神原サリーが“きれい好きのための洗濯機”を突撃取材 汚れがつかない洗濯槽搭載 だから、洗い上がりの清潔性が違う! 東芝 タテ型マジックドラム洗濯機 - Impress Watch

その洗濯機、そもそもきれい?

 “すすぎ1回”や“時短”というトレンドから、“抗菌”というさらなる清潔志向へと洗濯のトレンドが変わりつつあるようです。けれども、せっかく衣類をきれいにするための洗濯機なのに、洗濯槽がきれいかどうかには、無頓着の人が多いようにも感じます。白い洗濯物に黒カビによるポツポツした汚れがついてしまってから「どうしよう!」と焦ってしまうのでは遅いですよね。

 昨年秋に汚れがつかない『マジックドラム』を搭載したドラム式洗濯乾燥機を発売した東芝が、この夏、清潔性にとことんこだわったタテ型洗濯機の新モデルを発売すると聞いて、その全容を探るべく取材してきました。

 

マジックドラムって、どんなもの?

東芝ライフスタイル株式会社 井奥氏からマジックドラムなどについて説明を受ける

東芝ライフスタイル株式会社 井奥氏からマジックドラムなどについて説明を受ける

 まずは、昨年、フラグシップモデルのドラム式洗濯乾燥機に搭載した「マジックドラム」の特徴と開発のきっかけなどについて、東芝ライフスタイル株式会社 グローバルランドリー商品企画部長の井奥辰夫氏にお話を伺いました。

 「マジックドラムは“汚れを寄せ付けない”という発想から生まれたものです。ここ2~3年、ポピュラーになってきている洗濯槽の自動おそうじ機能は、すすぎの最後に黒カビやニオイの元になる汚れを水で洗い流すというものですが、マジックドラムは洗濯槽の表面に防汚コートを施しているため、そもそも洗剤カスなどの汚れがつかない清潔な洗濯槽なのです」と井奥氏。

 とはいっても、見えないところに施された防汚コート。実際にその威力を目で見て確かめたいものです。今回取材した東芝CS評価センターには、防汚コートを施した洗濯槽「マジックドラム」の実験機が用意されていたので、さっそく油性マジックで引いた線が水をかけるだけで落ちるかどうかを実験してみることに。

マジックドラムは、従来の洗濯槽とこんなに違う

 日ごろ、よく使っている油性マジックでしっかりとドラムに線を書き、ビーカーに入れた水をかけると、防汚コートが施されている面(=マジックドラム)の赤線がするりと落ちてびっくり! “汚れをはじく”とは、まさにこのこと。これなら、洗濯槽の裏側につきやすい洗剤カスを寄せ付けることなく清潔に洗濯ができそうだと納得。槽の裏側に汚れが付いていると、黒カビやニオイの元になる菌と一緒に洗濯することになり、黒いポツポツ汚れや部屋干しの際のニオイにもつながります。汚れを寄せ付けないマジックドラム、さすがです。

マジックドラムの威力を動画でどうぞ(ドラム式の実験機を使っての実験)

 でも、こんなに威力があって、清潔性にこだわる人には本当にうれしいマジックドラムを昨年はフラグシップモデルにしか搭載しなかったのはなぜなのでしょう?

 「このマジックドラムは、親水性の樹脂を高温で焼きつけて耐久性を持たせるように作るという、とても特殊な製造方法で行なわれています。一般的に施されている防汚コートは120~130℃で焼きつけているもので、だいたい1~2年の耐久力と聞いています。ですが、洗濯機の場合は一度購入したら10年間は使用していただくものですから、250℃という高温で焼きつけて耐久性を高め、コーティングが10年持つことを狙っています。こうした製造ラインが初年度では整わず、生産台数が限られてしまっていたのです」と井奥氏。

 このマジックドラムを搭載したドラム式洗濯乾燥機「ZABOON TW-Z96X1L/R」は平成25年度の省エネ大賞を受賞。洗濯・乾燥などの洗濯全般だけでなく、槽洗浄などのメンテナンスにかかる年間の洗剤・水・消費電力量などの省エネ性が評価されての受賞だといいます。

 「こうした清潔性・省エネ性に優れたマジックドラムのコンセプトをすべてのコアユーザーへという考えのもと、2014年のタテ型洗濯乾燥機、全自動洗濯機は、下位モデルまでこのマジックドラムを採用することにしたのです」と。

 

長年、清潔性を追求してきた東芝の洗濯機

 今回、タテ型洗濯乾燥機だけでなく、8~9㎏の全自動洗濯機まで、幅広いラインアップにマジックドラムを搭載した東芝ですが、元々、清潔性能にこだわった洗濯機を作り続けている印象があります。

 「洗濯槽の下部に取り付けられた『Ag+抗菌ユニット』には、Ag+抗菌ビーズが内蔵されており、水道水に抗菌成分・銀イオンが溶け出して、いつもAg+抗菌水で洗濯する仕組みになっています。そのため、衣類や洗濯槽に雑菌が繁殖するのを抑えて清潔に保ち、部屋干しの際にニオイがしにくいということで長年好評です。着ているときにも、汗のニオイを抑える効果もあるんですよ」と井奥氏。

Ag+抗菌ユニットによるAg+抗菌メガシャワーで、清潔に

 洗濯するたびに脱水時の高速回転による水の勢いでステンレス槽の外側や外槽の内側を自動でおそうじする機能が働く際にも、このAg+抗菌水が活躍するわけですね。さらに洗濯終了後、フタを閉めてスタートボタンを押すとピコイオンがすみずみに行き渡って黒カビを予防する「ピコイオンカビプロテクト」機能まで備えているのですから、今回のマジックドラムも加わって、清潔性能については最強といっていいのではないでしょうか。

さらにピコイオンカビプロテクトも。清潔にとことんこだわった洗濯機だ。

 …と感激していたら、ここで井奥氏がひと言。

左右非対称の羽根形状で、押し上げ水流と引き込み水流を生み出す「抗菌メガスクリューパルセーター」

左右非対称の羽根形状で、押し上げ水流と引き込み水流を生み出す「抗菌メガスクリューパルセーター」

 「裏側に洗剤カスが付着しやすいパルセーターや、ふろ水ホース、糸くずフィルターなど、菌が気になるところをすべて抗菌加工しています。手に触れるところはすべて抗菌ということですね」

 恐れ入りました。東芝の洗濯機=清潔性だと、声を大にして断言できます。

ギアなしDDモーターならではの、静音性の高さも見逃せない!

 ここまで、東芝の洗濯機の最大の魅力ともいえる清潔性について、いろいろとお話を伺ってきましたが、洗濯そのものの“要”となるモーターのことについてもここであらためて教えていただこうと思います。

 「東芝では騒音の原因となるギアがない『ダイレクトドライブ(DD)モーターを採用しています。そのため低騒音を実現させているのがポイントです。また、このモーターはアウターローター方式といって回転子を外側にしているため、半径を大きくとることができ、コンパクトなのに強力な回転力でパワフルな水流を起こすことができるのです」

押し洗い水流、入れ替え水流、もみ洗い水流、ほぐし水流を動画でどうぞ

 なるほど、ギア駆動のDMMモーターやベルト式モーターを採用している他社とは違い、東芝ならではのハイパワーDDモーターを搭載していることで、夜の家事も早朝の洗濯もOKなのですね。実際に水を入れて運転させてみましたが、フタを開けているときには水流の音がするものの、フタを閉めると水音もモーター音も消えてしまい、「あれ? 洗濯しているの?」と不安になるほどの静かさに。これなら、マンションなどでも下の階の方へ気兼ねすることなく、いつでも洗濯ができそうです。

フタを閉めると洗濯しているかどうか不安になるほどの静かさ
これだけ静かなら、いつでも気兼ねなく洗濯可能

これだけ静かなら、いつでも気兼ねなく洗濯可能

 「DDモーターのパワフルさや低騒音ということに加えて、ぜひ知ってほしいのがモーター制御技術の進化なんです」と井奥氏。

 洗濯機のプログラムはいまやパソコン並みとなっていて、センサーによる布量、布質、温度の検知に応じて、水位や洗剤量、洗濯時間、すすぎに使う水の量を判断し、パルセーターによるさまざま水流の変化で、最適な洗濯をするように制御しているとのこと。見た目があまり変わらないタテ型の洗濯機ですが、ムダをなくし、なおかつ、しっかりと洗えるようにと驚くほど進化していたのですね。

 

イマドキ洗濯事情“大人の洗濯物”を考える

 さて、ここ最近、洗濯機について考えている“大人の洗濯物”について、ちょっとお話ししたいと思います。洗濯機というと「体操服や靴下の泥汚れも真っ白に」という、汚れ落ちのパワフルさを強調している印象がありますが、実際のところ、少子高齢化が進んでいる現在では、こうした泥汚れはごく一部のはず。それよりも、カットソーやセーター、ランジェリーやワンピース、ストールなどデリケートな衣類を家庭できれいに洗いたいという希望を持っている人が多いと思うのです。

 こうした「おしゃれ着」的なものでなくても、毎日の暮らしで出てくる洗濯物の中で、ちょっと顔や手をふいただけのタオルや汗をそんなにかいていない日の下着やTシャツなど、軽い汚れの洗濯物の場合、ガシガシ洗わずに、繊維を傷めずに洗ってくれたらいいのになあと思うことがあります。でも、昨今はスピードコースやすすぎ1回コースはあっても、こうした“大人の洗濯物”に対応してくれるようなコース設定はほとんど見当たりません。「ドライコース」もありますが、わずかに揺れるような水流で振り洗いしているので、汚れ落ちについては疑問が残るものが多いのです。

 ところが、東芝のタテ型洗濯機にはこうした疑問・要望の応える2つの機能が搭載されていたのでした。1つは、フラグシップのタテ型洗濯乾燥機に昨年モデルから搭載されている「おしゃれ着トレー」。これは、パルセーターの少し上にセットして使うもので、トレーの上にデリケートな衣類を置いて洗うと、パルセーターに衣類が擦れず、傷みにくいのが特徴。シャワーを上からかけて水洗いしてくれるので、押し洗い効果で汚れがしっかりと落ちるのです。初代モデルのおしゃれ着トレーに比べ、新モデルでは50gほど軽くなって、セットする際にも指にやさしく、持ちやすくなっています。願わくば、今後はマジックドラムと同様、下位モデルにもぜひこのおしゃれ着トレーをつけてほしいなと思います。

おしゃれ着トレーを使えば、やさしく洗える
積極的に使いたい「水流パワーボタン」

積極的に使いたい「水流パワーボタン」

 そしてもう1つ、東芝ならではの「水流パワーボタン」。これは特に新しい機能ではなく、下位モデルにまでずっと前からついていたボタンなのですが、「知らなかった!」という人も案外多いのではないでしょうか。これはコースや洗濯時間に関係なく、“その日の汚れ具合”に合わせて選べるもので、標準のほかに「強」と「弱」が用意されています。食べこぼしや泥汚れなどの洗濯物を洗うときには「強」を、デリケートな衣類や軽い汚れの場合は「弱」を選ぶことで、“したい洗濯”ができるボタンなのです。水流調整による丁寧な洗濯。いやはや、私が望んでいた洗濯のできる洗濯機が、ここにあったのですね。「こうした洗濯ができるのも、インバーター技術による水流調整が可能だから」という井奥氏の説明に、今さらながら脱帽したのでした。

 

洗濯が楽しくなる“きれい好き”の人のための洗濯機

 タテ型洗濯乾燥機、全自動洗濯機を選ぶ人は、ドラム式を選ぶ人よりも、洗濯にこだわる人が多いと聞きます。洗濯機そのものも、洗濯する衣類も、とことん清潔さにこだわった東芝の洗濯機。今回、フラグシップモデルだけでなく、ラインアップを充実させて、幅広い機種にマジックドラムを搭載させたことは、洗濯好きにとって、とても喜ばしいことです。

 低騒音でいつでも洗濯できるから、まとめ洗いはもちろんのこと、上手に仕分けして「今日はしっかり洗いたい物の洗濯日」「明日はデリケートな衣類の洗濯」というように、こまめに洗う洗濯の仕方にも向きますね。

 衣類を傷めず、汚れはしっかり落とすことが出来るという点も魅力的です。洗濯という行為が面倒な作業でなく、楽しさに変えてくれる洗濯機だと実感した取材でした。

マジックドラム搭載タテ型洗濯機の新ラインナップ

マジックドラム搭載タテ型洗濯機の新ラインナップ

神原サリー(かみはら さりー)■神原サリー(かみはら さりー)

福武書店、サンケイリビング新聞社勤務を経て、フリーランス・ライターに転身。マーケティング会社での企画・広報などを兼務した後、顧客視点アドバイザー&家電コンシェルジュとして独立し、2008年に株式会社神原サリー事務所を設立。

「企業の思いを生活者に伝え、生活者の願いを企業に伝える」ことをモットーに顧客視点でのマーケティングを提案している。

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