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富士通ゼネラル、高さ25cmの「業界最小」エアコン

~省エネ性能・暖房力も業界トップクラス

nocria(ノクリア) Zシリーズ
 富士通ゼネラル株式会社は、室内機の高さが25cmで「業界最小」を謳うエアコン「nocria(ノクリア) Zシリーズ」を、2月21日より順次発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、適応床面積が14畳の「AS-Z40T2」が24万円前後。

 同社の家庭用エアコンシリーズ「nocria」の上位モデルで、省エネ性能と暖房能力の向上に加えて、室内機のコンパクト化を図った点が特徴。「最近のエアコンは高い省エネを発揮するのは確かだが、そのために熱交換器が大きくなり、またフィルター自動掃除などの高機能化もあって、室内機が大型化してきた。製品を購入しながらも、設置できずに返品されるなどのケースも見られる」(株式会社富士通ゼネラル 経営執行役 RAC事業部長 川島秀司氏)。

 室内機の小型化のため、熱交換器には小型で高効率の「高密度マルチパス熱交換器」を採用し、さらにフィルター自動掃除機構といった内部構造を見直した。これにより、室内機の高さは従来製品の28cmから25cmに縮まり、約11%スリムになった。同社ではこれを「業界最小」とし、カーテンレールの上部のような狭い場所での取り付けが可能になり、またリビングの圧迫感も抑えられるという。


近年のエアコンは、高機能・省エネ化のため、室内機の大型化が進んでいるという そこで、高さを「業界最小」の25cmに縮小した。カーテンレールの上部に付けることも可能 熱交換器など内部構造を改良することで、従来機種よりも小型化を図った

室内機を横から見たところ
株式会社富士通ゼネラル 経営執行役 RAC事業部長 川島秀司氏

 省エネ性能も向上した。新しく搭載された「高密度マルチパス熱交換器」では、冷媒を通す銅管の直径が従来の7mmから5mmへと縮小されており、銅管の数が2倍に増量。冷却面積が拡大した。さらに、冷媒を4つに分岐する「4分岐マルチパス」を採用することで、熱交換器全体に冷媒がムラなく流れるようにした。これにより、従来製品よりも熱交換率が20%アップしている。

 また、エアコンが空気を大きく吸い込むよう、運転中に前面パネルを開け、吸込面積を拡大するようにした。吹出側では、吹出面積を広げ、前面のフラップを従来よりも11mm大型化し、その裏側にある板「パワーディフューザー」の稼働範囲も広げた。これらによって、送風効率を従来よりも10%向上した。なおフラップは、暖房時に気流を押さえ込んで足元へ送風し、パワーディフューザーは冷房時に気流を押し上げて天井に風を送るはたらきがあり、快適で効率の良い冷暖房を行なう仕組みになっている。

 AS-Z40T2におけるAPF(通年エネルギー消費効率)は6.1、年間消費電力量は1,314kW、年間電気代は約28,900円。同社では省エネ性能について「業界トップクラス」としている。

 暖房運転も改良しており、外気温が低い場合や暖房開始時に、コンプレッサーにかかる電圧を強めて、最適なタイミングで電流を流す「高電圧ベクトルPAMインバーター」を新たに搭載した。高密度マルチパス熱交換器といった機能と組み合わせることで、外気が2℃の状態での定格暖房能力を8.5kWとした。同社ではこれを業界トップクラスとしており、真冬の寒い朝も早く部屋を暖め、快適な朝が迎えられるという。


高密度マルチパス熱交換器(左)。右は従来製品の熱交換器 熱交換率は従来製品比で20%アップ

送風は「大きく吸い込む」「大きく吹き出す」がテーマ。送風効率は従来比で10%向上している
本体上部にも吸い込み口が
実際に運転しているようす。送風の邪魔にならないよう、吹出口がカーテンレールに掛からない設計になっている

外気が2℃の際の暖房能力は、業界トップクラスという8.5kW 省エネ能力でも業界トップを謳う。なお、10/14畳向けの製品では、2010年度の省エネ法達成率をクリアしている

 本製品ではフィルターの自動掃除機能も搭載しているが、ここでも省エネ化を図るため、新たな清掃方式を採用した。これは、フィルターを3つのエリアに分け、エリアをブラシで掃除する度に、ブラシに付着したゴミを自動で取り除くというもの。これにより、ブラシの清掃力が大幅にアップ。フィルターの目詰まりがより防げるようになったため、自動清掃機能を使わない場合よりも、省エネ性能が約25%アップしたという。なお、フィルターの網目も従来製品より細かくなっており、ホコリの除去率も向上している。

 従来製品からは、8カ所の床面の温度を常に検知して、寒さを感じやすい足元をムラなく温める「フロアサーモセンサー」を継承する。温度を低めに設定しても暖房効果が得られるため、センサーなしの状態よりも約30%の省エネ効果があるとしている。ちなみに、運転時はセンサーが本体から露出するが、停止中はフラップが閉じるため見えなくなる。これはセンサーによって常に見張られているような印象を薄めるためだという。


フィルター掃除用ブラシも掃除することで、約25%の省エネ効果があるという 【動画】Zシリーズでのフィルター掃除の解説(WMV形式, 約5MB) 【動画】綿の付いたフィルター掃除用ブラシを掃除するようす(WMV形式, 約3.6MB)

Zシリーズのスケルトンモデル(下) 床温度を検知するセンサーも搭載。暖房時の省エネ効果を約30%アップさせるという センサーはフラップが開いている時のみ見える

 Zシリーズは全部で5機種が用意され、適応床面積は10/14/16/20/23畳。電源は200Vを使用し、10畳用のみ100V。

 川島氏は、今年のエアコンの競争ポイントについての問いに対し「省エネ」と回答。続けて「いくら省エネが重要だといっても、それだけでは問題がある。nocriaは部屋全体を温めたうえで省エネを実現しており、さらに見た目にも快適な印象を受けるようなデザインとしている」と、商品の仕上がりに自信を見せた。


Zシリーズのリモコン。文字が大きく見やすい 【動画】運転状況を音声で知らせる機能も備えている(WMV形式, 約1.1MB) 広告キャラクターは引き続き「魔法使いサリー」




nocria Sシリーズ
 同社ではZシリーズのほか、「業界最小サイズ」を謳った「Sシリーズ」も3月1日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は、適応床面積が14畳の「AS-S40T2」が19万円前後。ラインナップ詳細は以下の表の通り。

 Sシリーズは子供部屋・寝室といったプライベートルーム向けの製品。本体サイズを72.8×25cm(幅×高さ)にまとめ「業界最小サイズ」を謳っている点が最大の特徴。このため、カーテンレールの上部や脇、さらに和室の半間柱といった狭い袖壁にも設置しやすくなっている。

 また、Zシリーズと同様に、高密度マルチパス熱交換器とフィルター自動掃除機能を搭載。シリーズ全機種が2010年の省エネ基準をクリアし、暖房能力についても「業界トップクラス」としている。

 Sシリーズは4機種が用意され、適応床面積は6/8/10/14畳。電源は100Vを使用し、14畳用のみ200Vとなる。


室内機の72.8×25cm(幅×高さ)は「業界最小」 シリーズ全機種が、「トップクラスの高暖房能力」「2010年省エネ基準クリア」「フィルター自動お掃除きのう搭載」となっている 各社製品との暖房能力の比較データ

Zシリーズ(右)とSシリーズ(左)を設置したデモ展示 一般的なコンパクトサイズのエアコンでは、袖壁に設置できない




URL
  株式会社富士通ゼネラル
  http://www.fujitsu-general.com/
  ニュースリリース
  http://www.fujitsu-general.com/jp/news/2008/02/07-N02-33/index.html
  エアコン関連記事リンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/aircon.htm

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( 本誌:正藤 慶一 )
2008/02/04 18:55

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