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パナソニックブランドによる白物家電事業が本格スタート


 松下電器産業は、白物家電ブランドである「ナショナル」を、「パナソニック」に統一するのにあわせて、方針説明および新たな事業戦略について、記者会見を開いた。

 会場には、雨にも関わらず、約1,400人の報道関係者が集まり、これまでの同社の会見でも異例の取材陣が参加したものとなった。


ナショナル以上のイメージをパナソニックに込めたい

大坪文雄社長
 冒頭、大坪文雄社長は、「公の場で、松下電器の大坪です、とご挨拶させていただくのは、今日が最後になるだろう。次にお目にかかる時にはパナソニックの大坪です、とご挨拶させていただくことになる」とコメント。さらに、「長年に渡り、松下電器にご支援を賜りありがとうございました。これからのパナソニックをよろしくお願いします」として、三方に向かって深々と頭を下げた。

 大坪社長は、「すべてを取り組みをパナソニックに集中させ、社員の一滴の汗も無駄にしない。世界でパナソニックを理解してもらうために、一丸となって取り組んでいく。ナショナル以上のイメージをパナソニックに込めたい」と、社名変更、ブランド統一に向けた意志を示した。

 大坪社長は就任以来、創業者である松下幸之助氏の「衆知を集めた経営」を自らの経営の基本姿勢として掲げており、「社名変更、ブランド統一を機に、この言葉を実践し、全世界の全社員で共有したいと考えている」とした。

 また、ブランドプロミスとして、「パナソニックが創るのはくらしを輝かせるアイディアです。世界中の人々に明日のライフスタイルを提案し、地球の未来と社会の発展に貢献しつづけます」を掲げることを発表。これを全世界の統一メッセージとして発信すると語った。


ブランドプロミスとして掲げられたメッセージ 大坪社長が自らの基本姿勢と掲げる創始者松下幸之助の経営方針

「家まるごとパナソニック」を提案

牛丸俊三副社長
 一方、牛丸俊三副社長は、ブランド統一の狙いについて説明。「1988年から国内AV商品をパナソニックブランドとし、さらに、2004年からは、松下電工とのコラボレーションによって、家まるごとの提案が可能になった。だが、ブランドは別々という状況にあり、大きなインパクトを出すことができていなかった。ブランドをパナソニックに統一したことで、家まるごと提案が、パナソニックという統一のブランドのもとで提案できるようになる」とし、「家庭で一番大きな買い物は家。その次は、自動車だといえる。しかし、家庭内にある白物家電、AVC家電、キッチンやバスなどをあわせると、国産自動車の新車購入よりも大きな金額になる。これが、パナソニックという、1つのブランドで提供できるようになるインパクトは極めて大きく、より積極的なマーケティングを行なっていくことができる」とした。

 牛丸副社長は、パナソニックブランドの商品づくりのコンセプトを「超・繋がる」、「超・省エネ」、「徹底したユニバーサルデザイン(超・UD)」とし、「これまではAVC商品だけが繋がっていたものを、家の中、家の外でもつながるようにする。さらに、これを簡単な操作で利用できるようにすることも大切な要素」とした。

 留守中でも家の中の家電を、外から携帯電話で操作したり、インターフォンとの連動で、外出先から訪ねてきた人を確認できるなど、家庭のセキュリティといった観点からも、白物、AVC製品との連携によって、強化していく姿勢を示した。


ブランド統一することで「家まるごとを提案」することが可能だという 家の次に大きな買い物は車ではなく、家電だとする パナソニックブランドの商品づくりのコンセプト

キャンペーンと連動した植樹活動を行なっていく
 超・省エネの観点では、牛丸副社長が、「パナソニックといえば省エネ。しかも、ダントツの省エネを目指す」としたほか、ナショナルマーケティング本部の高見和徳本部長が、「1台で、1本の植樹をするエコアイディアキャンペーンをリニューアルし、日本だけでなく、全世界に展開する。学校にグリーンサンタの森をつくることを目指し、2008年度には70万本の植樹を行なうことで、累計120万本の植樹達成を目指す」とした。

 また、牛丸副社長は、「ナノイー、ヒートポンプ、U-Vacuaといったアプライアンス商品のブラックボックス技術を生かし、本質機能を革新しながら、中身をパナソニックブランド商品として進化させるのに加え、パナソニックらしい外観を採用するといったように、あらゆる革新を図る」と、今後、白物家電商品の技術、デザインなどが進化することを示し、アプライアンスカラー展開として、ホワイトだけでなく、高性能、高品質を表現する「ブライトシルバー」、上質なブレミアム感がある洗練されたカラーとして「マホガニーレッド」を用意し、多様な価値観、空間にフィットする提案を進める考えも示した。

 パナソニックブランドでは、先進、洗練による「憧れ」と、信頼による「やさしい」を持つデザインを追求。先進・洗練としては、一歩先を行く「未来への憧れ」を、人へのやさしさでは、若い人からお年寄りまでの「超・UD」を、環境へのやさしさでは、新たな信頼をつくる「超・エコ」をそれぞれ訴求するという。


アプライアンス商品の代表的な技術 新しいデザインの指針として掲げられたテーマ

カラー展開では多様な価値観、空間にフィットするとして、3つの基本カラーを提案 個人の多様な趣味に対応するという

ナショナルからパナソニックブランドへの変更に伴い「Hello! Panasonic」を共通訴求メッセージとする
 一方、ナショナルからパナソニックへのブランド変更に伴い、「Hello! Panasonic」を白物家電商品の共通訴求メッセージとし、9月30日から、様々な訴求展開を開始することも明らかにされた。

 年末までに過去最高となる10万本のテレビCMによって、パナソニックブランドの浸透を図るほか、ウェブサイトをpanasonic.jpに一本化。また、NTTドコモ向けに用意した携帯電話サイトでの訴求や、旧ナショナルショップでのパソナニックブランドによる統一提案などを行なっていく。


ホームページもリニューアルするという CMに出演する3人。左から高見本部長、女優の吉瀬美智子さん、子役の疋田結衣さん、小林祐之助さん。親子の設定で出演するという

 そのほか、商品のパッケージも、AVC商品を含めて、同様のデザインへと一本化。東京・汐留および大阪・OBPのナショナルセンターを、「パナソニックリビングショールーム」へと変更するとともに、全国71か所のナショナルのショールームも、パナソニックリビングショールームに名称を変更する。

 さらに、TBS系で1956年から放映している「ナショナル劇場」は、「パナソニックドラマシアター」へと変更することも発表された。

 牛丸副社長は、「すべてのマーケティング活動をパナソニックに一本化する」とし、パナソニックブランドによる白物家電事業を力強く推進していく姿勢を示した。





URL
  パナソニック
  http://panasonic.jp/
  グリーンサンタの森キャンペーンニュースリリース
  http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn080916-1/jn080916-1.html?ref=news

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( 大河原 克行 )
2008/09/16 18:39

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