経済産業省は15日、国内で販売されている海外製のリモコン付き電気ストーブについて、テレビなどのリモコン操作でヒーターが点灯するなどの誤作動を起こす恐れがあると発表した。同省では、この不具合により火災に至る危険性があるとして、対象製品のユーザーには、使用しないときは電源を抜くことと、カーテンなど可燃物の近くに電気ストーブを置かないことを呼びかけている。
同省は、電気ストーブをこれから購入する人に対して、購入時に付属のリモコンにヒーターを点灯する機能が付いていないことを確認し、購入するよう注意を促している。一方、メーカーや、小売店、輸入事業者には、該当する製品の製造・輸入・販売を自粛するように要請した。
同省では、こうした誤作動の対策として、電気用品安全法の技術基準を改正する予定としている。
今回の不具合は、独立行政法人 製品評価技術基盤機構の調査によって明らかになった。同機構では、合計13銘柄のリモコン式電気ストーブについて、国内家電メーカーの赤外線リモコンのすべてのボタンを押し、誤作動するかどうかのテストを行なった。その結果、2つの商品に不具合を発見したという。原因は、電気ストーブの赤外線リモコンに使われている信号が、他の家電製品の制御コードと部分的に一致したためとしている。
また、電源を切っている電気機器が、他の電気製品が発するノイズにより点灯状態にならないかを確認するテストも行なわれた。その結果、4製品がこれに該当したという。
なお、リモコン式電気ストーブは日本では製造されておらず、国内で流通しているものは、すべて海外などからの輸入品だという。
リモコンによる誤作動が判明した「IR-4622」を輸入する株式会社アイアンでは、誤作動の対象となる2003年、2004年に製造されたロットのユーザに対し、フリーダイヤルまたはホームぺージにて連絡するよう喚起している。該当商品は無償交換にて対応する。
また、対象となるリモコンを取り扱うシャープ株式会社では、同社のホームページにて、電気ストーブの使用についての注意点を呼びかけている。
ノイズによる誤作動の恐れがある「YS-F803R」を取り扱う株式会社シー・アイ・シーでは、該当製品のユーザーに対して、ただちに使用を中止し、コールセンターへ電話することを呼びかけている。同社では商品は回収したうえで、購入金額を返金するという。
■URL
経済産業省
http://www.meti.go.jp/
ニュースリリース
http://www.meti.go.jp/press/20061115001/20061115001.html
独立行政法人 製品評価技術基盤機構
http://www.nite.go.jp/
ニュースリリース
http://www.jiko.nite.go.jp/press/prs061115.html
株式会社アイアン
http://www.iron.co.jp/
リモコン付電気ストーブの誤動作について
http://www.iron.co.jp/oshirase.html
シャープ株式会社
http://www.sharp.co.jp/
他社のリモコン付き電気ストーブをご使用のお客様へ
http://www.sharp.co.jp/support/safety/remote_ir.html
株式会社シー・アイ・シー
http://www.cic-jp.com/
自主回収のお詫びとお願い
http://www.cic-jp.com/cgi-bin/ezhp/h5.cgi?F=top_1163521750
( 本誌:正藤 慶一 )
2006/11/16 14:44
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