【グッドデザインエキスポ2010】
ダイキンの海外向け薄型エアコンなど、個性的な空調機器

 グッドデザイン賞の候補作品約2,000点を展示する「グッドデザインエキスポ2010」が、27日、東京ビッグサイトで開幕した。会期は29日まで。開催時間は10時から21時までで、29日は16時で終了。入場料は1,000円。家電Watchでは、会場で公開された家電製品や照明機器、日用雑貨品などを紹介する。

ダイキン、欧州向けにデザインされた超薄型エアコン「EMURA」

ダイキンの欧州向け「EMURA」

 海外向けの家電は、日本のメーカーの製品であっても、国内では見られないようなデザインのものが多い。ダイキン工業の「EMURA」もその1つだ。

 EMURAは欧州向けの家庭用エアコンだが、とても薄い本体が特徴。日本国内で広く普及している壁掛け用エアコンの室内機と比べると、半分ほどの厚みになっている。また、シルバー1色というシンプルなカラーリング、丸みを帯びたサイド部のデザインというのも、あまり日本では見かけられないスタイルだ。

 このEMURAは、ヨーロッパにおけるエアコンと人との関わりを、さまざまな角度から検証することで生まれた製品で、同社では“ザ・ヨーロピアンエアコンディショナー”と称している。素材にはアルミニウムを採用し、独特の丸みを帯びた形状を採用することで、家具のように生活に調和するデザインを狙っているという。

 ダイキンの海外展開に向けた本気度が伝わってくる製品だが、このシンプルでかつスタイリッシュなデザインは、日本で発売しても人気を集めそうだ。

薄型デザインの室内機が特徴。本体デザインもとにかくシンプルヨーロッパにおけるエアコンと人との関わりを検証しており、同社では“ザ・ヨーロピアンエアコンディショナー”と称しているリモコンも英語表記だ

サムスン、光で涼しさと清潔さを演出するエアコン

サムスンのエアコン「AR-CD61CCA」

 韓国の大手家電メーカー・サムスンからは、EMURAとは一転、派手な演出が面白いエアコンが展示されていた。白くコンパクトな室内機が印象的な「AR-CD61CCA」だ。

 AR-CD61CCAには、前面パネルには光を反射するガラス素材が採用されており、これだけでも十分に派手さが感じられる。しかし特徴的なのはここから。運転中はこの前面パネル上に、白い光がキラキラと流れる演出が加えられる。さらに、空気の吹き出し口にはブルーの光が点灯する。見ただけで清潔感と涼しさがが感じられる、面白いエアコンだ。


運転中に、パネル上で光が漂うという演出
風の吹き出し口が青く光り、涼しさを演出する仕様になっているハングル語のリモコン

 また、同じくサムスンでは「AF-T181SZA」という縦置きタイプの大型エアコンも展示されていた。こちらもガラス製の前面パネルを採用し、ボディ部では“夏の夜の蛍”をイメージしたという光が点滅する仕様となっている。

 いずれも現在のところ国内で発売されてはいないが、日本ではここまで見た目に特化したエアコンはないので、話題性は十分にありそうだ。なおグッドデザイン賞のホームページでは、価格についてAR-CD61CCAは9万円、AF-T181SZAは19万円と記載されている。

同じくサムスンの縦置き型エアコン「AF-T181SZA」本体の胴体部には、“夏の夜の蛍”をイメージしたという紫の光が点滅する本体の温度設定表示

パナソニック、加湿空気清浄機「F-VXF35」の世界展開モデル

パナソニックが9月に発売する加湿空気清浄機「うるおいエアーリッチ F-VXF35」(左)。世界共通モデルで、右の「F-VXF35C」は、F-VXF35のカラーのみを変更した中近東向けモデルとなる

 空気清浄機では、パナソニックが9月より発売する加湿空気清浄機「うるおいエアーリッチ F-VXF35」が展示されていた。

 こちらは既にリリース済みの製品で、特に珍しくもないのだが、その隣に、天面の操作パネルが英語で表示された「F-VXF35C」という製品が並んでいたのに気が付いた。

 実はF-VXF35は、グローバル市場にも展開される、世界共通モデルの空気清浄機。中国やアジア、中近東に販売されるが、現地の調査により、各地のユーザー嗜好に合ったカラーが用意される。今回展示されていたF-VXF35Cは、シルバーと黒という“中近東向けカラー”ということになる。

 もちろん、パナソニック独自のイオン技術「ナノイー」の発生機構も搭載している。日本では2009年に爆発的な売り上げを見せたイオン機能付きの加湿空気清浄機だが、世界市場も席巻することになるのだろうか。

F-VXF35の操作パネル部。当たり前だが日本語表記F-VXF35Cでは英語表記となる中国やアジア諸国向けカラーも用意される

フォトフレームとして使える遠赤外線の壁掛けヒーター

ポステルスの壁掛け用ヒーター「SUNNYHEAT」。パネル部がフォトフレームとなっており、好みの絵を表示できる点が特徴だ

 最後に暖房器具を紹介する。ポステルスの壁掛け用ヒーター「SUNNYHEAT」だ。

 壁に掛けて使うパネルヒーターなのだが、パネル部分がフォトフレームとなっている点が特徴。手持ちの写真データをプリントすることもできるという。

 サイズは60×60cm(縦×横)、60×90cm、60×120cmという3パターンに加え、日本オリジナルとして30×30cmのミニサイズも用意される。価格は40,000円~120,000円で、今冬より発売される予定。






(本誌:正藤 慶一)

2010年8月28日 11:52