シャープ、実売3千円台からの“戦略価格”LED電球

~60W/40Wタイプを全9種類。リモコンで光の色を変える機種も


 シャープは、同社初のLED電球「600シリーズ」「400シリーズ」9機種を7月15日に発売する。価格はすべてオープンプライス。ラインナップは以下の表の通り。
リモコンで調色・調光できる「DL-L60AV」600シリーズで調光器に対応した「DL-L60A」。左が昼白色タイプで、右が電球色タイプこちらは調光器に非対応の「DL-L601」

400シリーズで調光器に対応した「DL-L40A」調光器に対応しない「DL-L401」製品パッケージ

【600シリーズ】
型番DL-L60AVDL-L60ANDL-L60ALDL-L601NDL-L601L
調色/調光----
調光器対応---
光色電球色~昼白色相当昼白色相当電球色相当昼白色相当電球色相当
色温度2,800~5,000K5,000K2,800K5,000K2,800K
全光束300~450lm520lm330lm560lm360lm
消費電力8.2W8.6W7.5W
重量170g158g
サイズ60×114mm(直径×高さ)
寿命40,000時間
口金E26
店頭予想価格8,000円前後5,500円前後4,000円前後

【400シリーズ】
型番DL-L40ANDL-L40ALDL-L401NDL-L401L
調光器対応--
光色昼白色相当電球色相当昼白色相当電球色相当
色温度5,000K2,800K5,000K2,800K
全光束340lm235lm340lm235lm
消費電力5.8W4.1W
重量118g
サイズ60×109mm(直径×高さ)
寿命40,000時間
口金E26
店頭予想価格5,400円前後3,900円前後

LEDならではの省エネ長寿命。最上位モデルはリモコンで調光と“調色”を実現

 600/400シリーズは、一般家庭で幅広く使用されているE26口金に取り付けられるLED電球シリーズで、600シリーズは白熱電球60Wタイプ、400シリーズは40Wタイプに相当する。一般家庭向けではシャープで初の照明器具となる。

 全製品とも、省エネ性能と長寿命というLEDならではの特徴を備えている。消費電力は400シリーズでは最小で4.1W、600シリーズでは最小7.5Wとなり、電気料金1円分でそれぞれ約11時間、約6時間使用できるという。また、定格寿命は白熱電球の約40倍に当たる40,000時間となり、1日10時間の使用でも10年間取替えが不要だという。

LED電球ということで、高い省エネ性が特徴。DL-L401なら、電気代1円で11時間点灯できる計算となる寿命は白熱電球の約40倍となる約40,000時間

 フラッグシップモデルの「DL-L60AV」は、付属のリモコンを操作して、光の色を電球色から昼白色まで段階的に変えられる“調色”機能を、業界ではじめて備えた。これは、本体内に搭載された2種類のLEDの明るさの比率を変えることで、色を変えるというもの。例えば読書や勉強時は明るい昼白色に、食事やリラックス時には温かみのある電球色に切り替えるなど、場面によって好みの色をリモコン操作で選択できる。

 さらに、明るめ/暗めといった調光も備えているため、色と合わせて多彩な空間演出が可能となる。なお、調色・調光ともに切り替えは7段階で、合計49パターンが演出できる。調光器は不要。

調光・調色時のデモ製品単独での調光・調色時のデモ

くつろぎたいときは電球色に、仕事をする場合には昼白色……といった具合に、暮らしの場面ごとに合った色が得られる夏には涼しげな色の昼白色、冬には暖色系の電球色というように、季節によっても変えて使用できる
就寝時なら、リモコン操作で寝ながら照度を落とせる調光・調色を組み合わせて、全49パターンの明かりが演出できる


 また、600シリーズで昼白色相当の「DL-L601N」では、“業界トップクラスの明るさ”という560lmの明るさとなっている。

 ところで、LEDは光が直線的に進む性質が強い点光源だが、ライトのガラスの内部には拡散塗料が塗られているため、均一感のある上質な明かりが実現できるという。

 このほか、本体サイズは60×114mm(直径×高さ。400シリーズは高さが109mm)と、白熱電球に近い形状を採用。現在白熱電球を取り付けている既存の器具にも交換しやすくなっている。

DL-L60AVでは、演色性の高いLEDを採用し、物本来の自然な色が表現できるという。白熱電球に近い形状とした
DL-L601Nでは、業界「トップクラス」の560lmを実現LEDのため、紫外線も赤外線も放出されない。そのため虫は寄り付かず、熱がこもることも少ない

調光器に対応した「DL-L60AN」を調光しているところ


価格は3千円台から。“戦略的”で“本当に思いきった価格”


 600/400シリーズは、比較的購入しやすい価格も特徴。現在、白熱電球との置き換えを狙ったLED電球は、実売価格は8千円程度のものが多かった。しかし、今回の600/400シリーズは、価格はすべてオープンプライスだが、店頭予想価格はDL-L601/L401が3,900円/4,000円前後と、5千円を割る価格設定となっている。

 価格について、健康・環境システム事業本部 LED照明事業推進センター 副所長の桃井恒浩氏は「我々は後発メーカーということもあるため、ある程度は戦略的な価格を取りたい」と、その理由を話した。また、執行役員 健康・環境システム事業本部長 高橋興三氏も「当社としても、本当に思い切った価格」とコメントし、続けて「地道に積み上げた生産方式や管理コストの削減など、あらゆるところに配慮して、今回の価格に挑戦している」と、価格を抑えるための取り組みについて語った。

 

シャープ 執行役員 健康・環境システム事業本部長 高橋興三氏シャープ 健康・環境システム事業本部 LED照明事業推進センター 副所長 桃井恒浩氏
 


(正藤 慶一)

2009年6月11日 17:36