長期レビュー
ブリヂストン「アンジェリーノアシスタDX」最終回
ブリヂストンサイクル「アンジェリーノアシスタDX」 |
これまで3回に渡ってレビューしてきた、3人乗り電動アシスト自転車「アンジェリーノアシスタDX」も、今回でいよいよ最終回。これまでに、子供を乗せても安定感抜群で、とても乗りやすく、大満足! ということを紹介してきたけれど、今回は購入を検討している人が悩む2つの問題について触れたい。
1つは「荷物をどこに置くの?」という問題。もう1つが、「子供ってすぐ大きくなってしまうのに、こんな高価な3人乗りアシスト自転車なんてもったいないんじゃないの?」という疑問だ。特に後者は、使えるのは一瞬で、その後は宝の持ち腐れになるのでは……と配している人も多いだろうが、結論から言ってしまえば、実際のところはまったくそんなことはない。子供が大きくなってからも継続して使えるのも、アンジェリーノアシスタDXの良いところだ。
というわけで最終回は、「唯一気になった点」「子供が乗れなくなったその後」についてお話させていただく。
[その1] [その2] [その3]●3人乗りの場合、荷物はどこに置けば良い?
坂道でもちょっとした遠乗りでもスイスイいけちゃうアンジェリーノアシスタDX。安定感抜群で、子供2人乗せても発進時はふらつかず、本当に便利!! ということをこれまでお伝えしてきた。“ママ友”からの反響も大きく、毎日子育てに追われている人の関心の高さがうかがえた。
実は、記事を見たママ友から一斉に突っ込まれたことがあった。それが、「荷物はどこに置くの?」という点。子供がいると何かと荷物が多くなりがちなので、これは切実な問題だ。そういえば乗っている自分自身も、どうしたらいいのかよくわからない。
そこで、メーカーのブリヂストンサイクルに「3人乗ってさらに荷物を載せる場合、どうしたらベストなのでしょうか」と問い合わせてみた。その回答は「幼児2人乗り同乗時の場合、荷物の搭載のご案内をしておりません」とのこと。つまり、オススメできないということを遠回しに言われてしまった……。
というわけで、街で3人乗り自転車で走っているママたちの様子を観察してみると、「後部座席の背もたれに荷物をかける」、「ママが大きめのリュックを背負ってそこに入れる」、「子供に持たせる」などの姿が確認できた。必要に迫られて色々工夫しているようだ。
しかし、自転車の機構やバランスを考えると、このような荷物の扱いは安全とは言えないだろう。人間3人と自転車の重さを合わせるとかなりの重量。それに荷物が加わるとなると、100kgオーバーになるケースもあるかもしれない。3人乗りした場合の荷物に関しては、設計の中に含まれていないかもしれない。荷物は極力乗せないのが安全な選択肢だ。
ちょっとした荷台スペースでいいので、どこかに作って欲しい。無理かなぁ |
……とわかってはいるものの、ちょっとした荷物用スペースがあれば、もう少し便利に使えるのに、とも思う。私も極力荷物を持たないようにして出かけているが、やっぱり不便。現状の形では無理があるかもしれないが、メーカーさんにはぜひ検討していただきたいところである。
●子供が乗れなくなった後も、荷台を付ければ買い物ラクラク
子育てが終わった後に、3人乗り自転車はどうなるの? というのは、常々疑問に思っていた。何しろ普通の自転車と比較すればかなり高価なので、たった数年のために10万円以上する自転車を買うのはもったいないのでは……と、悩んでいる人も多いのではないだろうか。
しかし、実際には子供が乗らなくなった後も、とっても便利に使える自転車なのである。
その理由はズバリ、大容量の「スタイリッシュバスケットL」(別売、定価3,300円)が付けられること!!
左が別売りの「スタイリッシュバスケットL」。チャイルドシートの代わりに、前にも後ろにも取り付けられる。ちなみに右は、以前から使っていた三洋の電動アシスト自転車「エナクル」の前カゴ |
アンジェリーノシリーズは、子供が大きくなった後のために、子供用の座席を取り外して、前でも後ろでもオプションのバスケットを装着することができる。我が家は娘が5歳なので、あと1年足らずで3人乗りができなくなってしまうため(3人乗りができるのは6歳未満まで)、あらかじめ前述のバスケットを一緒に購入しておいた。このバスケットが、かなりの大容量! 何と31Lも収納できるのだ。
家にある電動アシスト自転車(三洋のエナクル)のバスケットと比較してみても、やっぱり大きい。エナクルのバスケットでは、12ロールのトイレットペーパーがやっと1つ入る程度。これは一般的な自転車でも同じだろう。自転車によっては、トイレットペーパーですら無理、というものもある。しかし、アンジェリーノアシスタDXの専用のバスケットならトイレットペーパーはもちろん、紙おむつ、ティッシュ(5箱セット)まで入ってしまうのだ!!
こんなに大きなバスケットが付けられるのは、子供用座席が取り付けられるほど頑丈なリアキャリアがあるから。最大積載重量が27kgまでの「クラス27」対応なので、たくさん入れることができる。つまり、10kgのお米を買っても大丈夫。大抵の場合、どんなにたくさん買ったところで子供の体重には及ばないので、まとめ買いも安心してできるのだ。
一般的な自転車のバスケットでは、トイレットぺーパー1パックがやっと入るくらい | スタイリッシュバスケットなら、紙おむつも箱ティッシュも入ってしまう。これならまとめ買いも余裕 | バスケットはチャイルドシートの代わりに取り付ける。子供が6歳になって乗れなくなる時のために、あらかじめバスケットを購入しておいた |
実は以前、子供が生まれる前に、アンジェリーノアシスタDXと同型の自転車を購入したことがある(同じブリヂストンサイクル製)。前輪が小さく、ハンドルの間にはさみこむようにバスケットが装着されていたので、アシスト機能がない以外はほぼ同じ仕様。大容量バスケットがものすごく便利で、他の自転車は全く使わなくなってしまったほどだ。
でもアンジェリーノアシスタDXなら、それに加えて電動アシストがあるので、さらにラクラク。荷物をたくさん載せて坂道を上っても、ちっとも苦ではない。ヘトヘトに疲れていても、たくさんの買い物をして悠々と坂道をのぼって帰ってくることができる。
そんなわけで、「子供が乗れなくなったその後」も、かなり重宝する自転車なのだ。
●子供を家に置いていけないママとパパに
私のまわりでは、電動アシスト付き自転車を買ったママ友たちは「買ってよかった!」と満足度が高く、後悔している人はいない。一度アシストになれてしまうと、後戻りできなくなるようだ。
確かにお値段は高めだが、自治体によっては補助があったりするので、ぜひお住まいの役所で聞いてから検討していただきたい。あと、購入した際にはくれぐれも交通ルールを守ることに注意していただきたい。たまに子供を乗せて暴走しているママチャリを見かけますが、とっても危険ですよ!
ちょっと出かけるのに子供を家においていけない……というママ、あるいはパパには、アンジェリーノアシスタDXは間違いなく、心強い味方になってくれるはず。我が家もこれからずっと大事に使っていこうと思っています。
最後に本編で取り上げきれなかったパーツを紹介。こちらは別売りの可変式自転車カバー。自転車を風雨から守ることができる。チャイルドシートが1台の場合と2台の場合に兼用できる | 後ろはチャック付き。後部チャイルドシートを取り外した場合には、チャックを締めることで長さを調節する |
チャイルドシートのシートベルトは、長さの調整が可能。子供の体に合わせて使うことができる | 今日もアンジェリーノアシスタDXに乗って、近所の公園へ遊びに行ってきま~す |
2010年8月30日 00:00
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)