関西電力管内の節電効果は120万kW

~気温も低く、需要を押し下げ
1ページ:「節電のご協力へのお礼」

 関西電力は13日、「今夏の需給状況のご報告について(8月末時点)」という文書を公開した。

 これは7月から8月末にかけての関西電力管内の電力需要を分析したもので、節電と低気温によって、需要が抑えられた様子がわかるデータとなっている。資料に沿った形で内容を解説する。

 1ページ目には、「節電のご協力へのお礼」と題し「7月1日から9月22日の間、節電をお願いし大変なご不便とご迷惑をおかけしております。現在でも弊社では、定期検査中の原子力プラントの再起動に全力をあげるとともに、供給力確保に向けた取組を継続しておりますが、皆様のご協力のおかげで、これまでのところ安定した需給状況を確保できております」と述べている。

2ページ:節電効果の分析。節電は120万kW程度の効果があった3ページ:でんき予報は「黄色」止まり。緊急時のメール警報も出なかった

 節電の効果については、「120万kW程度」としている。また、昨年並みの高温であれば、160万kW程度減少したとしており、今年の気温が低かった分の効果が約40万kW程度あったことになる。

 また、でんき予報については、使用率が90%以上~95%未満を示す「黄色マーク」が7回に留まり、一斉メールなどの緊急連絡もなかったという。

4ページ:8月中旬に気温が高い日が続いたが、幸いお盆休みだった5ページ:参考資料として掲載された大阪の気象状況。猛暑だった昨年に比べると猛暑日/熱帯夜は少なかった

 気温と最大電力との相関を見ると、今年一番気温が高かった8月中旬が、ちょうどお盆休みの時期にあたり、需要が抑えられたという幸運な状況がわかる。なお、今年の8月は猛暑日や熱帯夜も少なかった。

6ページ:供給量の推移。7月に大飯原発1号機が止まったあとの穴は埋めきれなかった7ページ:最大電力だった8月9日の供給力内訳。火力が半分で、次が他社・融通、揚水発電も活用されている

 供給量の確保の推移を見ると、試験運転中だった大飯原発1号機のトラブルによる運転停止や、堺港火力2号機の故障などが大きな引き下げ要因となっている。東京電力のガスタービン緊急電源の設置のような手段は取られず、自家発電からの調達や他の電力会社からの融通送電などが主な手段となっている。

 関西電力において最大電力が発生したのは8月9日で、最大電力は2,784万kW、供給力は2,947万kW、予備力は160万kWで、使用率は94.5%となった。供給力を大きい順に見ると、火力(50%)、他社・融通(18%)、揚水(15%)、原子力(11%)、水力(8%)となっている。






(伊達 浩二)

2011年9月15日 14:07