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やじうまミニレビュー

A&D「熱中症みはりん坊 AD-5688」

〜気づきにくい危険を知らせる熱中症警報器
by 伊達 浩二


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


梅雨が明けて、熱中症の危険がある季節

A&D「熱中症みはりん坊 AD-5688」パッケージと本体

 全国的に梅雨が明け、東京では真夏のような日差しが降り注ぎ、気温は30℃を超えている。毎年、この季節には熱中症で倒れる方が多い。急に暑くなるので、まだ身体が追いつかないのだろう。

 熱中症というと、強い日差しのある屋外で起こるものかと想像しがちだが、気温や湿度次第では、屋内でも熱中症になる危険もある。特に今年は、節電の呼びかけでエアコンの使用に心理的な制限があるだけに、熱中症の増加が心配されている。

 気温や湿度は目に見えないので危険に気づきにくため、熱中症の危険を分かりやすく知らせる製品がある。A&Dの「熱中症みはりん坊 AD-5688」は、今年の5月に発売されたばかりの製品だ。


メーカー A&D
製品名 熱中症みはりん坊 AD-5688
希望小売価格 3,570円
購入場所 クリエイトSD 浅草店
購入価格 2,990円

 みはりん坊のパッケージには、「日常生活やスポーツ、イベントでの熱中症の予防と管理に」とか「暑熱環境での労働や建設・道路工事などの安全管理に」と書かれている。みはりん坊本体には、モニタ用のCR2032電池、ストラップ、取扱説明書が付属する。取扱説明書は46ページにも及んでいる。

 みはりん坊本体のデザインは白い四角い形をしており、iPhoneの半分ぐらいの大きさだ。本体の液晶は大きめのモノクロで、数字が4列に並んでいる。上から順番に、「熱中症指数」「温度」「湿度」「時刻/タイマー」だ。液晶のコントラストは高く、文字はくっきりしている。ただし、視野角はそんなに広くないので、正面から見た方が良い。

「みはりん坊」正面 背面にはモード切替スイッチや壁掛け用の穴が用意される。電池はCR2032が1個 パッケージの背面。2つの動作モードがあることが強調されている
30cm定規との大きさ比較 iPhone 3GS(左)との大きさ比べ 液晶の視野角は狭いので、下から覗くようにすると、こんなふうに見えてしまう

 みはりん坊の操作ボタンは「設定」「最高/最低」「タイマー」と3つあるほか、アラームのON/OFFと、おまかせモードと設定モードの切替、リセットスイッチも並んでいる。さらに、ストラップホールは本体の上下に2個あるし、背面には壁掛け用の穴まで用意されている。

左側面はプッシュボタンが並ぶ 右側面はアラーム音のON/OFFスイッチ 天面のストラップホール。底面にも同じものがある

 どうやって持ち歩くか考えてみたが、ぶら下げたまま持ち運ぶには少し大きい。結局、本体にストラップを付け、ストラップの鰐口クリップをズボンのベルト通しなどを挟み、本体をポケットに入れて携帯した。ちなみに、ストラップホールは通しにくい構造なので、千枚通しのような尖った器具を用意した方が良い。

ストラップは短いタイプで、クリップが付いている ストラップのクリップを、ベルト通しに止めて、本体はポケットに入れている。画面を見るときは、こうして取り出す

「おまかせモード」で試す

 みはりん坊は、日本生気象学会が定めた、熱中症指数(WBGT)という数字を元にして、熱中症になりやすい環境を警告する。熱中症指数とは、熱中症を含む暑熱環境における人が受ける熱ストレスを評価する指数とされており、要は数字が大きくなると、熱中症になりやすい環境であることを示すそうだ。

 熱中症指数は5段階あり、31℃以上が「危険」、28〜30℃が「厳重警戒」、25〜27℃が「警戒」、21〜24℃が「注意」、21℃未満が「なし」となっている。

 最初にちょっと戸惑うのは、「熱中症指数」も単位が「℃」で表記されることだ。携帯型熱中症計では、「危険」とか「警戒」という文字だけの表示だったので、こういう単位とは知らなかった。これは、みはりん坊のせいではないが、温度と見間違えやすい。

 とりあえず、簡単な「おまかせモード」に設定して暑い屋外に出てみよう。背面のスイッチをおまかせモードに、アラーム音をONにする。これで、熱中症になりやすい環境を警告するという最低限の機能は確保できる。一番下の数字は時計になるので、時刻を合わせておこう。

 電池を入れると、1分足らずで、液晶に表示される温度や湿度が安定する。液晶が大きく、文字は見やすい。持ち運びできる温湿度計としてだけでも存在意義がありそうだ。

 快晴で照り返しの強い道路を歩くと、すぐに警告のアラーム音が鳴り始める。アラーム音は、厳重警戒では20秒、危険は30秒鳴る。画面を見ると、熱中症指数は28℃で、「厳重警戒」という文字が表示され、LEDが黄色に点灯している。アラーム音が鳴るのは、厳重警戒と危険だけなので、音がするのは、かなりヤバイ状態だ。

炎天下を歩いていると「厳重警戒」と警告された アスファルトからの照り返しがあるので、気温は40℃を超える。もちろん、「危険」な状態


路上で「危険」を知らせるアラーム音

 

 さらに10分ほど歩いていると、またアラーム音が長く鳴る。画面を見ると、今度は熱中症指数が31℃で「危険」だった。同時に、LEDは赤く点灯している。

 使いにくさを感じたのはアラーム音。厳重警戒と危険の違いは、アラームの鳴る時間の長さなので、音だけではどちらか判断できない。警戒レベルによって、違う鳴り方をしたほうがわかりやすいと思った。なお、アラーム音は、一般的な電子音だが、高い周波数の音ではないので、お年寄りでも聞き取りやすいと思う。

 また、LEDの光り方も、日中の戸外だと、厳重警戒の黄色と危険の赤の違いがあまりわからない。たとえば、LEDを複数並べて、1つ点灯すると「警戒」、2つ点灯すると「厳重警戒」、3つ点灯していると「危険」を表わすと分かりやすいだろう。どうも、みはりん坊は、大きな液晶画面の表示に頼りすぎていて、直感的に危険を知らせるという機能が弱い感じだ。

 みはりん坊を持って、屋外を歩いているといろいろなことに気づいた。たとえば、街路樹が日陰を作ってくれている歩道は、「危険」や「厳重注意」になりにくい。 また、駅のプラットフォームでも、直射日光が当たっているところと、屋根があるところでは、熱中症になりやすいかどうかという点で大きな差があることがわかった。

ちょっとした日陰でも、かなり有効なのだと分かり、これまで意識していなかった街路樹の有無も気になるようになった。なにげない街路樹もきちんと役にたっているのだ。

  室内にいても、みはりん坊は警告を発する

 驚いたことに、室内にいても、みはりん坊は警告を発する。たとえば、今、原稿を書いているオフィスは、温度が30.8℃、湿度が48%なので、熱中症指数は25℃となっている。これは「警戒」に相当する。直射日光の当たらない室内だからと言って油断してはならないようだ。室内にいることの多い人でも、エアコンを使う目安として、持っている価値があるだろう。

卓上に置いても、温度や湿度が充分に判読できる 節電中でエアコンの設定温度が高いため、室内でも30℃を越えていることが増えた

 面白い機能としては、「最高/最低」ボタンがある。ちょっと長いバー型の、このボタンの上の方を押すと各数値の最高値が表示される。同じように、下の方を押すと最低値が表示される。ちなみに、この日の最高値は「熱中症指数が32℃/温度40.2℃/湿度79%」というものだった。暑かったわけだ。ただ、ボタンは1つの長いバーではなく、2つのボタンに分けた方が使いやすいと思う。

 次に、警告するレベルが設定でき、タイマー機能を設定できる「設定モード」を試してみた。警告する熱中症指数を21〜60℃の範囲で自由に指定でき、最長4時間のカウントダウンタイマーとして設定できるモードだ。

 設定できる時間は、5分以内は1分刻みで設定できるが、5分以上1時間までは5分刻み、1時間以上は10分刻みとなる。

 これらの機能は、やはり工場内や坑内など、きびしい環境下で働く際の安全を確保することが目的なのだと思う。たとえば、熱中症指数が30℃を越えるか、1時間を超えたら、作業を中止して交代するというような業務にピッタリだ。しかし、日常生活ではおまかせモードで充分だろう。

便利だけど、もう少し小さくてシンプルにしてほしい

 みはりん坊を使っていて感じるのは、ちょっと機能が多すぎることだ。もう少し機能を絞り、ターゲットをお年寄りを含む一般ユーザーに絞り込んだ方が使いやすくなると思う。時計機能などはいらないと思うし、本体も、もう一回り小さくできるだろう。

 逆に、みはりん坊の良いところは、熱中症指数や温度などの数字が読みやすくところだ。特に、数字が読み取りやすいので、持ち歩ける温湿度計として、夏以外の季節でも充分に使えると思う。

 まだ、7月の中旬で、暑い夏はこれからが本番だ。今年は、節電のために、例年よりもエアコンの温度設定が控えられているところも多い。しかし、身体をこわしては元も子もない。身体が変調を来たす前に、身を守るための手段として、入手しておくと良いのではないだろうか。





2011年 7月 14日   00:00