神原サリーもお気に入り! わずか1分でハンドドリップを再現 UCCのコーヒーメーカー「ドリップポッド」

 自他ともに認めるコーヒー好きの私、特にこの数年は毎朝、電動グラインダーで1杯分の豆を挽いてハンドドリップで淹れるのが日課となっています。でも、これが難しい。選りすぐりの豆を使って、同じ分量で淹れても、毎回同じ味にはならないのです。雑味が出てしまったり、妙に苦かったりと安定しない。だから、毎朝のコーヒードリップは、今日1日がどんな日かを占う行事みたいになっているのです。自分好みの味に淹れられた朝は「やったー! 今日は素敵な1日ね」という具合に。

 そんな、奥の深い“ハンドドリップ”の味を手軽に楽しめるコンパクトなコーヒーマシン「ドリップポッド」が、UCC上島珈琲から登場したと知り、事務所兼「家電アトリエ」でさっそく使ってみることにしました。その実力やいかに!? ドリップポッドならではの仕組みや便利さ、おいしさを紐解きながら、ご紹介したいと思います。

 

 

ハンドドリップを見事に再現するコンパクトで愛着のわくマシン

UCCドリップポッドDP1。卵色がチャーミングなアクセントになっている「ハニーホワイト」をセレクト
UCCドリップポッドDP1。ハチミツ色がチャーミングなアクセントになっている「ハニーホワイト」をセレクト

中心部の丸い部分にのみお湯を注げるような仕組みになっているのも、ハンドドリップを忠実に再現して美味しさを引き出すヒミツなのです
中心部の丸い部分にのみお湯を注げるような仕組みになっているのも、ハンドドリップを忠実に再現して美味しさを引き出すヒミツなのです

 ドリップポッドの大きな特徴は、なんといっても130×288mm(幅×奥行き)というコンパクトさ。これに、1杯分の挽き立てのコーヒー豆が密封包装された専用POD(ポッド)をセットして淹れる“1杯抽出型”のドリップコーヒーシステムなのですが、こんな小さなマシンでハンドドリップの味が楽しめるというのです。

 ところで、冒頭でも触れたハンドドリップのプロの技とはどんなものなのでしょう? まず粉全体にお湯をかけて蒸らし、さらに90度の角度で中央にお湯を注ぐのが理想的なハンドドリップなのだそう。こうすることで、コーヒーの残りかすそのものがフィルターの役割を果たし、雑味や渋みを抑えてすっきりとした味わいを引き出すのだといいます。とはいえ、湯温や抽出にかける時間、注ぎ方などを安定して行なうには熟練の技が必要。まだまだ、私などはプロの域にはほど遠いということなのでしょう。

 ドリップポッドは、中心からお湯を注ぐ構造と蒸らしができるスペースを採用した専用のポッドと、マシンの抽出プログラムとで、このハンドドリップの味わいを再現しています。丸みのあるポッドの中心からお湯が注がれ、挽いた豆に少量のお湯を行き渡らせたら、上部に設けられたヘッドスペースで蒸らしてから、抽出を開始する。これがまさに“プロのハンドドリップの技”なのですね。

ハンドドリップを再現したドリップコーヒーシステム ハンドドリップを再現したドリップコーヒーシステム

 

30秒でスタンバイOK、抽出時間はわずか1分

 それでは、ドリップポッドでコーヒーを淹れてみることにしましょう。まずは、水タンクに水を入れて電源ボタンをオン。持ちやすく水を入れやすい水タンクは、底面にマグネットが付いているので、セットが簡単。マシンの後ろ側になんとなく置いただけで、マグネットで吸いついてくれるので、「うまくハマらない」というストレスがありません。

 

 電源をONにすると「READY」ランプが点滅を始め、約30秒でピッと鳴りランプが点灯したままに。これで準備完了です。

 あとは、ポッド天面のシールをはがしてマシンのホルダーにセットし、シールに記載されている湯量に合わせてジョグダイヤルで湯量を設定したら、「COFFEE」ボタンを押すだけでOK。ドリップトレーはカップの高さに合わせて調節できるので、熱々を飲むためにもなるべく抽出口の近くにおくのがベターです。

 

わずか1分で香り高いコーヒーが入りました!わずか1分で香り高いコーヒーが入りました!

 ポッドをケースから出したときのコーヒーの馥郁(ふくいく)とした香りにうれしくなり、わずか1分ほどでドリップが完了するそのスピードにびっくり。しかも圧力をかけないのでマシンの振動がなく、驚くほど静かなのです。抽出後もポタポタと液だれすることがないのもうれしいところ。

 事前に、開発担当の方に取材をしたのですが、そのときにおっしゃっていたのが「スピードも心地よさの一つの要素。1杯抽出タイプは冷めやすいのでそこも計算してあるのです」ということ。なるほど! 静かにそしてスピーディに、しかもクリアで繊細な味わいを引き出している“計算された1杯”ということが、実際に淹れてみるとよくわかります。なんの手間もなく、専門店で淹れてもらったような1杯が楽しめる。幸せです。

 ちなみに、UCCには「エコポッド」というポッドタイプの従来品もあります。これとドリップポッドとの違いは、お湯を沸かす仕組みがボイラー式で、タンクに入った水をすべて沸かしてから淹れる方式だったため、準備に時間がかかっていたことや、タンク一体型でお手入れもしにくかったことなどがあります。ドリップポッドは淹れるぶんだけ沸かす方式なので、無駄がなくスピーディなのですね。

 ポッドもこれまでは個包装でなく、大袋入りだったため、1度封を開けてしまうとそれを飲みきらなければならず、自由度に欠けていたのでした。また、ポッドの形そのものは一緒でハンドドリップも再現していましたが、中心部にのみお湯が注がれるような丸いシール部は設けられていません。今回のドリップポッドは、マシンもポッドもすべてが再設計された、新発想の1杯抽出型ドリップコーヒーシステムなのだなと思います。

 

 

スペシャルティからデイリーまで専用ポッドは20種類!

 ドリップポッド専用に用意されたポッドは全部で20種類あります。ブレンドではなく、単一種の苗木から収穫されたコーヒー豆だけを使用するシングルオリジンを、1杯ずつ丁寧な抽出で楽しむ新しいコーヒーカルチャー“サードウェーブ”の人気が加速していますが、ドリップポッドでもこの流れに沿ったスペシャルティコーヒーが5種類用意されています。「UCC直営農園 ハワイコナエクストラファンシー」のほか、昨今、コーヒー業界のシャンパンに例えられるほど、栽培される土地の特徴(=テロワール)をよく表しているとされる希少な「パナマ・ゲイシャ」や、伝説のコーヒー「ブルボンポワントゥ」など。

数量限定のスペシャルティは全部で5種類。個別に購入することもできます
数量限定のスペシャルティは全部で5種類。個別に購入することもできます

 ラジオの収録がとてもうまくいった日に、このブルボンポワントゥ(なんと1杯2,160円!)をご褒美として飲んでみましたが、そのフルーティーで甘みのあるピュアな味わいと言ったら。抽出されたコーヒーは淡い色合いで渋みがなく、スイーツなどなくても、このままで十分に満足して癒されるような1杯でした。

 こうした希少なコーヒー豆は、100g単位で購入しようと思ったら数千円~1万円以上するので、なかなか手が出ないけれど、スペシャルティのポッドは1杯ずつ購入できるのがいいところ。味覚特長などの情報を確認しながら、とっておきの1杯を楽しめます。それに、自分でハンドドリップで淹れるには失敗が怖いけれど、ドリップポッドならいつでも“プロの技”で淹れてくれるから安心ですよね。

 そのほかにも、「ブルーマウンテンブレンド」や「モカ&キリマンジァロ」など、品質が高く人気の高いプレミアムコーヒーが7種類。私は特に、「グァテマラ&コロンビア」のブレンドがお気に入りです。「カフェインレスコーヒー」や「炭焼珈琲」もそろっています。堆肥による土作りを3年以上行った農園で栽培された有機栽培コーヒーを楽しめる「オーガニック」や、UCCの珈琲鑑定士が原料と味わいにこだわったブレンドコーヒー「デイリー」もあり、好みのものを選んでそろえられるのがいいなと思います。

 

 

“淹れ立てのアイスコーヒー”という贅沢

アイスコーヒー用のポッドは2種類 アイスコーヒー用のポッドは2種類

 今の季節、打ち合わせや取材等でアトリエを訪れる客にも大好評なのが、氷をいっぱいに満たしたグラスにそのまま抽出して作るアイスコーヒー。ポッドは「鑑定士の誇りアイスコーヒー」と「有機栽培オーガニックアイスコーヒー」の2種類があるけれど、苦みが抑えられていて酸味やコクがちょうどよい有機オーガニックのほうが私好み。

 アイスコーヒーの場合、ジョグダイヤルで選ぶ湯量は「1」。わずか約70mlの抽出量でしっかり濃く淹れたコーヒーを、一気に氷で冷やすというわけです。香り立つコーヒーが氷によってみるみるうちに冷やされ、溶けた氷と混ぜ合わさって、絶妙な濃さのアイスコーヒーが出来上がります。目の前で淹れ立てのコーヒーで作られるアイスコーヒーの様子と、ペットボトルでは味わうことのできない贅沢な香りに、誰もが驚きの声を上げる一瞬。勧める私も「ほらね? おいしいでしょう?」と思わずにっこりしてしまうのでした。

 アイスコーヒーは、紙パックやペットボトルなどの出来あいのものを購入してしまう人が多いようですし、自分で淹れる場合も水出しコーヒーだと手間と時間がかかってしまいますが、この方法は本当におすすめ。1杯ずつ淹れられるのも便利です。

紅茶や緑茶のポッドを使えば、アイスティーや冷たい緑茶も作れます

 

 

お手入れ簡単! オフィスにも1人暮らしにも向く1台

 コーヒーマシンはお手入れが面倒なものですが、ドリップポッドは淹れた後のポッドを捨てるだけ。水を入れるタンクも取り外して洗えるし、カップを置くトレーやポッドのホルダーも、サッと水で洗えて面倒な点は一切なし。

抽出後は、ホルダーを指でつまんで取り出し、ポッドをポイッと捨てるだけ! 抽出後は、ホルダーを指でつまんで取り出し、ポッドをポイッと捨てるだけ!

 設置スペースがコンパクトなので、スモールオフィスや家のテーブル・カウンターなどにもぴったりですし、別売の大きなタンク(1,500ml)を使えば、来客の多いオフィスでもしょっちゅう水を足す手間が要りません。

1,500mlと大容量タンクもすっきりと収まります 1,500mlと大容量タンクもすっきりと収まります

 それにこのドリップポッドには、コーヒーだけでなく、「セイロンブレンド紅茶」や「有機栽培ダージリン紅茶」、「深蒸し静岡煎茶」など、紅茶や緑茶のポッドもあり、紅茶は温度が高め、緑茶はぬるめと最適な温度と蒸らし条件、抽出時間で淹れられるようにプログラミングされているのです。

紅茶は「TEA」、緑茶は「GREEN TEA」の抽出ボタンを押すと、最適な温度、蒸らし条件、抽出時間に 紅茶は「TEA」、緑茶は「GREEN TEA」の抽出ボタンを押すと、最適な温度、蒸らし条件、抽出時間に

 だから、食後のティータイムや、友人たちが訪れたときにも、各種コーヒーに加え、紅茶や緑茶の中から、好みのものを選んで自由に楽しむことができるのですよね。コーヒー派、紅茶派と家族で好みが分かれる場合も気にすることなく飲めるのは思いのほか便利なもの。アトリエを訪れる方にも好評です。

甘みのある緑茶と香り高い紅茶 甘みのある緑茶と香り高い紅茶

 アトリエに置いているのはハニーホワイトですが、「チェリーレッド」や「カフェブラック」など3カラーあるので、インテリアに合った好みのものが選べるはず。いずれもマットな本体+透明感のあるカラーが組み合わされていて、光の加減によって艶やかさが際立つデザインが素敵です。このコンパクトさと、1台でさまざまな味わいを楽しめる万能さは、1人暮らしの方にもいいのではと思います。

(神原サリー)

 

神原サリー■神原サリー(かみはら さりー)
福武書店、サンケイリビング新聞社勤務を経て、フリーランス・ライターに転身。マーケティング会社での企画・広報などを兼務した後、顧客視点アドバイザー&家電コンシェルジュとして独立し、2008年に株式会社神原サリー事務所を設立。
「企業の思いを生活者に伝え、生活者の願いを企業に伝える」ことをモットーに顧客視点でのマーケティングを提案している。
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