幼児がベビーカーの折りたたみ機構に指を挟まれる事故が相次いだことを受けて、財団法人製品安全協会は、ベビーカーの安全基準を見直すことを明らかにした。
2000年から2007年にかけて、ベビーカーに指が挟まれる事故が11件起きたことを背景に、監督省庁の経済産業省は、ベビーカーの安全基準(SG基準)を策定している製品安全協会に、基準見直しを要請していた。
これについて製品安全協会と、アップリカやコンビ、ピジョンといった国内の主要メーカーが参画する業界団体、全国ベビー&シルバー用品連合会が協議。その結果、新基準には、折りたたみ時に指を挟みそうな危険な隙間を極力なくすこと、隙間がある場合は、挟んでも危険がないように角を丸くしたり、カバーで覆うこと、製品本体や箱、取扱説明書に危険性を明示することなどが盛り込まれることになった。今年中に新基準を策定し、認定製品となるために必要な申請受付を開始する予定という。
なお、これ以上の事故を防ぐため、すでに販売されているモデルについても2月以降の生産分から、可動部の部品を改良したり、警告表示を増やすなどして対応するメーカーもある。
製品安全協会ではこうした対策を施しても、「折りたたみ時に生じる隙間を完全になくすのは不可能」とし、技術的アプローチには限界があることを示唆。「消費者に対する警告・啓発活動を強化したいと考えております」とコメントしている。
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機構改良の例。写真は試作機
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■URL
経済産業省
http://www.meti.go.jp/
ニュースリリース
http://www.meti.go.jp/press/20080304005/20080304005.html
財団法人製品安全協会
http://www.sg-mark.org/
ニュースリリース(PDF)
http://www.sg-mark.org/OSIRASE/babycar20080304.pdf
( 本誌:伊藤 大地 )
2008/03/04 18:05
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