公正取引委員会は、株式会社ヤマダ電機について、家電製品の納入業者を不当に従業員を派遣させていたとして、独占禁止法に違反していると発表。同社に対し、今後は同様の行為を行なわず、再発防止のために必要な措置を行なうよう排除命令を出した。
公取委が発表した資料によると、ヤマダ電機は店舗を新規または改装オープンする際、家電、パソコン、ゲームの納入業者に対し、商品の陳列や補充、接客作業のために従業員を派遣させた。この際、納入業者との間であらかじめ派遣についての合意を得ておらず、かつ派遣に際して必要な費用を負担していなかった。また、店舗で展示していたデジタルカメラを「処分品」として販売する際、製品の初期化作業のために納入業者の従業員を派遣させており、これについても所定の手続きが踏まれていなかった。公取委では、納入業者の多くが、ヤマダ電機との取引を継続していく立場上この要請の受け入れを余儀なくされていたと判断している。
同資料によると、ヤマダ電機は2005年11月から2007年5月までの間に361店舗の新規/改装オープンを行なっているが、このうち約250社の納入業者に対し、延べ約166,000人の従業員を不当に派遣させ、業務させていたという。
公取委では、この件が独占禁止法第19条に違反するとして、ヤマダ電機およびグループ会社8社に対して排除命令を出した。排除命令では、今後はこのような行為を行なわない旨を取締役会で決議し、同法を遵守するための対策を講じて、今後3年間、公取委に実施内容を報告することを命じている。
ヤマダ電機ではこれまでも、大阪市浪速区の「LABI1なんば」にて、ヤマダとは直接契約関係がない家電メーカーの販売員、いわゆる「ヘルパー」をヤマダの管理下に置いて指示・命令を行なっていたことが問題視されていた。
ヤマダ電機は2008年3月時点で全国に家電量販店を352店舗を展開しており、2007年度の売上高は1兆7,300億円。7月11日には群馬県のJR高崎駅前に大型店舗「LABI1高崎」を開店し、本社機能も同店舗内に移転する。
■URL
公正取引委員会
http://www.jftc.go.jp/
株式会社ヤマダ電機に対する排除措置命令について
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/08.june/08063001.pdf
株式会社ヤマダ電機
http://www.yamada-denki.jp/
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( 本誌:正藤 慶一 )
2008/06/30 17:44
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