ライフステージが変わる春に注目したい 高機能&コンパクトなこだわり家電 戸井田園子が聞く!

 多くの方が新生活を始める春。店頭でも、学生や単身者向けの格安家電セットがディスプレイされていたり、引っ越しを機に購入するファミリー向けの高機能な家電が猛プッシュされたりなど、この季節にはおなじみの光景が見られます。

 そんな春の家電製品のトレンドで今年目立つのは、そうした「単機能でコンパクト」と、「高機能で大型」の間の製品として、「高機能でコンパクト」な家電のラインアップが充実している点です。

 ひとり暮らしや、夫婦のみなどの少人数世帯が過半数に達する中で、求められる家電の質はどう変化してきているのでしょうか。今回は、そんな高機能でコンパクトな家電の例として炊飯器と電子レンジを例に、その背景を探りたいと思います。

実は過半数の家庭で1回の炊飯量は2.5合以下※東芝調べ
「ハイエンドでも小容量」の炊飯器が生まれたワケ

東芝から発売された2.5合炊きという小容量のIHかまど炊飯器「RC-4ZWJ」

 炊飯器と言えば、市場を見渡すと各社とも最上位モデルは5.5合炊きが一般的のように思われます。炊飯器の新製品は毎年新米シーズンである秋に集中。ここ数年進む高級化のトレンドは2015年も続き、内釜は昔ながらのかまど炊きで使われる“羽釜”を模したメーカーが増える傾向にあります。

 そんな高級炊飯器が席巻する市場で目立つのが、小容量の高級炊飯器の存在感です。今回お話を伺った東芝ホームテクノ株式会社の川元順子氏(以下、川元氏)によると、炊飯器の需要は年間約530万台(東芝調べ)。最近は特に小容量の需要が増えているそうです。

 小容量といっても、手頃な価格のマイコンジャー炊飯器ではなく、平均単価の高いIHジャー炊飯器の売上げが増えてきていて、小容量でもおいしさにこだわる方の声が強くなってきているとのこと。

 「実際、弊社が500人ほどの方にアンケートでお聞きしたところ、炊飯器に求めることとして『おいしいご飯が炊ける』『少量でもおいしいご飯が炊ける』『洗う部品が少ない』といった要望が上位でした。弊社でその声に応えて開発したのが“食べきり本羽釜”の『RC-4ZWJ』と『RC4ZPJ』の2つのラインアップです」(川元氏)

“釜仙人”の異名を持つ炊飯器の達人。東芝ホームテクノ株式会社 家電事業統括部 家電商品企画部 調理機器グループ 担当主任 守道 信昭氏
釜仙人ならぬ、“釜専任” 「IHかまど炊飯器」を担当される東芝ホームテクノ株式会社 家電事業統括部 家電商品企画部 調理機器グループ グループ長 川元 順子氏

 東芝ホームテクノが昨年末から販売しているのが、2.5合炊きの高級炊飯器。そもそも高級炊飯器は内釜が大きめで、機能が詰まった上蓋も厚め。結果的に本体が大型化しているのでキッチンに占めるスペースもかなりのものです。

 昨年発売された「RC-4ZWJ」の大きさをはじめて見たときは、その少人数世帯向けのサイズ感になるほどなと感心しました。本格的な羽釜の内釜は、多くのメーカーで5.5合炊きだとかなり重くて扱いが大変ですが、2.5合炊きだと扱いやすい。高齢の方でもラクにおいしいご飯が食べられそうです。

小容量の高級炊飯器の中でも小型の2.5合炊き「RC-4ZPJ」。画像は本体と内釜を同社の5.5合炊き炊き炊飯器と比較したものです

 もともと5.5合炊きのデザインはすっきりしていて好評だったんですが、2.5合サイズになるととても可愛らしく、どんな条件のキッチンにも収まりやすいのが魅力だなと感じました。

意外とキッチンの場所をとる炊飯器。容量がライフスタイルに合うならば、小さいほうが良い

 そもそも、高級炊飯器の本体が大型化した原因は、“もっとおいしく”を追求した結果です。

 たとえば沸騰時に出るうまみ成分の元、「おねば」をお米にどう戻すかはおいしさを左右する重要なポイントの1つで、各社ともさまざまな工夫でこのおねばをお米に戻しています。上蓋の蒸気口におねばを集め、あとでそれをお米に戻したり、東芝のように沸騰のピークを長く保っているケースもあります。こうしたこだわりは、2.5合炊きのシリーズにも取り入れられている、と守道氏は言います。

 「東芝では、大火力のまま沸騰のピークを長くしても吹きこぼれないように、内釜を高くしています。さらに釜底には凹凸をつけて熱対流を促し、強く吹き上げて熱を行き渡らせてうまみ成分を出し切っているわけです。この沸騰を見ていただけると、おねばがよく出ている様子がわかっていただけると思います。」(守道氏)

 東芝の最上位モデルの味をコンパクトサイズでも楽しめれば良いのに、と思っていたので、まさに待望の小釜登場でした! 確かに、釜の底にリング状の凹凸があるため、泡が立ちやすくて良く沸騰しています。さらに、羽から上の高さがあるので、沸騰がし続けられるというのも、納得です!

スケルトン窓のある開発機。連続沸騰でうまみ成分の「おねば」が出てくる様子がよくわかります。水分量が少なくなると、いわゆるカニ穴ができます

 一方で、小容量の高級炊飯器と、5.5合炊きの高級炊飯器で大きく異なる部分は、保温に対する考え方です。高級炊飯器には、長時間保温しても味が落ちないような仕組みにこだわっている製品も多いのですが、小容量の高級炊飯器ではその点が省かれているケースがあります。

 川元氏によると、これは大人数の世帯ではバラバラの時間に食べる家族のために多めに炊いておこうというニーズがあるためで、少人数世帯ではその必要がないので「今、食べるご飯をおいしく食べたい」という希望が多いのだそうです。

 「ユーザーの炊飯量を調査したところ、少人数世帯では1回の炊飯で2合以下の世帯が88%でした。実は5.5合の炊飯器を購入された方のアンケートでも、炊飯量は過半数が2.5合以下なんです。この製品の開発時には、実は2合炊きも考えたんですが、シニア世代の炊飯事情を調査をすると、炊き込みご飯のニーズが高いことがわかりました。最終的に、2合の炊き込みご飯が余裕をもって作れるサイズということで2.5合炊きにしました。小容量でもかまどの炊きあがり、生活に合ったサイズ、健康志向へのこだわりを重視して開発を進めました」(川元氏)

 今年は、多くのメーカーから高級小釜が発売されていたが、基本は3.5または3合炊きなので、2.5合炊きは珍しいな?と思ったけれど、この話を聞いて納得! 炊き込みご飯を考慮して、プラス0.5合されているのは、なかなか心憎い配慮です。

 確かに我が家でも一度に3合以上を炊いていたのは、育ち盛りの男の子がいたときだけで、子どもが巣立ちつつある今は3合が基準になっています。それでも食べきれずに冷凍保存しているので、2.5合は理にかなっていると感じます。

通常の1合カップ(左)のほか、0.5合カップ(右)も付属。少数世帯向けに便利です

 スーパーの店頭でも小分けされた小容量タイプの売れ行きが好調とのこと。毎日いろんな種類のお米を試したり、話題の雑穀米や麦ご飯、玄米などをおいしく食べ分けたりといった楽しみ方に変わってきているのだと思います。東芝でも「麦ご飯コース」が好評だという。麦ごはん特有の臭いやボソボソした食感も、うまく炊くことでそれもかなり抑えられるそうです。

 ちなみに東芝が推奨する麦ごはんの麦の割合は2割だそうで、2合の白米に60gの麦を入れて炊く形。麦ご飯の炊き方については、牛タン・麦めしで有名な「ねぎし」に試食の協力を依頼したというこだわりぶりです。麦ご飯だと、45gごとに小分けされたスティックタイプが一般的なので、1.5合の白米で1本使う計算に。ふたり暮らしにはこの1.5合ぐらいで十分ですね。

「麦ご飯コース」や「玄米コース」では、釜の内側に記された水位で水量を調整します。白米2合を入れ、麦ご飯の水位にあわせてから麦を加えます

 5.5合炊きの炊飯器で0.5合が炊けると言ってもやはり気が引けて、レンジでチンするパックのごはんで済ませてしまうなんて話もよく聞きますが、本心としてはやはり炊きたてのおいしいごはんが食べたいものです。こうしたコンパクトなタイプなら、0.5合や1合でも炊きやすい。利用シーンがイメージできました。

 高性能炊飯器が欲しい人は、ご飯が大好きな証拠。少人数になったので小釜で十分だけど、味に妥協はしたくない! そういう人にとって、白米だけでなく、炊き込みご飯への配慮や、麦飯まで炊けるモードがあるのは、大きな魅力となるはず。まさに、高性能小釜炊飯器が欲しいと思う人のニーズをうまく捉えていると思います。

オーブンレンジの「おまかせ調理」がコンパクトなタイプにも
自動メニューによるお総菜作りができる「石窯ドーム」

東芝ホームテクノ株式会社 家電事業統括部 家電商品企画部 レンジグループ 参事 初川嘉一氏

 高機能コンパクトな製品が増えている例として、もう1つオーブンレンジを紹介したいと思います。

 オーブンレンジは、市場全体を見ても上位機種では過熱水蒸気を搭載しているものが多くなっているように見受けられます。赤外線センサーが進化して食材の状態をより正確に把握できるようになったり、マイクロ波による温め機能が賢くなってムラなく解凍できるモデルが多かったのが昨年の特長でした。

 オーブン、グリル、スチーム、レンジと、オールマイティな調理機器として進化した高級オーブンレンジでは、自動メニューによるおまかせ調理が進化しています。

 これは、高機能でコンパクトなタイプのオーブンレンジでも採用されるようになり、自動メニューの充実した製品が増えてきています。東芝でオーブンレンジを担当する初川氏によると、この流れも炊飯器と同じく少人数世帯が増加したことによるものだそうです。

 「オーブンレンジも状況は炊飯器と同じで、例えばテレビの料理番組では、近年では材料の分量表記が4人分から2人分に変更されているところもあります。弊社でも少人数世帯に使いやすく、高機能でコンパクトな石窯ドームを提供しようと開発を進めました。1月に発売したER-ND200は、そんなコンパクトタイプの最上位クラスという位置づけです。オーブンレンジの豊富な機能をもっと気軽に楽しんでいただきたいという趣旨で開発しました。」(初川氏)

総庫内容量が26LのER-ND200はER-ND500に比べ、高さが6.2cm低いほか、奥行きが7cm薄くなっていることもポイント。前面の大型カラータッチ液晶は、最上位機種には搭載されていないER-ND200だけの機能です

 ER-ND200の場合は、あたため機能はもちろん「過熱水蒸気」のオーブンレンジなので、3種類の充実した解凍方法があるなど、よく使う機能の性能が向上しています。

 設定が少しややこしいという印象があるオーブン機能も、自動メニューは300種類と最上位モデル並みの充実度。さらに、操作パネルは大きな液晶にして操作性をよくしているなど、使ってほしいという意図が感じられます。

 高機能なオーブンレンジは、オールマイティすぎて機能をフルに使いこなせている人は少ないかもしれません。そういう意味では、自動メニューの充実が使いこなしのきっかけになる可能性もあります。

自動メニューの操作画面

 自動メニューは、調理時間などを悩む必要がないので、料理初心者のヤングファミリーや、定年後に料理デビューをしようとするお父さんなどでも、手軽に作れるのが長所です。

 また、ベテラン主婦にとっても、これまで作ったことがない料理にチャレンジして、レパートリーを広げることができます。

 さらに、蒸し器なしで作れる蒸し物メニューもあったりと、ヘルシー志向の方にもおすすめ。自分のオーブンレンジにも自動メニューがあるけれど使ったことがない、という方にはぜひ使ってほしい機能です。

 こうした高機能オーブンレンジについては、各社ともオーブン機能がかなり進化していますが、特に東芝のオーブンレンジはオーブン機能に定評があります。

 初川さんによると「このER-ND200は、このクラスでは上下ヒーターの最高温度が270℃の高温オーブンですので、パンやお菓子作りも得意です。遠赤外線による『石窯ドーム構造』の効果もありグリル料理も得意ですし、200℃までの予熱が約11分で立ち上がる、その早さもポイントです」とのこと。

 さらに、この庫内と付属している角皿は汚れがとれやすい「とれちゃうコート」のため、お手入れもしやすくなっているそうです!

 これなら、小さいお子さんが居るヤングファミリーで、これからお子さんと一緒にお菓子作りをしたいというご家庭にも、オーブン料理を得意としているベテラン主婦でも、満足してもらえそうです!

 また、お手入れが簡単なのも重要なポイント。頻繁に使うようになるか否かは、やはりお手入れまで含めて使いやすいかどうかが肝となります。スペックだけでなく、実際の使用シーンも考えて製品を選ぶことで、長く愛用できるでしょう!

プレートが取り出しやすい間口39cmのワイドタイプ。付属の角皿や庫内は汚れがとれやすい「とれちゃうコート」で手入れも簡単です

 また「自動メニューには焼き物が55種類あります。『あじの干物』など、普段お使いいただきたいメニューが豊富です」(初川氏)

 お料理デビューのお父さんでも、焼きすぎたり焦がしたりせずにおいしい焼き魚ができるのは助かりますね。これなら、奥さんも安心して遊びに出かけられるかも(笑)。

 進化が早いオーブンレンジですが、実は高級炊飯器よりも大型化が顕著です。元々大きいものなので設置場所の問題は切実で、置き場所がなくて最上位機種をあきらめるというケースも少なくありません。東芝でも、コンパクトな26Lのクラスにはすでにラインアップがある中で、あえて高機能な製品を投入しています。

31Lの上位機種ER-ND500(左)と、ER-ND200(右)の設置寸法の差。最上位機種のER-ND500は、左右や背面を壁面にぴったり設置できるため、前から見ると設置面積はそれほど大きく感じないのですが、奥行きの差はかなりあります

 「弊社のオーブンレンジの場合は、庫内を広くしてほしいというニーズが多いため、ER-ND200の横幅はER-ND500とほぼ同じです。ですが、奥行きは一般的なダイニングボードのサイズに合わせ39.5cmと約7cm薄くし、高さも6cm以上低くしています。調理は1段ですが、平面ヒーターなどの使いやすさを犠牲にしないようにしているのもこだわりです」(初川氏)

 実はER-ND200を正面写真で見たときは、コンパクトといってもそれほど差を感じなかったのですが、実物を見ると奥行きはずいぶん違いました。

 食器棚やダイニングボードは、奥行きが40cm、もしくは45cmのタイプが多く、どのメーカーも最上位機種だと“あとちょっと”食器棚の深さが足りなくて、オーブンレンジが出っ張ってしまうことがよくあります。そのため、下部の引き出しが深型で奥行き50cmのダイニングボードを選ばざるをえなくなってしまうわけです。この5cmで選べるデザインがかなり限られてくるので、ER-ND200の奥行きにはなるほどと感心させられました。

キッチンに置く食器棚やダイニングボードは、奥行き45cmと50cmで選べるデザインにかなり差が出ます。スリムタイプのダイニングボードを選ぶしかない狭いキッチンでは、設置できるオーブンレンジも限定されますが、ER-ND200は奥行き39.5cmなので大丈夫

 そもそも、少人数世帯では一軒家ではなくマンション暮らしの方も多いでしょう。そうなるとキッチンの広さに限りがあり、前述の薄型ダイニングボードを選ぶことも多いと思います。高機能でコンパクトなオーブンレンジは、そのようなキッチンでもオーブンやグリルの機能を使いたいというニーズにぴったりです。

高機能コンパクトな調理家電で実現する、ライフスタイルに合ったメニュー作り

RC-4ZWJがずらりと並んだ東芝の開発室で、釜専任? の川元氏から実際の炊きあがりについて詳しくお聞きしました

 最後に東芝から、少人数世帯におすすめしたい「コンパクト製品を活用して実現できる、おいしい暮らし」を提案していただきました。

 さまざまな炊飯コースを搭載した炊飯器と多機能なオーブンレンジを使った、簡単な3つのコンセプトの紹介です。オーブンレンジでの干物焼き、ふっくらした麦ごはん、失敗知らずの本格ディナーなどさまざまな組み合わせに、使いこなしたときのメニューの広がりを感じました。

【簡単朝食セット】
実は炊飯器で作る方が簡単な「おかゆ」。このほか玄米コースも搭載
大火力でないとうまく焼けない干物も、ジューシーでこんがりとした仕上がりに。両面がこんがり焼けるよう、途中一度だけひっくり返す必要があります
朝ご飯におすすめの、おかゆとあじの干物のセットです
【健康ごはんセット】
麦ご飯コースの炊きあがり。ぱさぱさせず、麦までふっくら炊けていました
健康志向の方におすすめの、「麦ごはん」と「にんじんとセロリの和え物」です。ふっくらと炊けている麦ご飯が印象的
【お手軽ディナーセット】
白米の炊きあがり。内釜の中に「おねば」が広がっているのが見えます
自動メニューの1つ「豚肉のピッツァ焼き」を実際に作ってみました
調理といっても具を切って角皿に並べるだけ。子どもでも簡単にできそうです
先にメニューを選んで予熱しておけば、具材を用意している間に準備完了。セットしたらスタートボタンを押して仕上がりを待つだけです
こんがり焦げめの付いたジューシーな仕上がり。中までしっかり熱が入っていました
ふっくらした白米と、自動メニューで調理した「豚肉のピッツァ焼き」のセット。火加減で悩まなくてすむ、料理初心者でも失敗知らずの安心メニューです
実際に調理したメニューを試食。白米や麦飯、干物や豚肉のピッツァ焼きを美味しくいただきました

 ER-ND200は、コンパクトながらもファミリーで使えるサイズのため、自動メニューには4人分と2人分のものがあるとのこと。4人分のものを2人分で作る場合も、仕上がりなどで調整するだけでほぼ問題ないそうです。

 実際に自動メニューを作る作業を体験しましたが、セットしてしまえばできあがるまでその場を離れ、他の作業ができる便利さを再確認できました。火加減による失敗がまずないので、料理をはじめたばかりという方でも安心です。

 高機能コンパクトの炊飯器と電子レンジの背景について探りましたが、いろいろな場面で、開発者の「本当はここまでできる」という製品としての最大の性能と、実際に「こういう住環境で使いたい」という使い勝手とのバランスに悩む姿が垣間見られました。

 これまでの単身者や少人数世帯に用意されていたコンパクトで単機能な製品ではなく、「おいしさや機能も妥協したくない」という声に合わせたラインアップ作りに手探りでチャレンジしているようです。

 実際、子どもが巣立って夫婦ふたりだけになり、郊外の一軒家を売って都心のマンションに移り住んだ、という話をよく聞くようになりました。そんな方々は、一軒家で使っていたようなファミリー向けの大型家電はもう必要ないけれど、一度使った便利さやおいしさは妥協したくないものです。

 また、新婚夫婦や子供のいるヤングファミリーにとっても、コンパクト&高性能は、住宅の事情にマッチしていると言えそうです。最上位機種と同じことはできなくていいけれど、ちょうどいいサイズで、そこそこの機能を使いたい。そんなニーズに合わせた高機能コンパクトのラインアップは、今後のスタンダードの1つとして定着していくだろうと確信できました。