長期レビュー
富士通ゼネラル「nocria(ノクリア) Xシリーズ」
富士通ゼネラル「nocria(ノクリア) Xシリーズ」 最終回
~電気代はグラフとカレンダーで一発管理!
(2013/6/27 00:00)
ダブルファンで快適性を追求したXシリーズ
富士通ゼネラルのエアコン「nocria(ノクリア) Xシリーズ」のレポートをお伝えしている。Xシリーズは、一般的なエアコンの送風口とは別に、両サイドにファンを設けることで、室内の気流を効率的にコントロール、より快適な空間を作り出すというエアコン。両サイドにファンのついた独特の外観で、注目を集めている。
1回目では、その独特の機構による快適性について、2回目は電波式で、センサー搭載というこれまた新しい機構を搭載したリモコンについてご紹介した。
最終回となる今回は、これからの季節気になるエアコンの電気代と、エアコンにつきもののお手入れについてレポートしよう。
メーカー名 | 富士通ゼネラル |
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製品名 | nocria(ノクリア) Xシリーズ 18畳用「AS-X56C2」 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | ビックカメラ.com |
購入価格 | 228,000円 |
電気代はパソコンで一発管理!
日本の多くの地域で、夏の間一番電気代がかかる製品と言えば、エアコンだろう。我が家も毎年、7月から9月の間は普段の1.5倍以上の電気代がかかる。温度設定を低めにしたり、こまめにオンオフをしたり、なんとか電気代を少しでも安くしたいとは思っているが、なかなか難しい。というのも電気代を安くするための方法は分かっているものの、結果が分かりにくく、あれだけ頑張ったからこれだけ安くなったという成果がわかりにくいのだ。
しかし、Xシリーズでは違う。
日ごと、月ごとの電気代をパソコンで一発管理できる。インターネットに接続する必要はなく、リモコンとパソコンを接続するだけでOKだ。やり方は簡単。まず、本体購入時に付属するCD-ROM“教えて「ノクリア」”をパソコンにインストール。ソフトを起動したら、付属のリモコンとパソコンをUSBケーブルで接続。たったこれだけの動作で、Xシリーズで使った電気代をカレンダーあるいはグラフで表示できる。
最近ではスマートフォンからエアコンを始めとする家電製品を操作・管理できるという製品も登場しているが、それに比べても教えてノクリアの使い勝手は優れていると感じた。まず、最大のポイントはインターネットに接続しなくても使えるということ。
前回も説明したとおり、Xシリーズのリモコンは、電波式を採用している。リモコンは操作データをエアコン本体に送っているが、逆にエアコン本体は蓄積されている電気代や運転時間といったデータをリモコンに送信している。リモコンとパソコンをつなぐだけで、電気代が管理できるのだ。
そのため、インターネットを利用した管理サービスのようにメーカー指定の会員サイトに登録したり、ログインする必要がなく、手軽にスタートできる。自宅でパソコンを使っているついでに、「そういえばエアコンの電気代どうなっているかな」とすぐに確認できる。1カ月の概算電気代も表示されるので、家計簿の項目に「エアコンの電気代」という項目を作ることもできるだろう。
また、機能が複雑すぎないという点も好印象だ。基本的には、カレンダーやグラフでの電気代管理がメインで、操作もごくシンプル。
なお、今回はリビングに1台のみを設置して使っているが、富士通ゼネラルのnocriaシリーズでは、電波式リモコンを使って1台のリモコンで複数台のエアコンを操作できる。“教えて「ノクリア」”でも複数台のエアコンの電気代を一括表示して、リビングのエアコンの電気代と寝室の電気代を比較するなんてことも可能だ。
ちなみに、Xシリーズのリモコンでは、運転を切るたびに当日の概算電気代と、前日の電気代が表示される。毎日の電気代はリモコンで、月単位の電気代は“教えて「ノクリア」”で、という風に使い分けるのも良いだろう。
2週間に1回のフィルター掃除はマスト!
次にエアコンにはつきもののメンテナンスについて見ていこう。最近の上位機種のエアコンでは、フィルターを自動で掃除する機能が一般的だが、Xシリーズに関していうと、フィルター自動掃除機能はついていない。フィルター掃除は自分でしなければならない。頻度は自動掃除機機能がついていない一般的なエアコンと同じで、2週間に1回。掃除箇所は、中央の送風口に設けられているフィルターに加えて、両サイドの送風ファンのフィルターも手入れが必要だ。
掃除自体は、それほど難しいものではない。フィルターを取り出して、ホコリを掃除機で吸う、あるいは汚れが気になる時は水洗いするだけ。中央の送風口に設けられているフィルターはごく一般的な配置で迷うことはないし、サイドファンのフィルターは横からそのまま取り出せる構造で、慣れれば5分もかからずに手入れできるだろう。
フィルター自動掃除機能が付いているエアコンに比べて確かに手間はかかるが、内部構造が比較的シンプルで、お手入れしやすい点は好印象。ただし、くれぐれも手入れはまめに行なうようにしよう。いかに省エネ性能が高い製品を選んでも、手入れをしないと、性能は落ちてしまう。マメに手入れするということも、節電につながる行動のひとつだ。
その他、お手入れ機能として搭載されているのは、運転後に行なわれる「内部クリーン運転」だ。これは、冷房や除湿運転を停止したあとに、自動で働く運転で、冷房や除湿運転によって、結露した内部ユニットを取るために行なうもの。送風運転と微弱の暖房運転を行なうので、吹き出し口からはやや暖かい風が吹き出す。約90分という長い運転時間なので、夏の日中などは不快に感じるかもしれないが、この運転は手動で止められる。私の場合、就寝中や外出中に行なうようにしている。
快適性を追求した1台
「nocria(ノクリア) Xシリーズ」について、3回に渡ってご紹介してきたが、いかがだったろうか。最初は、そのユニークな形と機構に惹かれて購入した製品だったが、使ってみると、快適性、使い勝手ともに、大満足の製品だ。
特に快適性に関しては、本当に太鼓判を押したい。自宅に設置して、初めてスイッチを入れた瞬間に違いを感じることができた。サイドのファンが、室内の空気をしっかり攪拌してくれるので、冷風をすぐに感じることができる。
仕事柄、扇風機やサーキュレーターとエアコンを組み合わせて使うと、効率的であるとか、室内の空気が循環するということは知っていたが、正直にいうと、イマイチ組み合わせ方や使い方がわからなかった。今回Xシリーズを使ってみて初めて、「あー、冷風と送風を効率よく組み合わせると、空調はここまで快適になるんだ」と思い知った気分だ。
特におすすめしたいのは、我が家のような共働き夫婦の家庭。昼間誰も家にいないので、夏の夜自宅に帰宅すると、室内に熱気がこもっていて、一気に汗だくになってしまう。Xシリーズなら、そういった不快な環境をすぐに快適にしてくれる。中央の送風口に加えて、サイドファンでもしっかり送風してくれるので、暑がりの人にもオススメだ。
東日本大震災以降の節電で、ここ数年の夏は「我慢」するのが当たり前だった。しかし、本来エアコンとは、室内の空気を快適に調整するものであって、暑さを我慢しながら使うものではない。nocria Xシリーズは、独自の構造によって、省エネ性だけではなく、エアコンの基本機能である快適性を追求した1台だ。