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日立と西友、回路部が繰り返し使用できる電球型蛍光灯

~蛍光管だけを取り替えて省資源に貢献

電球色の「FTH15EL/13/ADE」(左)、昼光色の「FTH15ED/13/ADE」(右)
 日立ライティング株式会社と株式会社西友は、点灯回路部が繰り返し使える電球型蛍光灯の60W型を、10月1日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、電球色の「FTH15EL/13/ADE」、昼光色の「FTH15ED/13/ADE」とも1,500円以下となる予定。

 一般的な電球型蛍光灯は、寿命で点灯しなくなった後、製品全体が捨てられてしまうが、これは発光管が光らなくなっただけで、点灯に必要な回路の部分は「まだ使える状態」(日立ライティング株式会社 取締役 設計開発本部長 小川壮一郎氏)だという。そこで本製品では、発光管と点灯回路部を分離し、独立構造とした。これにより、発光管が使えなくなっても、回路部分は最大3回まで繰り返して利用できるようになった。ちなみに、交換用の蛍光管の発売も予定しているが、現在のところ価格は未定。

 日立では、点灯回路で使用している銅や電子部品の廃棄量が削減し、省資源に貢献できるとしている。本製品と一般的な電球型蛍光灯と比較すると、3万時間使用した場合、銅を約12g、点灯回路の部品を約48g削減し、素材製造時のCO2排出量を約2.4kg抑えられるという。また、白熱電球と比較すると、3万時間の使用で電気代を27,060円、CO2排出量を480kg削減するという試算を公開している。

 なお電球型蛍光灯は、白熱電球よりも明るさの立ち上がりが問題視されているが、本製品では水銀組成の封入物を使用することで、点灯直後の明るさを改善。立ち上がりの早さは従来と同等以上になったという。また、蛍光灯は蛍光管の最も冷たい箇所「最冷点」の温度が低いほど明るくなるが、本製品では回路部内に放熱用の金属を設置し、最冷点の熱を口金部から放射する仕組みにすることで、点灯後の明るさの維持を狙っている。

 本体サイズは50×155mm(直径×高さ)で、「白熱電球よりも若干長い(小川氏)」サイズとなっている。重量は130g。E26口金に使用する。全光束は電球色が810lm、昼光色が730lm。定格寿命は1万時間。


明かりが付かなくなっても、発光管だけが寿命を迎えており、回路部はまだ使用できる状態。ここから発光管だけを交換する電球型蛍光灯のアイディアが生まれた 発光管部だけを取り外しているところ(左) 日立ライティング株式会社 取締役 設計開発本部長 小川壮一郎氏

サイズは白熱電球よりも縦に長い
蛍光管と回路部が分離したことにより、回路部の金属が節約でき、省資源に貢献できるという

白熱電球と比べると、電気代は約2万7千円省ける。イニシャルコストを含めれば3万円近い節約ができる 蛍光灯の明るさを左右する「最冷点」を低く保つため、放熱用の金属を使って、口金部から最冷点の熱を排出している

 発売当初6カ月は西友の店舗のみで取り扱われ、その後、大手の家電量販店で売り出される。また、西友のPB(プライベートブランド)としてではなく、日立ブランドとして販売される。

 株式会社西友 商品本部 住居用品部 バイスプレジデントの赤尾健氏は、本製品を日立と共同で開発した経緯について「2007年6月に、西友のPB商品として電球型蛍光灯を売り出そうという話が出たが、その時、日立ライティングが1988年に発売した『ぶんり君』(本製品のように蛍光管と回路部が分離できる蛍光灯)という商品のことを聞いた。省エネ以外に省資源にも取り組んでいる西友としては、このもう一度開発できないかということをお願いした」と説明した。

 また日立では、電球型蛍光灯のシェアを「本製品を含めて、5年後までに3割を超えたい」(小川氏)としている。

 電球型蛍光灯は、白熱電球よりも消費電力を抑えた家庭用の照明器具。経済産業省では4月より、白熱電球の生産を取りやめ、電球型蛍光灯に切り替えるようメーカー側に呼びかけている。


日立が1988年に発売した、蛍光管と回路部が分離された蛍光灯「ぶんり君」。これが西友側の目にとまった 株式会社西友 商品本部 住居用品部 バイスプレジデントの赤尾健氏




URL
  日立ライティング株式会社
  http://www.hitachi-hll.co.jp/
  株式会社西友
  http://www.seiyu.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.seiyu.co.jp/CGI/news/topics.cgi?key=detail&corner=1&seq=435

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( 本誌:正藤 慶一 )
2008/07/02 16:54

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