気象庁は、10月1日より、緊急地震速報の一般への提供を開始した。
緊急地震速報は、震度5弱以上と予想される大きな地震が発生した際に、地震の規模や震源地を予測し警告する。具体的には、地震が発生した際に、震源から先に到達するP波(縦波)の小さな揺れを検知し、遅れて到達するS波(横波)の大きな揺れを警告する仕組み。
緊急地震速報は、大きな揺れの数秒から数十秒前に警告される。速報から地震波到達までの時間が短いため、速報を見た場合は身の安全を確保することが推奨されている。
なお、直下型地震など震源が近い地域では、地震速報の前にS波が到達して大きく揺れる可能性がある。また、予測震度と実際の震度の間にはプラスマイナス1の誤差がある。
緊急地震速報は、TV/ラジオ放送局、防災行政無線、携帯電話、公共施設の館内放送などを経由して提供される。
まず、10月1日から、NHKが、全国に対し、TV/ラジオの全チャンネルを使用した緊急地震速報を提供する。TVでは、特定のチャイムが鳴るとともに、放送中の画面にスーパーインポーズで警告が放送される。ラジオの場合は、放送が中断され、音声による速報が放送される。
なお、すでに実施されている「緊急警報放送」とは異なり、自動的にTVやラジオの電源が入ることはない。
緊急地震速報については、警報の仕組みへの理解や、受けた際の対応方法の周知などが必要とされている。これらの広報活動が進むにつれて、NHK以外の媒体についても順次普及が進むと思われる。
また、気象庁の緊急地震速報を直接受けて警告するシステムも発表されており、業務用を中心に関連製品の登場が期待される。
■URL
気象庁
http://www.jma.go.jp/
緊急地震速報について
http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/EEW/kaisetsu/index.html
NHKの緊急地震速報に関する解説
http://www.nhk.or.jp/bousai/
■ 関連記事
・ サンシャイン、地震の発生を事前に知らせる警報システム(2007/06/27)
■URL
NEC、緊急地震速報のPC表示用ソフト「震前大使」(PC)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0802/nec.htm
携帯各社、「緊急地震速報」を携帯に一斉配信するシステム開発(ケータイ)
http://k-tai.impress.co.jp/cda/news/2007/05/30/34757.html
( 本誌:伊達 浩二 )
2007/10/01 15:39
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