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【ミラノサローネ2008】
「日本のデザイン」を世界にアピールする企画展
「JAPAN DESIGN INNOVATION」


「JAPAN DESIGN 2008 INNOVATION」の会場
 ミラノサローネ開幕を翌日に控えた15日、「グッドデザイン賞」を主催する財団法人日本産業デザイン振興会は、日本メーカーのデザインコンセプトを集めた企画展「JAPAN DESIGN 2008 INNOVATION」を報道関係者向けに公開した。

 今回のイベントは見本市会場ではなく、市内にあるギャラリーで行なわれ、トヨタやNEC、富士通、三洋電機、KDDI、TOTOなど15社がそれぞれの製品を展示している。企業が個別にブースを持つより、「日本」という軸を通して、集約することで日本のデザインを世界に発信する効果を狙っている。イベントのディレクションは、象印の炊飯器「RIZO」やシャープの液晶テレビ「AQUOS」のデザイナーとして知られる喜多俊之氏が担当している。


トヨタの「i-Real」。これは歩行モード時
 展示品の中でも目を引くのは、会場入り口近くにあったトヨタ自動車のパーソナルモビリティ「i-Real」。一人用のシートに車輪が3つ付いたこのコンセプトモデルは、バイクとも車とも取れる不思議な物体だ。ロボットのように変形するのが特徴で、時速3kmで走行する「歩行モード」では、シートが垂直に近い状態に起き、あたかも歩いているかのようなボディ形状になる一方、時速30kmで走行する「走行モード」では、シートが倒れてレーシングカートのような状態になる。動力源には内蔵のリチウムイオン電池を使用している。背面にはLEDディスプレイを採用し、ユーザーが曲がろうとしている向きを通常のウインカーよりもやさしく教えてくれる機能もある。

 i-Realはすでに2007年の東京モーターショウで展示されており、開発もかなり進んでいるという。商用化も予定されているが、現在の道交法上では分類できない車両にあたり、商用化には法改正が必要となるため、スケジュールは公表されていない。だが、同社デザイン本部の上崎浩子氏は「まだまだ道のりは遠いですが、“Real”という名は本当に商用化する、という強い気持ちを込めたもの。必ず世に送り出します」としており、期待してもよさそうだ。


走行モード時
走行モード時は、後方車輪がせり出して車高を低くし、重心を安定させる。背面にはLEDを搭載している 底面にはガイドが2本ついている。曲がるときにはこれらが動いて重心調整を行なうため、運転者自身はバイクに乗るときのように、体重移動をする必要がない

 TOTOは同社のタンクレストイレ「ネオレスト」シリーズを展示。フチがなく一体感のあるデザインとともに、カットモデルを使用し、使用水量5.5Lの節水機能をアピール。「すでに北米、アジア市場で一定のプレゼンスを得ている。後は欧州」(デザインセンター デザイン企画グループ 中溝博之氏)としており、環境意識の高い欧州市場でアピールする狙いだ。

 IT・エレクトロニクス関連企業も負けてはいない。昨年のグッドデザイン大賞に輝いた三洋電機の「eneloop universe」製品群をはじめ、木目調のボディを採用したノートパソコンを展示する富士通、携帯電話の分野に積極的にデザインを取り込んでいるKDDI(au)やNEC、デジカメを展示するニコン、リコーなどの展示も行なわれた。


TOTOのネオレストシリーズ
操作系がバーに配置されているのが斬新 カットモデルを展示し、節水能力をアピールする

近年、デザイン重視へ大きく舵を切ったNECの携帯電話 いち早く、デザインの要素を積極的に取り入れてきたKDDI

富士通のノートパソコン。杉の間伐材と植物性プラスチックを素材としている
「好評なら販売も考えている」と担当者は乗り気だった

すっかり三洋電機の顔となったeneloop
太陽の光でeneloopを充電する「eneloop solar charger」 卓上空間清浄機「eneloop air cleaner」

 インテリアや住宅関連では、座面に人が座ると、その圧力でランバー(腰のあたりの骨)のサポートが前に押し出されるイトーキのオフィスチェア「スピーナ」が展示された。また、マンションディベロッパーのアスコットは、半階層ずれた部屋や柱や梁のない住宅など、これまでにない居住環境を開発した住宅のモデル図を公開していた。ミラノ・サローネはもともとはインテリア家具の見本市であることを考えれば、もっとも“ミラノサローネ的”な展示といえるだろう。

 ちょっと変わったところでは、2005年の創業80周年を期に、深澤直人氏によるデザインでイメージチェンジを図ったシャチハタ。スタンプ台のような製品は、機能的には昔のものと大きく変わらない。しかしリニューアルされた製品は、従来のパッケージデザインから、余分な要素を極限までそぎ落とし、シンプルにインクの「色」を伝えるデザインとすることで、非常にインパクトの強いものへと生まれ変わっている。日本のような「はんこ」文化ではなく、「サイン文化」の欧州であえてこのデザインを問う点も、意欲的な試みといえそうだ。


アスコットの「互い違い」建築の展示 こちらは「互い違い」建築の構造の模型。すでに東京で施工例があるという

イトーキのオフィスチェア「スピーナ」 シャチハタのカラフルなスタンプ台。インクの色をそのままパッケージカラーとした




URL
  ミラノサローネ 公式ホームページ
  http://www.milanosalone.jp/
  JAPAN DESIGN 2008 INNOVATION
  http://www.jidpo.or.jp/activity/milano2008/
  ミラノサローネ2008 レポートリンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/event_salone.htm

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( 本誌:伊藤 大地 )
2008/04/16 13:13

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