三洋電機は27日、中国電機メーカー大手のハイアール(中国海爾集団公司)と、冷蔵庫の設計・開発を行なう合弁会社を設立すると発表した。会社名は「ハイアール三洋株式会社(仮称)」で、設立予定日は12月8日。資本金は5億円で、三洋が40%、ハイアールが60%を出資する。新会社の本社所在地は未定。
両者は2002年から包括的提携を結び、販売ルートの共通化や共同企画製品の開発などに取り組んでいたが、今回はさらに一歩踏み込み、合弁会社を設立して、冷蔵庫の設計・開発現場を統合し、ノウハウの共有やコストダウンを図るのが狙い。新会社は日本、アジアを中心に、世界すべての地域に向けた冷蔵庫の設計、開発を行なう。
今回の提携により、三洋電機の冷蔵庫事業も再編される。これまで、国内向けのハイエンド機を開発・製造していた東京製作所(群馬県)の冷蔵庫部門が新会社へと移転。また、海外拠点の中心だったタイについては、現地法人の株式の大半をハイアール側に譲渡する。新会社の従業員数は約130名と発表されているが、「ほとんどが三洋電機の技術者と聞いている」(広報部)という。
製造拠点は、タイ、ベトナム、米国、インドネシア、台湾の既存工場を共有。新会社設立後も、ハイエンド機を製造する主力拠点は三洋電機が保有していたタイの工場になるという。
今回の提携を結んだ理由について同社広報部は、「冷蔵庫に関しては技術力を持っており、日本でも競争力のある立場にいたが、コスト競争力が経営課題だったのは事実。合弁会社を作り、三洋の技術力に、ハイアールの低コスト運営を組み合わせるのが妥当と判断した」とコメントしている。
なお、両者が2002年に設立した「三洋ハイアール株式会社」は、ハイアール製の商品を国内販売するための販社で、今回設立する「ハイアール三洋株式会社(仮称)」とは、異なる事業領域の会社として、今後も存続する。
■URL
三洋電機株式会社
http://www.sanyo.co.jp/
ニュースリリース
http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0610news-j/1027-2.html
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