東京電力、千葉火力発電所のガスタービン発電設備を強化

~排熱を利用し、発電効率を改善

 東京電力は6日、千葉火力発電所に設置しているガスタービン発電設備をコンバインドサイクル化すると発表した。2014年7月までに工事を終える予定で、発電効率を改善して出力を増やす。

 千葉火力発電所のガスタービン発電設備は、東日本大震災による電力不足対策として設置された。燃料はLNG(液化天然ガス)を使用する。すでに2011年9月までに2基が稼働しており、2012年7月に3基目が稼働する。1基当たりの発電量は33.4万kWで、合計出力は100.2万kWを予定している。

千葉火力発電所に設置されたガスタービン発電設備発電設備の構内配置

 今回のコンバインドサイクル化により、ガスタービン発電設備が排出した熱を回収する機構と、その蒸気で回す発電機を増設する。これにより、発電設備1基当たりの発電量は50.0万kWに増加する。熱効率で見ると、ガスタービン単体では39.0%だったものが、コンバインドサイクル化により約58%に改善される。

 リリースでは、緊急設置電源として建設されたガスタービン発電設備を、コンバインドサイクル化によって恒常的な発電設備へ転換するとしており、原子力発電所の再稼働のめどが立たない状況下で発電設備を長期的に利用する目指すものと推測される。

コンバインドサイクル化の模式図。ガスタービンが排出した熱を回収し、水を沸騰させて蒸気タービンを回す





(伊達 浩二)

2012年1月10日 00:00