三菱電機株式会社は、熱い食品がそのまま冷凍庫に入る高級冷蔵庫「MR-E」シリーズを、9月25日より順次発売する。価格はオープンプライス。ラインナップは以下の表の通り。
品番 | MR-E60P | MR-E55P | MR-E50P | MR-E45P | MR-B42P |
定格内容量 | 601L | 545L | 501L | 445L | 415L |
外形寸法 (幅×高さ×奥行き) | 745×1,821×728mm | 685×1,821×728mm | 685×1,821×673mm | 650×1,821×654mm | 600×1,798×699mm |
ドア | 両開き(フレンチドア) | 片開き |
動くんバー | ○ | - |
エコ運転モード | ○ | - |
運転音 | 14dB |
カラー | ウォームステンレス プレミアムウッド エレガントピンク エメラルドステンレス | ウォームステンレス プレミアムウッド エレガントピンク | ピュアホワイト ウォームステンレス |
店頭予想価格 | 29万円前後 | 27万円前後 | 25万円前後 | 23万円前後 | 21万円前後 |
発売日 | 11月1日 | 9月25日 | 9月25日 | 11月5日 | 11月10日 |
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左が「MR-E55P」プレミアムウッド、右が「MR-E60P」エメラルドステンレス
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左から、「MR-B42P」ウォームステンレス、「MR-B42P」ピュアホワイト、「MR-E50P」エレガントピンク、「MR-E50P」ウォームステンレス
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MR-Eシリーズは、従来の「MR-Gシリーズ」に置き換わる新モデルの冷蔵庫。同社が2007年にユーザーに対して行なった調査では、「冷凍すると味が落ちる」「解凍の手間が面倒」「熱いものをすぐ入れられない」といった冷凍に関する不満が上位を占めていた。最初の2点については、瞬間微粒子で食品をおいしく保存できる「瞬冷凍」、冷凍した食品をカットできる「切れちゃう冷凍」といった、従来製品に搭載された機能で解決できたが、これまで「熱いものをすぐ入れられない」については未解決のままだった。同社では、熱い食品を冷凍庫にそのまま入れた場合、庫内のほかの食品に影響を与える恐れがあり、一方で温度が下がるのを待つことで、ごはんの場合は水分の蒸発による乾燥、ニオイの発生や色の変化といった悪影響があるとしている。
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冷凍に関する3つの不満点のうち「熱いものをすぐ入れられない」だけが未解決だった
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熱い食品を冷凍庫に入れると、庫内の他の食品が溶けてしまう恐れがある。冷めるのを待ったとしても、時間の経過により水分が飛んだり変色したりといった影響が懸念される
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例えば炊飯器で炊いたばかりのごはんを冷まそうとして放置すると……
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約2分後には、水分が抜けたため重量が軽くなっている
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そこで本製品では、食品を熱いまま冷まさずに庫内に投入できるよう、切替室内に「温感ムーブアイ」と「ツインダンパー」という2つの機能を搭載した。「温感ムーブアイ」は、同社のエアコン「霧ヶ峰」にも採用されている温度センサーで、投入された食品の温度を感知。次に「ツインダンパー」が、切替室内の前後のエリアに冷気を吹き分け、熱をもった部分を強力に冷やす。これにより、周囲の食品に影響を与えることなく、熱い食品を冷やすことができるという。
冷凍は従来製品から引き続いて「瞬冷凍」方式を採用。芯から均一に凍らせることで、食品の細胞が破壊されるのが防げるため、一般的な冷凍に比べて、水分の損失量が約1/3に抑えられるという。さらに、冷凍後にご飯を加熱しても、硬くならず、炊き立てのおいしさを保つ効果もある。同社ではこれらの機能を合わせて「熱いまま“急っと”瞬冷凍」と呼んでいる。主な用途としてはごはんの冷凍を想定しているが、残ったカレーや茹で野菜の保存にも使えるという。
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「温感ムーブアイ」、「ツインダンパー」という2つの機能を搭載。「ムーブアイ」で食品の温度を測り、「ツインダンパー」で熱の高い食品を狙って冷風を送る
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食品に直接冷風が送られるため、周囲の食品への影響はほとんどないという
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食品を芯から均一に凍らせる「瞬冷凍」により、食品の乾燥や硬化を防ぎ、できたての食感の維持が期待できる
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主な用途はごはんの冷凍
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残ったカレーや茹で野菜、カット後の野菜を保存することにも利用できる
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また、庫内容量を増やすため、最下段に配置していた冷凍室の位置をその上の野菜室と交換、断熱材を薄くした。加えて、冷蔵室上部の制御基板を小型化し、本体背面下部へと移動した。これにより、庫内容量は従来のMR-Gから30Lアップした。なお、設置サイズは従来とは変わりがない(MR-E45Pのみ1cm高い)。
冷凍室では、整理しやすいように仕切り板が動かせる「動くんバー」を新たに採用した。また、冷凍室は市販の冷凍食品の93%が立てて収納できるという。
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庫内容量を増やすため、断熱材の薄型化、制御基板の移設などを行なった
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この結果、本体サイズをキープしたまま、庫内容量が増加した
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冷凍室には、仕切りが動かせる「動くんバー」を搭載
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冷凍室の使用例イラスト。冷凍食品を立てたまま収納できる
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庫内サイズは市販されている378品目の冷凍食品のうち、93%の食品が収納できるという
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さらに、本体正面のパネルを操作することで、自動で電力を控えめにする「エコ運転モード」も搭載。エコ運転中はパネルに「ECO」という文字と葉っぱのマークが点灯し、本体外観から運転状況を確認できる。
このほか、庫内照明にLEDを採用するほか、ドアの開閉により温度ムラが発生しやすい庫内手前から冷気を送る「前から冷やそ」、庫内の棚の高さをスライドで動かせる「動くん棚」、LEDライトで野菜のビタミンを増やす「ビタミン増量野菜室」、透明度の高い氷を自動で作る製氷室といった、従来製品でも採用されていた機能も搭載する。
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操作パネル。エコ運転モードに切り替えるには、「部屋選択」ボタンを3秒間長押しする
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庫内の照明はLEDを採用
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写真中央のツマミをスライドさせて、棚の高さが変えられる「動くん棚」など、従来製品で採用されている機能も搭載
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三菱電機株式会社 リビングデジタルメディア事業本部 家電事業部長 田代正登氏
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三菱電機株式会社 リビングデジタルメディア事業本部 家電事業部長 田代正登氏は、本製品の「熱いまま“急っと”瞬冷凍」機能について、「日本人が味にこだわるのはごはん。三菱電機はいちばんおいしいご飯が炊ける炊飯器の『本炭釜』を出しているが、(この冷蔵庫は)いちばんおいしく冷凍保存ができる」と、その価値を語った。同社では、本製品を発売することで、フレンチタイプ(両開き)の冷蔵庫のシェアを、現在の25%から30%へ伸ばす目標を立てている。
なお、鉄・樹脂や樹脂の価格高騰により、価格は従来よりも3~5%高めの設定になっているという。
■URL
三菱電機株式会社
http://www.mitsubishielectric.co.jp/
ニュースリリース
http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2008/0820-b.htm
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http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/refrige.htm
( 本誌:正藤 慶一 )
2008/08/20 17:46
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