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Aureaは、LCDフラットTVの額縁部分が画面に応じて光る。画面右側が明るく光っているのに対して、画面左側は暗くなっている
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独ベルリンで開催されているコンシューマ・エレクトロニクス業界の展示会「IFA2007」で、オランダのRoyal Philips Electronicsは、液晶フラットTVと照明を組み合わせた「Aurea」(オーレア)を展示した。今月から、EU圏での販売を開始する。
Aureaは、フラットTVのいわゆる「額縁」の部分がLED照明となっており、画面の色に合わせて照明が変化する「Active Frame」と呼ばれる機能を特徴とする。
同社は、2005年に画面に合わせて間接照明が変化する「Ambilight」という技術を発表している。今回のActive Frameでは、これの第2世代に当たるもので、本体正面の額縁にまで機能を拡張して、部屋全体を照明できるようした。光源となる照明用のLED(Power LED)は、RGB3色を組み合わせたもので放熱のため、金属製のサブキャリアに取り付けられているという。
Ambilightは、複数あるPower LEDが、画面の近くにある部分の色と同じように発光する。したがって、画面の中で色が違っている部分があると、その周囲のPower LEDもそれぞれ違った色で発色する。Aureaでは、額縁の部分が画面の延長のように発色し、部屋全体が、照らし出される。
液晶TV部分はフルHDの42型で、1080pの表示に対応する。リフレッシュレートは100Hz。また、Ambilight機能は、リモコンにより、明るさや変化速度などを制御できる。
実際に見た印象では、画面の回りが照明になっているというよりも、画面の回りを半透明のプラスティックで覆ったような感じに見える。また、背面部分も同じように光るため、白い壁を背にすると、かなり広い範囲が画面と一体化しているように見える。
これまでのAmbilightを搭載した機種も展示されていたが、そちらは、TVの周囲の壁が画面と同じように光るもので、画面との一体感があまり感じられなかった。
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Aureaの照明用のPower LEDは、背面の周囲も照らすようになっている
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従来のAmbilightは、本体背面が光り、間接照明になっていた
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もともと、Philipsは、照明器具のメーカーとしてスタートしており、こうした照明は、いわば得意分野である。現在でも、家庭用および、自動車用のライトなどを製造している。
家庭向けのLED照明は、今年から来年にかけて立ち上がるでのはないかと言われているが、このAureaも特殊用途とはいえ、家庭向けLED照明と見ることもできるだろう。ただ、予想小売価格が3,999ユーロ(1ユーロ160円換算で約64万円)と、液晶サイズから見るとかなり高価なものになっており、高級機種という扱いである。
なお、このAureaのプロモーション用のショートフィルム「There is Only One Sun」は、ウォン・カーウァイ監督の制作によるもの。映像は、Aureaの特徴が良く出るようにさまざまな色を駆使して作られており、Aureaの製品情報ページで見ることができる。
■URL
Royal Philips Electronics(英文)
http://www.philips.com/
Aurea製品情報(英文)
http://www.philips.com/aurea/
□関連記事 【2005年1月8日】【小寺】2005 International CESレポート 【ヘッドフォン&デザイン編】
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050108/zooma186.htm
( 塩田 紳二 )
2007/09/03 00:02
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