三洋電機本社から「SANYO」の看板を撤去

~25日から「Panasonic」のロゴを掲示
大阪府守口市の三洋電機本社

 大阪府守口市の三洋電機本社の「SANYO」のロゴマークの撤去作業が、2011年12月23日に行われ、25日には「Panasonic」のロゴマークが新たに掲げられた。

 三洋電機は法人格を残すものの、事業体制は2012年1月1日から、パナソニックへ一本化。それを前に、三洋電機本社社屋のロゴを、Panasonicに統一したもので、関係者や報道関係者が見守るなか作業が進められた。

 三洋電機の現在の本社は、1999年8月に立て替えられたもので、それ以来、現在の「SANYO」のロゴが掲げられてきた。三洋電機は、1951年に、この地に移転しており、これまでは三洋電機本社第一ビルとしていたが、今後は三洋電機守口第1ビルと呼ぶことになる。

 撤去したロゴは、9階建ての同本社の9階上部に、縦3m、横9.3mの大きさで設置されていた。作業を行なった関係者によると、1文字あたりの重量は50~60kgに達するとしている。

 12月23日は、午前8時ごろから撤去作業の準備が始まり、午後4時30分過ぎには撤去作業が完了した。

 作業は約10人のスタッフで進められ、本社第一ビル壁面のロゴのほか、三洋電機第二本社ビルなどの周辺建物に掲示されていたロゴ、本社入口部の看板のロゴ、案内表示などもPanasonicのロゴが入ったものに変更された。

 買い物の途中にロゴの撤去をみかけ、急いで自宅からカメラを持って駆け付けた三洋電機OBは、「覚悟をしていたことではあるが、自分が働いていた場所からSANYOのロゴが消えるのはやはり寂しい」といった声が聞かれた。

 写真で、作業の様子を追ってみた。

クレーン車は午前8時過ぎに準備が完了午前8時30分、撤去作業用のゴンドラをトラックから降ろす8時50分に作業に利用する工具などを屋上にクレーンで持ち上げる
ゴンドラを吊るすための固定作業の様子屋上から準備が進んでいることが地上の作業者に対してサインで送られていた午前10時から作業用のゴンドラを上昇
ゴンドラが上昇していく。約5分をかけてゆっくり上昇横からみると、ロゴが電飾用の配管やボルトで固定されているのがわかる10時13分からロゴの撤去作業がはじまった
まずは外枠を外す。文字のなかには中は電飾が入っているが、東日本大震災以降、消灯していた10時29分に外枠の撤去が完了。ここから固定しているボルトを外す作業となるSの文字にロープを巻きつけて撤去を開始
10時45分、クレーンで吊るされるSANYOの「S」静かにSの文字が降ろされていく地上に降ろされたSの文字。降ろしてみるとかなり大きいのがわかる
ロープを外す工事関係者によると文字ひとつの重量は50~60kgだという続いてAの文字の撤去作業がはじまる
Aの文字をクレーンで降ろしているところ
11時21分にAの文字が撤去されるAの文字がSの文字の上に積み重ねられる
続いて最も大きいNの文字の作業を開始する12時24分、Nの文字をクレーンで降ろす降ろされたNの文字
Nの文字が、SとAの文字の上に積み上げられる午前の作業はS、A、Nの3文字を撤去して終了。ゴンドラが降りてくるゴンドラには外枠が積み込まれていた
午前中に撤去されたロゴSANが撤去された状態ロゴを撤去したあとには電飾用の配線管が残る。午後の作業は「SAN」の文字のあとに残された電飾用の配管やボルトなどの撤去からはじまった
撤去された電飾用の配管撤去されたロゴのなかの電飾管。約12年にわたって使用されていた壁面への固定に使われていたと思われる部分
残された「YO」の文字。ゴンドラを吊る位置も移動させている15時からYの文字の撤去を開始する15時25分にYの文字が降ろされる
地上に降ろされたYの文字最後にOの文字の撤去がはじまる15時48分にOの文字がクレーンで吊るされる
これですべての文字が地上に降ろされたロゴが撤去された状態の三洋電機本社
本社入口の看板は、この日にひと足先にパナソニックの看板に付け替えられた
本社入口の看板の作業の様子三洋電機の文字がはがされていくロゴマークを取り外していく
完全に取り外された状態この上に新たな看板を取り付けるため、油分などを除去新たに取り付けられるパナソニックのロゴが入った三洋電機の看板
取り付け作業を開始する取りつけ後の看板
午前9時10分から、本社まわりの看板から三洋電機の文字がはがされるブルーの色は保護用のカバー名称は、三洋電機本社第一ビルから、三洋電機守口第1ビルに変わった

「Panasonic」のロゴ看板は強風のため、「Pan」までで中断

取り付けのために準備されたPanasonicのロゴマーク

 一方、12月25日には、パナソニックのロゴを取り付ける作業が始まった。午前8時前には作業準備が完了。午後8時30分には、最初の文字となる「P」の取り付け作業が開始された。

 前日の夕方までにロゴ設置用のボルトを固定する作業を完了しており、この日はロゴの取り付け作業だけとなった。

 「Panasonic」のロゴは縦2m、横13.4mの大きさで、横幅は「SANYO」のロゴよりも、4mほど長くなる。そのため、SANYOのロゴでは、作業に使用するゴンドラの場所を一度移動させるだけに留まったが、Panasonicのロゴの取り付けではゴンドラの場所を2回動かし、「Pan」、「aso」、「nic」の3回にわけて取り付けることになる。

 また、Panasonicの文字数は9文字だが、「P」の文字が「I」の部分と、「)」の部分とに分かれるほか、「i」が上下に2つに分かれているため、全部で11個のパーツを取り付ける。さらに、土台側と、カバー側に分かれるため、これを含めると全部で22個のパーツを取り付けることになる。

 なお、SANYOのロゴマークは電飾となっていたが、新たなPanasonicのロゴマークは、今回の取り付け段階では電飾とはしていない。そのため、夜間も点灯することはない。しかし、必要に応じて電飾とすることが可能な設計になっており、再度、工事をすれば比較的容易に電飾看板にすることもできるという。

 作業は午前中までに「Pan」の3文字まで取り付けられたが、午後の作業を開始する時点で横風が強くなり、ゴンドラを安全に上昇させられないと判断して、作業を一時中断。その後、風が弱まるのを待ったが、午後5時に、やむなくこの日の作業を中止することを決定した。

 残りの文字の取り付けについては、玄関部に大型クレーンを設置する必要があるため、三洋電機の仕事納めを待って、12月29日以降に取り付けられることになる。

 また、この日、Panの文字を布などで覆う作業もできなかったため、29日以降に作業が開始されるまで、「Pan」の3文字だけが掲示されたまま残ることになる。

 12月25日のPanasonicのロゴマークの取り付け作業の様子を写真で追った。

一文字ずつが土台部とカバー部とがセットになって現場に到着土台部は電飾が取り付けられるような設計になっているが、なかには電飾管はない
8時30分にはPの文字の取り付けを開始。まずは左側部分から設置を開始した8時45分にPの文字の右側部分の取り付けを開始
続いてaの文字の取り付けかと思われたが、一度引き上げたものの、加工処理が必要となり地上に降ろすaの文字にドリルで加工をはじめる9時8分に、先にnの文字をクレーンで引き上げて取り付けを開始
9時24分には再びaの文字が引き上げられる9時50分、Panのベース部分が完了する。ゴンドラが一度降りてくる10時6分には3文字分のカバー部を乗せたゴンドラが上昇する
10時12分、まずは真ん中のaから青いカバーをつける続いて10時25分にはPの左側部分の取り付けを開始10時34分にはPの右側部分の取り付けを開始
そしてnの部分の取り付けが完了したこのあと、ロゴを取り外した際の壁面のタイルの傷などを修復
午後の作業では、先にカバー部をゴンドラに乗せた。これだと土台部を設置後、一度ゴンドラを降ろさなくて済む13時30分からゴンドラを上昇させようとしたが風が強く、一時作業を中断その後、風がやむのを待ったが午後5時にこの日の作業の中止を決定。残りの文字は、三洋電機の仕事納めを待って、12月29日以降に取り付けられることになる。風が強く文字を覆う作業もできず、Panの文字のまま、29日まで残る
本社第二ビルの「S」だけが前日までの作業で残っており、これを25日午前に撤収取り外された本社第二ビルのSの文字本社第二ビルに設置されていたLEDサイン分電器も撤収した




(大河原 克行)

2011年12月26日 12:21