パナソニック電工、日本人女性の肌をきれいにみせるLED照明

~「美光色シリーズ」として来年春にも発売へ
左が従来のLED照明、右が日本人の肌色をきれいに見せる「美光色LED」

 パナソニック電工は、LEDの波長制御応用技術により、日本人の肌の色をより美しく見せることができるLED照明技術を開発。来年春から「美光色シリーズ」の名称で商品化する計画を明らかにした。

 パナソニックでは、「PS(Preference Index of Skin Color)」と呼ぶ、肌の色の好ましさを評価する独自の指標を持つ。日本人女性を対象に評価実験を行った結果、人がイメージするきれいな肌の色が、特定の色に集約できることが判明。理想的な肌の色と実際の肌の色のずれを数値化し、肌の見え方を適切に評価することができるものだ。

 「肌のくすみが目立つ原因となるのは570~580nmの波長。これを制御することで、肌の色を美しくみせることができる」という。

 血液は570~580nmの波長成分の反射率が低く、メラニンの反射率の影響度合いが交差するという調査結果があるという。メラニンが多いほど、肌の色は黒くみえるため、この波長域での光成分を制御することで、メラニンの色素を押さえることができるという。

 「美光色LED」は、色ムラを抑制するために、LEDチップと蛍光体との配合や、発光部の形状を最適化することで開発。パナソニックグループが持つ「光応用・光ソフト技術」を活用することで、肌のくすみが目立つ原因となるLED光の波長を抑制し、PS値が100に近いほど再現性は高くなるため、今回の技術では「PS95」という高い値を実現している。

従来のLED照明に比べて美光色LEDはモノもきれいにみせることができる肌のくすみが目立つ原因となる570~580nm前後の波長を制御する

 また、基準となる光に対して色の再現性を評価する平均演色評価数の指数であるRaにおいても、「Ra95」という高い値を達成したという。

 従来の同社LED照明製品では、PSが「PS83」、Raが「Ra85」といった値に留まっており、新たな美光色シリーズでは、肌の色をきれいにみせるだけでなく、被照射物本来の色を忠実に再現できるとしている。

美光色LEDの試作品

 同社では、高い演出性が求められる店舗空間での採用などを想定しており、なかでも化粧品売場やアクセサリー売場、フィッティングルーム、パウダールームなどへの提案を行なっていく考えだ。

 「鏡を見て、実際に手肌につけて試すといった店舗での利用が想定されるが、アパレルや百貨店などでの導入も期待でき、店舗市場全体へ展開していく考え。商業施設、店舗空間の価値を高めることができるLED照明になる」としている。

ユニバーサルダウンライト、スポットライトなどの製品化を予定

 具体的な製品ラインアップについては明らかにしていないが、店舗全般で利用できる品揃えを予定しており、ダウンライトやユニバーサルダウンライト、スポットライトなどの製品化が計画されている。







(大河原 克行)

2011年11月9日 11:30