家電製品ミニレビュー

汚れスッキリ! 歯ぐき爽快! オーラルケアの新習慣に取り入れたいジェットウォッシャー

 近年、世の中のオーラルケアへの意識が高まっている。虫歯はもちろん、歯周病が糖尿病や心臓疾患、肺炎など、様々な病気の引き金になる、という情報が浸透しつつあることも影響しているだろう。

 歯の健康のためにできることとして、歯磨き粉を変えたり、マウスウォッシュを習慣化したり、あるいは歯ブラシを電動歯ブラシに変えるという方法もあるだろう。しかし"口内を洗う"という方法があることをご存じの方は、意外と少ないのではないだろうか。

 そこで今回は、パナソニックから発売された口腔洗浄器「ジェットウォッシャー ドルツ」を紹介したい。

口を洗うという新習慣を提案するパナソニックの口腔洗浄器「ジェットウォッシャー ドルツ EW-DJ71」
メーカー名パナソニック
製品名ジェットウォッシャー ドルツ EW-DJ71
実勢価格15,500円(税抜)

 ジェットウォッシャーは、同社独自の「超音波水流」を採用した口腔洗浄器。歯を磨いた後に使用することで、歯間に詰まった食べかすや、歯ブラシで浮かせた歯周ポケットの汚れを水流で洗い流せるというものだ。つまり口内を洗うと言っても、いわゆる"ぶくぶくぺー"とはワケが違う。

 では口を洗うと何がいいのか。パナソニックによると、37℃の適温に保たれ、食べかすなど栄養も豊富な口の中は細菌が繁殖しやすく、300種類以上・100億個以上の細菌が存在するという。そして、これらは歯周病の原因になりうる。

 そこでポイントとなってくるのが、口の中に栄養、つまり食べかすを残さないこと。歯磨きはもちろん、食べかすを取り除くことが、さらなるオーラルケアにつながるというわけだ。

超音波水流の勢いに圧倒!

 ではさっそく製品を見てみよう。本体サイズは、125×140×280mm(幅×奥行き×高さ)。コンパクトとはいえないが、円柱形のシンプルなデザインで、洗面台に置いても違和感はない。

 裏側にタンクがあり、ここに水が入れられる。天面にボタンがあるが、電源ボタンのほか、水流の強さを調整する+と-のボタンのみで、こちらも非常にシンプル。ハンドルはマグネットで本体に装着できるため、着脱はとてもラクだ。

天面の操作ボタンはごくシンプル
タンクは外して水を入れられる
本体手前にハンドルが装着されている。ホースがバネ状に巻かれているので、もたつかずしまいやすい
ハンドルのスイッチも、ジェットを出すか、止めるかのみとシンプル
ハンドル収納はマグネット式
パッと手を離せばくっつく

 このジェットウォッシャーの特徴となるのが「超音波水流」であり、これを生み出すのが「超音波水流ノズル」だ。ノズル径を途中で絞ることで、水流の中に小さな気泡を生成され、これが弾けることで強力な衝撃波が起こり、汚れを弾き飛ばすという。

ノズルの先端を絞ることで、流速や水圧が変化し、小さな気泡が発生する

 つまりこれは、ノズルの先から噴出する、衝撃波を伴う水を歯のすき間や歯周ポケットに当て、汚れを勢いよく洗い流してしまおうというものだ。では使ってみよう。

タンクに水を入れ、本体にセットする
天面の電源を押すと、本体がガガガガ~と振動し始め、スタンバイ状態に
ハンドルを握り、スイッチをスライドさせると水が噴出する

 電源を入れると、かなり大きな音を立てて振動を始めたので、いきなり水が出るかと驚いて慌てて止めてしまった。しかしハンドルのスイッチを入れるまでは、水は出ない。

 では実際、どのような勢いで水が出るのか、ティッシュペーパーに向けて噴射してみたので、ご覧いただきたい。

 かなりの勢いで水が噴出し、あっという間にティッシュが破れてしまった。次に溜めた水の表面に水流を当ててみたところ、水流の強さのほか、気泡が弾けている様子がよくわかった。

カップに水を溜め、表面に水流を当ててみる
気泡が弾け、まるで沸騰しているかのように泡がボコボコ浮かび上がっている

 また隙間の汚れがどれくらい落ちるのか、ざるにペースト状の調味料を塗り付け、水流を当ててみたところ、ものの数秒ですっかり落ちてしまった。これは汚れ落ちも期待できそうだ。

ざるにペースト状の調味料をこすりつけた
水流を当てるとみるみる落ちていく!
水流が細いため、汚れにピンポイントで当てる時間がかかったが、それでも5秒程度でスッキリ!

歯磨き前に試したら、出るわ出るわ……

 本製品は、歯磨き後の使用を推奨しているが、今回は歯磨き前の口で使ってみた。と言っても、筆者としては、口の中に食べかすが残っている実感はなかったので、「磨かなくてもいいだろう」という軽い気持ちだったのだが。

本体の電源を入れ、ノズルを口に入れてハンドルのスイッチを入れる。手順を間違えると、周りが水浸しになるので要注意だ
すごい勢いで水流が口の中に!
口からこぼれてしまう

 考えればわかることだが、ものすごい勢いで水が入ってくるので、口の中はあっという間に水でいっぱいになる。うっかり口を閉じているとパンパンになってしまうので、口から常に水を垂れ流さないといけない。

 それはともかく、この水流を歯のすき間や歯茎の際に順に当てていくと、なんと食べかすが次々に、水と一緒に出てきてしまった。中には、最後に食べた食事にはなかったような食べかすまで!

 ありがたかったのは、歯間の詰まりがスッキリしたことだ。筆者は歯の一部のすき間が狭く、食事をすると必ず食べかすが詰まる部分がある。それを毎回、歯間ブラシで取り除かないといけないのだが、今回、そんな食べかすも落とせたようだ。

 一通り洗い終わった感想は実に爽快! 食べかすが落ちただけでなく、歯茎が水流でマッサージされたことで、じんわり温まったような感覚もある。いつもは歯磨き後に使っているが、この気持ちよさと達成感は歯磨きだけでは得られないもので、また使おうと思う動機になる。

 問題があるとすれば、ノズルが回りやすいので、歯茎に当てているつもりが、反対を向いてしまっていることがあること、そして口から水を上手に垂れ流すコツを掴まないといけないことだ。上手にやらないと、髪の毛や洋服、床までびしょびしょになってしまうので、出かける前に使うのをためらってしまう。

 しかし長年、このジェットウォッシャー(前モデル)を使っているという編集部スタッフは、実にきれいに水を口から流していたので、きっと慣れの問題だと信じ、新習慣に取り入れてみるつもりだ。オーラルケアをさらにバージョンアップしたい人は、検討してみてはいかがだろう。

替えのノズルを用意して、家族で使ってもOK

田中 真紀子