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環境エンジニアリング事業の一覧
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松下エコシステムズ株式会社および松下環境空調エンジニアリング株式会社は、環境事業への取り組みについて説明を行なった。
両社は、松下グループにおいて環境ドメインを担当する企業で、換気分野、家電空質分野、環境エンジニアリング分野の3つの事業領域から取り組んでいる。2006年度の売上高は1,120億円。そのうち、環境エンジニアリング事業の売上高比率は42%。2009年度には1,310億円の売上目標のうち、同事業の構成比を45%にまで引き上げる計画だ。
環境エンジニアリング事業では、携帯電話基地局の冷却システム、クリーンルーム機器、業務用空調機、産業用水処理装置、道路電気集塵システム機器などのほか、工場における環境対策を図る「クリーンファクトリー」の提案を行なっている。また工場向けには、「水」、「土壌」、「空気」といった3つの観点の環境浄化技術を提供し、エネルギーの効率利用ソリューションを提供している。
クリーンファクトリーにおける具体的に提案としては、水浄化技術として、工場の排水を純水および超純水に高効率でリサイクルする「純水リサイクルシステム」、有機排水を適切に管理・処理する「食品工場向け排水処理システム」、半導体工場などで大量に発生する過酸化水素水含有廃液を処理する「過酸化水素水含有廃液処理システム」、廃液処分費の削減、薬液の使用量を低減する「剥離液リサイクルシステム」などがある。空気の浄化では、ドライエッチング用PFCs(CF4)ガスを除害する温暖化物質除害システム、有機溶剤などのVOC排ガス処理を実現するVOC規制法対応システムがある。
直近では、12月22日に開通する首都高速道路新宿線の半分の工区を担当。同社の低濃度脱硝設備を導入し、NO2除去率を90%以上としている。
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2006年度の売上高は1,120億円。2009年度にはこれを1,310億円とし、環境エンジニアリング事業の構成比を45%に引き上げるという
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環境エンジニアリング分野で取り扱う商品
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12月22日開通予定の首都高速道路新宿線の一部工区を担当する
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土壌浄化では、岐阜大学と産能研と共同開発したマイクロアレイ法による微生物検出および適用性評価のほか、バイオスティミュレーション法による土壌浄化メカニズムの採用実績などがある。
さらに、エネルギーソリューションでは、エネルギー利用の実態調査と、効率化に向けた投資から償却までを含めて提案する「省エネBA(Before After)チャート」によるコンサルティングや、太陽光発電システム、風力発電、屋上緑化といった観点からの技術提供を行なっている。
松下エコシステムズの平田爲茂社長は、「人にやさしい環境事業と地球にやさしい環境事業は、ともすれば二律背反となる。しかし、健康に快適なくらしを提供するとともに、大気、土壌、水を汚さないという2つの要素を、環境技術で実現していくのが当社の役割」とコメント。松下環境空調エンジニアリングの籠谷実社長は、今後の展開について「土壌浄化が大きな注目を集めるだろう。また、VOCに準拠した動きも活発化すると見ている。環境技術によって、グローバルに貢献することを中期経営のスローガンとして取り組んでいく」とした。
また、同社では、今年9月から操業している愛知県春日井の新工場において、断熱構造の建築材料で空調負荷を抑制。年間176.5トンのCO2排出量削減。換気を主体とした空調システムの導入による省エネルギー効果では年間52トンのCO2排出量削減につなげており、「ここを、環境エンジニアリングのショールームとしても活用していく」(平田社長)とした。
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松下エコシステムズの平田爲茂社長
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松下環境空調エンジニアリングの籠谷実社長
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愛知県春日井市の向上では、断熱構造の建築材料を採用することで、年間176.5トンのCO2排出量を削減
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■URL
松下エコシステムズ株式会社
http://panasonic.co.jp/mesc/
松下環境空調エンジニアリング株式会社
http://panasonic.co.jp/mea/
( 大河原 克行 )
2007/12/10 15:47
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