に1時間の電気代の目安を、電源OFF時には使用1回当たりの電気代を自動で表示する
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葉っぱの枚数で、省エネ運転の度合いがわかる「ECOモニター」も搭載。葉っぱ三枚は、通常時と比べて約65%の省エネ運転になる
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リモコン。下部の「電気代」「CO2量」ボタンでセレクトモニターを切り替える
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運転切替え時には、リモコンのボタンの色に従って「ムーブアイ」が点灯する機能もある
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なお、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構の実証実験によると、省エネに関する表示を行なうことで、使用する側の意識が高まって、約10~15%の省エネ効果が得られるという。さらに、具体的な数値を表示すると、さらに効果が高まるともしている。
三菱電機株式会社 リビング・デジタルメディア事業本部 副本部長 梅村博之氏は、本製品のCO2排出量表示機能について「昨年(08年)のエアコンの流行は“センサー”と申し上げた。09年の流行は“エコの見える化”。国内外でCO2排出量を表示する動きが高まっており、電気代を超えて、CO2の排出量・削減量が確認できるということが、業界のトレンドとなる」と話した。
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省エネ効果を表示することで、約10~15%の省エネ効果が得られるという
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国内外でCO2排出量の表示の義務化が加速している
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三菱電機株式会社 リビング・デジタルメディア事業本部 副本部長 梅村博之氏
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● 空間を検知する「ムーブアイFit」で最大65%の省エネ
センサー「ムーブアイ」も進化した。これまでの赤外線センサーに加えて、壁や壁から人がどれだけ離れているかを計測する「空間認識3Dエンジン」を新たに搭載。扉やカーテンの開閉によって起きる室内の温度変化を、立体的に見分けられるという。
このため、床の温度、人の居場所と運動量に加えて、カーテンの開閉など、空間の変化による一人一人の体感温度も感知できるようになり、最適な風向と温度に自動調節して、高い快適性を実現して無駄なく空調できるという。同社ではこのセンサリング方式を「ムーブアイFit(フィット)」と呼んでおり、ムーブアイFitなしで運転するよりも、最大で65%、年間平均で40%の省エネが図れるという。
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壁も検知できる「ムーブアイFit」により、最大で65%の省エネが可能になった
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例えば、窓のカーテンを開け放している場合……
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ムーブアイは人間と窓の2カ所の熱を検知。冷房時なら、より強力な冷気を送ることになる
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ここで窓にカーテンをかけると……
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窓からの熱がなくなったのを素早く感知し、運転をセーブ。人の居る場所だけを空調し、省エネ運転が行なえるという仕組みだ
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「ムーブアイFit」による省エネ効果のデモ。例えば通常運転時の消費電力が603Wなら……
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カーテンやドアを閉めることで、約1/3となる210Wに抑えられる
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また、独立した2つのフラップを用いて、計32,768通りの気流が生み出せる「Wフラップ」をよりワイド化し、「ワイドWフラップ」とした。風速は従来比で1.6倍となり、気流を素早く足元へ届けられるようになった。これによって、直接気流が当たるのを防いで肌の乾燥を防ぐ「保湿風よけ」や、逆に直接風を当てて、素早く温まったり涼んだりする「快速風あて」機能が新たに搭載された。
本体サイズのコンパクト化も図っており、冷房能力2.2kWタイプから7.1kWタイプまで、横幅はすべて798mmとなった。11年前の機種の標準サイズである幅800mm以下を実現し、買い換えにも適したサイズとなっている。なお、7.1kWタイプ機の省エネ性能について、同社では「業界No.1」としている。
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フラップをワイド化。より遠くへ風を飛ばせるようになった
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買い換えに考慮し、幅は全機種が798mmのコンパクトサイズ
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清潔さを維持する機能としては、エアコン内部の熱交換機に、親水性と疎水性の両方の性質を備えた「クリアフッ素コート熱交換機」を、世界で初めて搭載。親水性のあるホコリ、疎水性の油も寄せ付けないため、エアコン内部の汚れの付着量は、従来製品比で約1/10に低減できるという。さらに、熱交換機のフィンの目詰まりも解消されるため、省エネ性能も従来比で約5%抑えられるという。
このほか、フィルター自動掃除機能も採用。油汚れに強い構造へと変更し、清掃性を向上させている。また、室外機のカバーに難燃性の素材を採用するなど、安全性にもこだわっている。
なお、原材料高騰のため、昨年の同クラスの製品よりも実売想定価格は1万円高くなっているという。
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熱交換器には、親水性と疎水性を兼ね備えた「クリアフッ素コート熱交換器」を採用
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親水性のホコリも、疎水性の油も寄せ付けないため、機内の汚れを低減できる。「世界で初めて量産化」したとのこと
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室外機は難燃性の素材を採用
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■URL
三菱電機株式会社
http://www.mitsubishielectric.co.jp/
ニュースリリース
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2008/0925-b.htm
エアコン 関連記事リンク集
http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/aircon.htm
( 本誌:正藤 慶一 )
2008/09/25 17:01
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