経済産業省は、PSEマークのない電気製品の中古販売を禁止する、いわゆるPSE制度について、制度改正以前と以後で製品の安全性に差がないとし、同制度を見直す方針であることを明らかにした。
PSEは、電気用品安全法に定められた基準を満たした製品に貼付されるマーク。2001年以前に発売されたAV機器や生活家電にはついておらず、法改正後の猶予期限の切れる2006年4月1日以降、中古品販売が禁じられていた。
しかし、告知が十分でなかったことなどから、リサイクル業界や消費者からの反発を受け、同省はPSEマークのない中古製品を「販売」ではなく「レンタル」扱いとすることで事実上の販売を可能にする措置を執った。その後も、年代物の楽器などいわゆる“ビンテージ品”の扱いを特例としたり、措置を受けて、PSEマークのない製品の在庫を抱えるリサイクル品販売業者が自主的に点検設備を整えるなど、業界では混乱が続いていた。
製品安全小委員会では、独立行政法人製品評価技術基盤機構(nite)に依頼し、法改正以前のPSEマークなしの製品と、改正以降のマークありの合計741製品について、絶縁体に負荷をかける試験を行なった。この結果、不具合が生じた製品がなかったことから、マークなしの製品でも、自由に売買できるよう制度を改正する方針に改めることとなった。
なお、同委員会では、中古品販売におけるガイドラインについても検討されている。これについては、省庁主導で立法するのではなく、有力な販売業者が中心になって設立する業界団体と経産省が共同でガイドラインを管理する方針が示されている。報告書では、ガイドラインの一例として、製品の点検、清掃、点検責任者の明記、取扱説明書や保証書の添付などを義務づける内容が含まれている。業界団体に加盟した企業が販売する製品にシールを添付するなどして、中古品の安全性、信頼性の向上を図るねらいがある。
今回、発表された方針について、同省では7月にパブリックコメントを募集する予定。今秋の臨時国会で成立を目指すという。
■URL
経済産業省
http://www.meti.go.jp/
製品安全小委員会のとりまとめ
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/chuko_kentou.htm
電気用品安全法の概要
http://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/outline/hou_outline.htm
( 本誌:伊藤 大地 )
2007/07/02 17:54
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