三洋、“水を使わずにシミが取れる”2代目AQUAを公開

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三洋、“水を使わずにシミが取れる”2代目AQUAを公開

AQUA AWD-AQ2000

　三洋電機株式会社は、4月20日に同社が発売するドラム式洗濯乾燥機「AQUA AWD-AQ2000」の説明会を、東京・上野にて行なった。希望小売価格は283,500円。

　本製品は、同社が2006年2月に発売したドラム式洗濯乾燥機「AQUA AWD-AQ1」の後継機種。AWD-AQ1では、水を使わずに除菌・消臭する「エアウォッシュ」機能が特徴だったが、その際に約60℃のオゾンを吹き付けるため、耐熱温度が低い素材では使用できなかった。そのためユーザーからは、いろいろな素材のものに使用したいという意見が多く聞かれたという。

　そこで本製品は、エアウォッシュ時の熱を50℃へと低温化。革やシルクなど、耐熱温度が低い製品でも使用できるようになった。

　ユーザーからはほかにも、エアウォッシュの運転時間を「もっと早くしたい」という声が数多く挙げられた。同社ではこれを受け、オゾン発生器内部の発生素子を、直線から円形とすることで、より高濃度のオゾンを発生させる構造へと変更。さらに、オゾンが空気より重い性質を持つことを考慮し、従来は本体下部にあったユニットを、本体上部へと移した。これらの変更点により、運転時間は30分から20分に短縮された。


オゾンの温度を、従来の60℃から50℃へと変更	耐熱温度の低い革やシルクの素材でも、エアウォッシュ機能が使用できるようになった


ユーザーからは、エアウォッシュ機能の高速化を望む声が聞かれた	オゾン発生器の発生素子を、直線から円形へと変更。より濃度の高いオゾンが発生できるようになった	オゾンが空気より重い性質を利用し、発生器を本体上部に設置した


AWD-AQ2000の側面パネルを省いたモデルも公開された	本体上部にはオゾン発生器以外にも、ファンや風呂水のポンプが備えられている

　そのほか、運転時間が60分の「ハイパワーモード」では、ミートソースやカレーうどんなど、有機物のシミ汚れを、水を使わず分解し、除去するという。同社のクリーンエナジーカンパニーアクアシステム事業部洗浄機器部の土肥憲一郎氏は、本製品のシミ抜きの効果について「オゾンは皮脂や泥などの無機物では、洗剤を使った水洗いよりも劣るが、ミートソースや豆板醤などでは、水洗いよりも汚れは落ちる。ニンジンやトマトでも同程度の効果がある」としている。

　同社では、これらの新しいエアウォッシュ機能を「エアウォッシュ・ワイド」と名付けている。


白いネクタイにミートソースのシミを付け、どれだけ除去できるかの実演が行なわれた	ハイパワーモードでエアウォッシュを行なっているようす。通常は60分だが、時間の都合上40分モードで行なわれた


エアウォッシュ後のネクタイ。汚れはほとんど除去できている	クリーンエナジーカンパニーアクアシステム事業部洗浄機器部の土肥憲一郎氏

　また、節水機能も強化した。同社の調査によると、「節水ができるから」という観点から、風呂水を洗濯水に利用するというユーザーが多かったという。しかしその一方で「臭いや濁りが気になるので風呂水は使用したくない」などの意見も多く見受けられたという。

　そこで本製品では、風呂水を浄化し、再利用する「アクアループ・ワイド」機能を搭載した。これは、風呂水を抗菌フィルターにかけ大きなゴミを取り除き、その後オゾンを注入して浄化し、洗い・すすぎの行程で使用するというもの。浄水後の水は本体内のタンクにて溜められ、タンク内の浄水が使用され空になると、風呂水を取水し、浄水する仕組みになっている。

　これにより、洗濯時に使用する水量は8Lとなった。9年前の同社全自動洗濯機と比較すると約96%の節水、年間の水道代は約14,400円の節約になるという。


風呂水を洗濯に使用することに抵抗を感じるユーザーも多い	風呂水は、フィルターとオゾンで汚れを除去し、機内のタンクに溜められる。使用後、空になったタンクに再び風呂水を入れ、浄水する	【動画】浄水の実演も行なわれた。画面左側の水槽では、本製品と同様の浄水が行なわれており、紫色の水が浄化され、透明に変わってゆく(WMV形式、約10MB)


タンクは本体下部に備えられている	機内には浄化水、風呂水、オゾンのそれぞれが通るチューブが張り巡らされている	洗濯時の水量は、風呂水を活用した場合で8L。9年前の機種からは約96%の節水となる。また、前機種のAWD-AQ1からでも、水量を22L省いている

　使い勝手の面でも改良された。操作部には、大型の液晶「おしえてウインドウ」を搭載。「ドアが開いています」などのエラー表示や、残りの運転時間などを、約16mmの大きな文字でわかりやすく表示するという。また、庫内の手の届きやすさを考慮し、投入口の高さを一般的なキッチンカウンターと同等の約85cmとした「キッチンワークスタイル」を採用している。

　「AQUA」シリーズは、三洋電機が独自のビジョンとして掲げる「Think GAIA」の「環境」部門に当たる製品で、「水を大切に想う」をテーマとして開発された。同社によると、地球の水のうち、そのほとんどは海水で、生活水として使用できるのは全体のわずか0.01%。お風呂一杯の水で例えると、スプーン1杯分だという。また、現在安心して水を飲めない人が世界に11億人いるとし、2025年には世界の2/3の人がが水不足に陥るというデータも公開された。同社のマーケティング本部マーケティング統括部家電企画部主任の内藤正浩氏は「水問題の解決策として、AQUAが果たす意義は大きい」と語った。


【動画】ドアが開いたまま運転ボタンを押すと、「お知らせウインドウ」がエラーを表示する(WMV形式、約912KB)	ドアは一般的な左開きタイプに加え、右開きも用意される


地球の水の約97.5%が海水。淡水は2.5%だが、人間の生活に使える水に限れば0.01%程度でしかないという	2025年には世界の2/3の人が水不足に陥るというデータも公開された	マーケティング本部マーケティング統括部家電企画部主任の内藤正浩氏

■URL
　三洋電機株式会社
　 http://www.sanyo.co.jp/
　「AQUA」ホームページ
　 http://www.sanyo.co.jp/aqua/
　製品情報
　 http://www.sanyo.co.jp/aqua/aq2000/

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　　～水なしで洗える秘密　（PC　2006/06/05）

（本誌：正藤慶一）
2007/04/03 18:08

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