東京電力の電力料金が9月1日から8.47%の値上げ

~「おトクなナイト10」存続、「オール電化割引」廃止などを指示

 経済産業省は20日、東京電力に対し、値上げ申請の修正を指示した。平均値上げ幅は8.47%で、値上げ時期は9月1日からとしている。

 東京電力は5月11日付で、平均10.28%の電気料金値上げを申請しており、7月1日からの値上げを目指していた。

 経産省では、第三者委員会による検討や、消費者庁との協議を経て、当初よりも値上げ幅を圧縮すると決定した。

 電気料金は、産業向けが主体の自由化部門と家庭向けが指定の規制部門に分けられ、使用量などによって単価が異なる。今回の指示では、個別の単価については明らかになっておらず、各プランごとの値上げ幅は東京電力の修正申請までわからない。

 ただし、家庭用の従量電灯B契約について「2段階料金の引き下げ幅をより大きくすべきである」としている。具体的には、「2段階と3段階の格差率について、東京電力の申請は1:1.15 となっているところ、1:1.155 とする」としており、2段階については、値上げ案の「25円71銭」から引き下げられる可能性が高い。

 また、今回の修正指示には、いくつかの料金プランについての指示が含まれている。

 まず、「ピークシフトプラン」については、電力使用量の多い場合にのみメリットがあるメニューなのに、一般家庭にメリットがあると誤解を与えているとして、周知を行なうように指示している。

 次に「夜間蓄熱要件」や「オール電化割引」のように、特定の機器導入を前提としているプランについては廃止を勧めている。逆に新規加入を停止するとしていた「おトクなナイト10」については存続を指示している。

 東京電力では、「当社にとって大変厳しい内容であり、この実現に向けては、グループの総力をあげたこれまでにない厳しい経営合理化とコストダウンの一層の深掘りが必要ですが、ご指示を真摯に受け止め、速やかに修正作業を進めてまいります」とコメントしている。






(伊達 浩二)

2012年7月20日 16:09