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東京では大阪の中継映像が流された。左が代表取締役副社長の前田孝一氏
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三洋電機は、2008年度第1四半期連結決算を発表した。
売上高は前年同期比6.5%増の4,796億円、営業利益は24.4%減の49億円、継続事業税引前利益は78.5%減の24億円、当期純利益は998.3%増の282億円となった。
三洋電機の代表取締役副社長の前田孝一氏は、「二次電池、太陽電池、デジタルカメラが、海外を中心に売り上げを伸ばし、米国、欧州、アジアの全地域で増収となった。第1四半期の営業利益はトントンを見込んでいたが、50億円の利益を計上した。3カ年の新中期経営計画の出足として、全体的にはまずまずのスタートとなった」と総括した。だが、「部門間での強弱があり、それぞれの部門で、新中期経営計画の達成に向けて努力していく必要がある」とした。
今回の四半期決算は、米国会計基準に則り、今年4月に京セラに売却した携帯電話事業を除いた継続事業で算出しており、前年同期には、前年度第1四半期の営業利益は携帯電話事業の59億円の赤字により、7億円としていたが、今回の決算では、それを除いた66億円を前年実績として算出しているため、前年割れになった。また、継続事業税引前利益では、前年同期に三洋電機クレジットの売却益を計上していたことが影響。当期純利益は携帯電話事業の売却益として約280億円を計上したことが影響した。
また、為替の影響として約50億円が営業利益にマイナスになったとしたほか、「原材料費の上昇では、マイナスを積み重ねると50億円程度の影響が見込まれるが、レアメタルの一部で値下がりしているものもあり、相殺すると30~40億円の影響」とした。
部門別では、コンシューマ部門の売上高が、前年同期比9.2%増の1,782億円、営業損失はマイナス11億円の赤字。
米国における液晶テレビの販売が増加したのに加えて、高水準で推移しているデジカメ、AQUAが好調な洗濯機が売り上げ増加に貢献したものの、前年同期に大幅に販売量を伸ばした欧州におけるエアコン事業が、今年は冷夏の影響で減少。また、冷蔵庫も苦戦したという。
冷蔵庫の売上高は前年同期比2%減の113億円、エアコンは同34%減の100億円、洗濯機は同44%増の91億円となった。
「白物家電は、原材料高が影響しているが、儲かるものに絞り込む施策を展開しており、また、アジア、欧米での拡販で採算を改善する。今後は、製品の値上げも市場の動向を見ながら考えたい。市場ではエアコンの高級機種が売れており、その点では三洋電機は出遅れた感がある」などとした。
一方、デジタルカメラの売上高は139.3%増の759億円、薄型テレビの売上高は38%増の347億円となった。
デジカメは、台数では順調に拡大しているものの、単価が若干減少しているとした。
コマーシャル部門は、売上高が0.6%増の607億円、営業利益は前年同期の6億円の赤字から黒字転換し、2億円。欧州や日本国内、中国における大型エアコンの販売が厳しいものの、ショーケースやメディコム、バイオメディカル部門が堅調に推移したという。
コンポーネント部門は、売上高が6.4%増の2,311億円。営業利益は14.3%増の138億円。
リチウムイオン電池や欧州を中心な需要が旺盛な太陽電池事業が貢献。だが、光ピックアップや半導体、電子部品が、市場低迷の影響を受けて減収となった。半導体は36億円の赤字。「前年同期に比べて17億円悪化しており、想定に対しても、十数億円悪い」としたものの、「第2四半期の赤字は回避できる」とした。
なお、二次電池の売上高は26%増の971億円、太陽電池の売上高は50%増の227億円となった。
その他部門は、売上高が1.7%増の94億円、営業損失はマイナス2億円の赤字となった。
通期の業績見通しには変更がないという。
■URL
三洋電機株式会社
http://www.sanyo.co.jp/
決算資料
http://www.sanyo.co.jp/ir/library/financialstatements.html
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・ 大河原克行の「白物家電 業界展望」 三洋電機のコア事業、太陽電池への取り組み(2008/07/31)
( 大河原 克行 )
2008/08/07 18:42
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