やじうまミニレビュー

大作商事「マイファンモバイル」

~首元をピンポイントに冷やせる、コンパクトな携帯用ファン
by 片岡 義明


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


大作商事「マイファンモバイル」

 節電が叫ばれる中、夏に向けて注目されているのが扇風機だ。とくにオフィスや店などの公共スペースにおいては、手軽に涼の取れる携帯用の小型扇風機は暑がりな人にとって心強い味方となるだろう。今回はそんな携帯用ファンのひとつ、大作商事の「マイファンモバイル」という製品を紹介しよう。

 


メーカー大作商事
製品名マイファンモバイル
希望小売価格987円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格866円

 

 ネックストラップが付いて首から提げられる携帯用のファンは昔からよくあるが、羽根が剥き出しになっているものが多い。ところがこの「マイファンモバイル」は“シロッコファン”を採用することで、羽根が本体に内蔵されてすっきりとした薄型形状になっている。シロッコファンというのは多数の羽根を高速回転させるタイプのファンで、パソコンのCPUクーラーなどにもよく使われている。

 シロッコファンの搭載により、この扇風機は本体正面から空気を吸い込んで上部に風を送る構造になっている。つまり首にかけた状態で真下から風が当たるというわけだ。これなら使用中に手で持つ必要がなく両手が空くので、パソコンの操作や車の運転などをしながらでも涼を得られる。

パッケージ裏の説明書本体の正面から吸気して上部方向に送風する
吸気口からファンの羽根が見える上部の送風口

 本体サイズは73×26×130mm(幅×奥行き×高さ)。重量は電池込みで160g。カラーは清潔感のあるホワイトで、中のファンまでホワイトで統一されている。手に持った感じは少し大きめの携帯電話に似ており、首にかけてもそれほど邪魔にならない。背面には立てかけるためのスタンドも付いており、スタンドを引き出せば卓上に置くこともできる。

 電池は単三形が3本で、背面のスタンドを引き出してカバーを開けてセットする。電池の種類はとくに指定されておらず、充電式電池の使用を禁止する旨も書かれてはいない。作動時間の目安はおよそ5時間と書かれている。

 ちなみにネックストラップの取付位置は本体の正面から見て右上に位置しており、このまま首からさげると、斜めに傾いて、左側が下がった状態で吊されることになる。最初はなぜ斜めになるようなストラップ位置にしたのか不思議だったが、実際に使ってみて合点がいった。実はシロッコファンの羽根の形状のためか、風向きは本体の真上方向ではなく、少し右上方向に出ている。つまり斜めに吊された状態で風が真上に吹き出す形になる。このことを計算した上での取付位置だと思われる。

吸気口の下にあるスイッチ背面にはスタンドを格納
スタンドを引き出した状態電池をセットするときはスタンドを引き出す

 スイッチはプッシュ式で、指を押し込むと小さく「カチッ」という音が鳴り、ファンが回転し始めた。

 風量については十分涼しいと思う。人間の熱を下げるには首・脇の下・股のいずれかを冷やすのが効果的だとよく言われるが、マイファンモバイルはちょうど首のあたりに集中的に風が当たるせいか余計に涼しく感じる。都内で初の真夏日を記録した6月22日に使ってみたが、ファンを回している間はエアコンを切ってもそれほど暑さを感じなかった。エアコンを動かすにしても、設定温度をふだんよりも高めに上げられる効果は十分にある。

首から提げると本体が斜めに傾く

 また、使用中に両手が空くというのは実に便利だ。羽根が剥き出しではなくカバーに覆われているので衣服やコードを巻き込むような心配もなく、炎天下で荷物の積み卸しするときなど、屋外での活動にも強い味方となるだろう。

 ただし、気になった点もある。まず1つ目は、作動中の風切り音がけっこう大きいこと。この製品の紹介サイトには、電車の車内で椅子に座ってマイファンモバイルを使う男性のイラストが載っているのだが、混んでいる車内で使うのはちょっと気が引ける音量だ。オフィスのように両隣が少し離れている環境で、断続的に使うならば、それほど迷惑にはならないと思う。


風切り音が少々うるさい

 

 もう1つ気になったのが、スタンドの強度だ。小さな樹脂製パーツで耐久性に少し不安があるのに加えて、ツルツルした机の上に置くとファンの動作中に振動で本体が動いてしまうことがあった。消しゴムなどちょっとしたものがあれば動くのを止められるが、できればスタンドの接地面に滑り止めを付けてほしかった。

 近所の大型スーパーの日用品コーナーにはこのマイファンモバイルが大量にワゴン積みされていた。ほかにも置いてある店をいくつか見かけるので、この手の製品としてはけっこう売れているようだ。ファンの音量が大きめなのは少し残念だが、そこに納得できるのであればかなりおすすめである。





2011年 6月 27日   00:00