楽しさと感動を伝え家族の絆を育む「4KビエラDX850」
(2016/06/10)
ここ1年でパナソニックが大きく変化している。最近の新製品は、どこかしら尖った「何か」を持っている。グルメ雑誌などでよく見かける、多角形のレーダーチャートをご存知だろう。
今のパナソニック製品は、チャートの一部が非常に尖っている。洗濯機でいえばデザイン性、ロボット掃除機でいえば性能、冷蔵庫でいえばそれまで常識だったコンプレッサを上部配置に変更したことなどだ。
その中でも尖りかたが尋常ではないのが、先日発売された4Kテレビ「ビエラ」。専門家でなくても違いがハッキリわかる画質、迫力のサウンド。今回のビエラは、際立ちをよりハッキリさせるために、画質重視モデル「DX950」と、音質重視モデル「DX850」をリリースしている。
そんな尖りまくっている「ビエラ」の「DX850」が、なんと我が家にやってきた! 設置する段階から興味津々で見つめていた家族(3世代)とともに堪能しまくった、DX850の魅力をお伝えしよう。
音に敏感な子どもたちが驚く迫力のサウンド!
普段からビートの聴いたサウンドを聴きなれているティーンエイジャー。低音から親世代には聞こえないモスキートノイズのような高音まで聞こえる良い耳を持っている。しかも、ズッシリくる低音まで再生できる高性能なカナルタイプイヤホンの音を聞きなれているため、何をするにもイヤホンを使う子どもたち。
だが、DX850のサウンドを聞かせると「イヤホンはいらない」という。なぜなら、画面の奥から響いてくるような重低音と左右から部屋全体に広がる中~高音域のクリアなサウンドで、ライブハウスにいるような臨場感を味わえるため、大学2年の娘は「イヤホンをしていたらもったいない」というのだ。
音楽番組を毎週欠かさず見ている15歳の娘もしかり。応援するミュージシャンのPVを何度も何度も繰り返し見ていた。すでにほかのテレビで何度も繰り返し見たPVにも関わらずだ。サウンドの迫力が違う上に、耳だけでなくお腹にも音が響くことに驚いていたようだ。DX850は、全身で音を聞くテレビといってもいいだろう。
さらに18歳でピアノとチューバ、トランペットを演奏する娘によれば、すごく自然でナチュラルな音だけど、高音域の抜けが格別という。今のオーディオ機器は、低音を強調するものが多いが、DX850でオーケストラを聴くと、それが良くわかるという。
コントラバスやチューバなどの低音は、ずっしり重たい音が聞こえるものの、変に強調したクセがない。逆に高音パートは、トランペットなど倍音(実際に出している音の倍の周波数が金管楽器は出やすい)成分がハッキリ聞こえて、クリアで澄んでいるというのだ。
昨今、音楽は耳で聞くというリスニングスタイルが定着しつつある。だが今回、DX850で音楽を聞いた子どもたちは、これまでに経験したことのない驚きとともに、未知のサウンドを満喫しているようだ。
徹底した「音」へのこだわり
音へのこだわりを強く感じるのは、合計100Wというスピーカー構成だ。左右50Wずつとなるが、30~40歳代以上の読者なら誰しも驚くだろう。
なぜなら、その世代がシステムコンポで聞いていた時の50Wスピーカーといえば、カラーボックスほどある大きなスピーカーユニットに、30cmほどの巨大ウーファー+十数cmのミッドレンジスピーカー+数cmのツイーターを備えているのが普通だった。
しかしDX850のスピーカーは、最新のテクノロジーとマテリアル、デジタルチップとソフトウェアを駆使し、超小型化している。一番わかりやすいのは、両サイドにあるスピーカーだ。
中央の丸い部分は高音域用のツイーター(出力12.5W×2ch)で、それを挟むように上下に強力なネオジム磁石を2個搭載したミッドレンジスピーカーが2個(出力12.5W×2ch)。この2つのスピーカーで合計50W。
残る50Wは、テレビ下部に配置された低音域用のウーファー(出力25W×2ch)となる。ウーファーは「クアッド・パッシブラジエーター」と音導管を通し、お腹に響く重低音を発する。
パッシブラジエーターとは、アナログ音響工学的に低音を増幅する機構で、ウーファーに共鳴してより低音を効かせる。デジタルで強調した低音とは一味違う、空気の圧を感じさせる低音が魅力だ。これを左右にそれぞれ2機備えているので、計4個で「クアッド」というわけだ。
こうして合計100Wのスピーカーから出力される音は、オーディオ専用の低ノイズの電源回路や高品質の部品で構成された回路から、ひずみやノイズの少ない原音そのものに近い音を再生する。しかもそれぞれのスピーカーが再生する波形は、数千~数万分の1秒単位で同期(同位相)している。
おそらく数年前のテレビでは、画面下の隙間から音が聞こえてくるだろう。これは左右にスピーカーを設けると幅が広くなり、ラックや部屋に収まらないという問題があるからだ。そのため音は、画面の中央ではなく下から聞こえてくる。もちろん、ステレオの立体感も損なわれてしまう。
だがDX850は、新開発の超小型スピーカーを左右に搭載したことで、画面の中央から音が聞こえる「本来のテレビのあるべき姿」になっている。しかもスピーカーの幅は左右合わせても数cm程度なので、2008年モデルの50インチテレビを設置していた幅+7cmで、55インチのDX850が設置できる。音にこだわると幅広になってしまうところを最小限に抑え、高音質サウンドを実現したのがDX850における機能美だ。
映画やバラエティ番組でもクリアな音声を創り出す
DX850は、ハイレゾ音源に対応している。ハイレゾ音源は、人の可聴範囲を「ほぼ」サポートしているCD音質(44kHz/16ビット)よりもさらに高音質で、耳からは聞こえないかもしれないが、ほかの器官から感じ取れるかもしれない部分(96kHz/32ビット)まで再生できる。つまり「可聴範囲を完全包括+α」の音まで再生できるという超高音質規格だ。
テレビ放送やブルーレイ/DVDでは、最高でもCDの音質程度でしかない。しかしDX850は、その波形をリアルタイムに解析してハイレゾ音源化(アップコンバート)。しかも、音の解像度を高めてディテールを再現している。
これは、パナソニックの高級オーディオブランド「Technics」チームの技術力を詰め込んだ、最新のデジタルプロセッサが生み出すもので、それを音響工学のノウハウを活かして作られた前述のスピーカーユニットから送り出すのだ。
映画やアニメでは、メリハリの利いたサウンドが流れ、情報番組やバラエティ番組では人の声をよりクリアに聞かせてくれる。これだけでも十分満足なのだが、特筆すべきはクラッシック音楽で、合計100Wのスピーカーとの相性が抜群! オーケストラが間近で演奏しているかのような錯覚に陥る。
また映画では、映像と音がナチュラルにリンクして、ときには囁く声が耳元で聞こえたり、またあるときにはテレビの裏に大きな獣がいる気配すら感じるのだ。DX850のサウンドは、画面に途方もない奥行きをもたせる。
耳の良い子どもはもちろん、夫婦が休暇で見る映画などのコンテンツや、お爺ちゃんお婆ちゃんがニュースや情報番組を見るときも、その場にあった最高のサウンドを提供してくれる。DX850は老若男女を問わず、誰しもが納得するサウンドを奏でてくれる。
そういえばと思い、テレビ番組を見ていたお婆ちゃんに、音声認識機能を試してもらったが感触は良好。テレビもしくはリモコンに話しかけるだけで、チャンネルを変えたり、ボリュームを調整できるのが気に入ったようだ。
テレビの高機能化でリモコンのボタンも多くなり、操作が複雑で困っているお爺ちゃんお婆ちゃん、またそもそもメカが苦手な人は、販売店店頭などでぜひ音声認識を試してみて欲しい。
赤がキレイ、4Kがキレイ、ネット動画がキレイ
一般的なハイビジョンテレビは1920×1080画素(2K)だが、DX850は3840×2160画素(4K)。その違いは、風に揺らぐ木の葉の一枚一枚や、サッカー中継の観客の表情がわかるほどの解像度を持つ。
さらにDX850では、LEDバックライトに「新赤色発光体」採用しているという。これのおかげで、赤いバラ、赤いトマト、赤い服などの赤色が、くすみのない鮮明な映像として映し出されていた。ほかのテレビと見比べると違いが良くわかるはずだ。
黒色が漆黒の黒として見えるのも特徴の1つ。部屋を暗くして映画を見ても、液晶テレビ独特の黒がグレーに見えてしまうことがない。照明を消して真っ暗なシーンを再生すると、フレームの黒との見分けがつかないほどだ。
また、高輝度映像「HDR(ハイダイナミックレンジ)」規格に対応。HDRに対応したブルーレイやネット動画を再生させれば、従来は白飛びして光の色合いが見えにくかった部分も、輝く光の色味までしっかりと見える。
BSでの4K実用放送は2018年以降で予定されているが、現在のハイビジョン形式(2K)で受信した放送でも、ハイレゾ音源と同様に、単にアップコンバートするだけでなく、画素を補完してキレイな4K映像を映し出す。
また、4K映像を一足早く楽しむならネット動画がいいだろう。「Netflix」は世界最大の映像配信サービスで、4Kはもちろん、HDRの映像も配信している。さらに「amazonビデオ」や「dTV」も4K映像の配信を始めており、4Kコンテンツは今までよりも手軽に楽しめるようになった。
ちなみにこれらの映像配信サービスは有料配信が多いが、ファミリーからマニアまで幅広い層に合わせた4Kコンテンツが豊富に揃っているので、ぜひ試して欲しい。一度4K映像を体験すると、2K映像に戻りたくなくなるほどの感動を覚えるはずだ。
家族との動画や写真の共有に便利な機能も
家庭のLANに接続している別室のテレビやHDDレコーダ、パソコンに保存してある動画や写真、音楽のデータは、無線LANまたは有線LANを経由して家族と共有できる。旅の思い出を撮影した動画や写真をリビングに集まって家族で見るのは、テレビ番組や映画を見るのとは一味違う楽しいひと時となる。
また、家族で持ち寄った画像を一緒に鑑賞することもできる。これは、スマホにアプリを入れると楽しめるもので、Webサイトで見つけた画像やスマホで撮影した写真を、簡単にDX850の大画面で満喫できるのだ。
なるほど! ジャパンプレミアム4K
パナソニックでは、DX850を「ジャパンプレミアム4K」と位置付けている。日本人が美しいと感じる色を再現するために「設計・開発・製造をすべて日本で手がける」という意味だ。
とはいえ、単に「日本製」をアピールしているわけではない。省スペースで高音質、高機能で高品質のテレビを作るには、どうしたらいいのか? を考えた結果、すべてを日本で手がけるという結論にいたったのだ。
DX850はすべてを日本で手がけることで、製造の品質管理工程においても、セットの完成品を1台ずつ目視で調整・確認するという徹底振りだ。見えないところでも手を抜かない、そんな「おもてなし」の心が詰まっているのが「ジャパンプレミアム」という考えかただと思う。
スマホの普及でテレビのパーソナル化が進み、リビングでは家族一人ひとりがヘッドホンでスマホの画面を見るという時代になった。それがDX850の登場により、再び家族がリビングに集まって一緒にテレビを見る時代に回帰しそうだ。
イヤホンでは絶対マネできないサウンドと、4Kパネルに映し出される精細な映像をシェアすることにより、家族の絆も深まるだろう。