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帯電ミストが人に向かうようす
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ダイキン工業株式会社は、肌に水分を供給しやすい「帯電ミスト」の生成技術を開発したと、23日発表した。今後はオフィス向けの製品に導入するなどで商用化を目指す。
「帯電ミスト」は電気を帯びた霧状の液体のこと。人間の肌のような導電体と引き合うことで、一般的な加湿器のように空気を潤すことなく、直接肌へ水分を供給できる点が特徴となっている。
生成には、ノズルから溶液を噴出する際に、溶液に電圧を掛けて帯電させる。噴出した溶液は、人間が放つ静電気の力で引きちぎられミスト状に分裂、肌へと引き寄せられる。この際、メガネのレンズのような絶縁物を避けるため、効率的に顔の表面に噴霧される性質も持っている。
これまでの帯電ミストの生成技術では、サイズ・広がり方・飛散距離が、溶液の表面張力や電圧またはノズル形状といった要素に影響されることから、安定した噴霧が難しかったという。しかし、今回の技術では、これらの要素の最適化を図った。最大40cm離れた場所から噴霧しても、そのうちの約97%が肌に引き寄せられることを実証している。
この帯電ミスト技術を用いて、ヒアルロン酸を含んだ溶液を毎分25μl(米粒2粒に相当)だけ噴霧したところ、肌の表面上の水分量が、何もしない状態の約3.5倍に増量した調査結果もあるという。同社は、溶液が少量でも長時間噴霧できる点を特徴として挙げ、肌の潤いを維持する環境を実現する可能性が示されたとしている。
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帯電ミストは絶縁体のメガネレンズをよけながら肌を潤す
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何もしない状態よりも、肌表面の水分量は3.5倍アップした
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噴霧装置の構造
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■URL
ダイキン工業株式会社
http://www.daikin.co.jp/
ニュースリリース
http://www.daikin.co.jp/press/2008/080123/index.html
( 本誌:正藤 慶一 )
2008/01/23 15:51
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