経済産業省は、経年劣化による重大事故を未然に防ぐ規定を盛り込んだ消費生活用製品安全法(消安法)の改正案が、14日閣議決定されたと発表した。11月10日まで開催される第168回臨時国会にて提出される。
消安法は、死亡事故や火災など、重大な事故を引き起こした製品のメーカー・輸入業者に対し、事故を把握次第すみやかに国へ報告することを義務づけており、2006年12月6日に改正法が公布、2007年5月14日に施行された。しかし、今年2月に起こった小型ガス給湯器による死亡事故が、製品の経年劣化によるものであったことから、改正案では「出荷後における事故の未然防止が重要」として、経年劣化に対する安全強化策が盛り込まれている。
今回の改正案では、新たに「製品の長期使用時のサポート制度の強化」「長期使用時の製品に係る情報の提供」の2つが加わった。
前者は、消費者による製品の保守作業が困難で、かつ経年劣化によって重大事故が発生しやすい製品について、メーカー側は製品に使用/点検期間を表示したり、消費者に点検を通知、要請があった場合は応諾する義務、販売事業者は消費者に経年劣化によるリスクや点検が必要であることを説明する義務を負うことになる。なお、対象となる製品は、燃焼・大電力系で設置型の分野の中から、食器洗浄乾燥機、浴室乾燥暖房機、ガス瞬間湯沸器、ガス風呂釜、石油温風暖房機など、9品目を検討しているという。
後者については、経年劣化による重大事故が一定数以上発生している製品について、事業者が情報を提供する責任を負うというもの。同省では扇風機を例として挙げている。
このほか、電気用品安全法の一部を改正する法案も提出する。認証マークのない電気製品の中古販売を規制する「PSE制度」について、制度改正以前と以後で製品の安全性が同等であったことから、旧電気用品取締法に適合している商品の販売を認める内容や、事故が相次ぐリチウム充電池について、国の定める安全基準を満たしたものを製造・輸入することを義務付ける対策が含まれている。
■URL
経済産業省
http://www.meti.go.jp/
「消費生活用製品安全法の一部を改正する法律案」及び「電気用品安全法の一部を改正する法律案」について
http://www.meti.go.jp/press/20071012002/20071012002.html
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( 本誌:正藤 慶一 )
2007/10/12 18:01
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