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シャープの主力商品。液晶テレビ「AQUOS」
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シャープは、地域販売店網の新たな構築に乗り出している。
新たにシャープ・バリュー・パートナー・グループ(SVPG)と呼ばれる販売店制度を開始。従来のシャープ系列店であるフレンドショップを含めて、10月以降、順次加盟店を募集。これまでに約1,000店舗が加盟したという。
シャープでは、SVPG加盟店に対して、販売促進ツールなどの助成物を有料で頒布。販売店向け技術セミナーや商品説明会の開催、共同での販売促進策の推進を行なう。
シャープ・大塚雅章専務取締役は、「当社が誇るオンリーワン商品を扱っていただく販売網。地域に密着した強みを生かして、バリューを提供できる店づくりを支援するもの」と位置づける。
これまで、シャープの系列店であったフレンドショップは、約2,000店が加盟していたが、最近では、個別の販売店ごとの支援策は行われていたものの、ショップ会全体を対象にした支援策は、ほとんど行なわれていなかった。
また、2,000店舗のうち、約3分の1は、前年実績を上回る高い伸びを見せているものの、3分の1は前年実績割れとなり、また残り3分の1は後継者不足などを背景に、事実上、小型商品に限定した販売や、アフターサービスを中心としており、加盟店舗間の格差が顕著になっていた。
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スチームオーブンレンジ「ヘルシオ」
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さらに、松下電器のナショナルショップや、ソニーのソニーショップ以外の系列店舗では、系列化が有名無実化しており、日立や東芝、三菱などの系列店舗がシャープ製品を取り扱う例も増加していた。
シャープでは、従来の系列化よりも制限を緩くする一方、双方が自立した形で販売を行なう体制を明確にし、系列や月商規模の枠を越えて成長戦略を描く地域専門店を支援する。助成物を有料で頒布するという仕組みを初めて採用したのも双方の自立性を示すものといえる。
具体的な支援策として、シャープエレクトロニクスマーケティングの営業拠点において開催している技術研修会「シャープ塾」への参加や、新製品情報や販促情報の提供および商品発注を行なうシャープまかせてネットの活用、カタログパックや商品POPの提供、仕入れ金額に応じた拡売金の提供、デイーラーサポートセンターやパーツ受注センター、サービス情報支援システムの活用などができる。また、販売成功事例の共有化なども行なわれることになる。
量販店の店舗拡大や再編が進むなか、地域専門店は地域密着の独自性を打ち出す必要性に迫られているが、その一方で、少子高齢化によって、地域専門店の役割が増加するとの見方もある。
液晶テレビ「AQUOS」や、スチームオープンレンジ「ヘルシオ」などの有力製品を持つシャープに対する地域販売店の期待は高く、それが他社系列店のSVPGへの加盟を促している。
同社では、加盟店舗を1年ごとに見直すとするものの、来年には2,000店舗までSVP加盟店を増やす考えで、同社製品の販売における影響力が今後高まることになりそうだ。
■URL
シャープ株式会社
http://www.sharp.co.jp/
( 大河原 克行 )
2007/12/17 12:44
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