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LED1つで9,000lmの明るさを実現するジェイク ダイソンライト「Ariel」

LED1つで9,000lmの明るさを実現する「Ariel」

 ダイソンは、LED1つで9,000lmの明るさを実現するジェイク ダイソンライト「Ariel(アリエル)」を発表した。オフィスやレストランでの利用に最適なライトで、日本での販売時期、販売価格については未定。

 ジェームズ ダイソンの長男、ジェイク ダイソンが率いる「ジェイク ダイソン ライト」の新製品。同ブランドは、4月よりダイソンブランドの傘下に入っており、独自の冷却機構で37年という長寿命を実現した「CSYS(シーシス)」シリーズなどを展開している。

 今回発表したArielは、オフィスやレストランでの利用に向いたLEDライト。天井を間接的に照射するアップライトと、ダウンライトの2種類をラインナップする。LEDから熱を取り去る独自のヒートパイプテクノロジーを搭載しており、LEDを約50℃前後に保ち、長寿命を実現する。

Ariel ダウンライトタイプ
下から見たところ
LED部
「ジェイク ダイソン ライト」のラインナップ。左からフロアライトの「CSYS TALL」、卓上ライトの「CSYS TASK」

 今回の発表に合わせて来日したジェイク ダイソンは、従来のLEDについて「LEDの課題を無視したもの。本来LEDは、一生持つはずのもの。一生使い続けられるようなLEDライトを作りたいというところから開発をスタートした」と語る。

 ジェイク ダイソン ライトで採用しているヒートパイプテクノロジーは「LEDを半導体として捉えるところからスタートしている。半導体をたくさん搭載している製品といえばパソコンだが、パソコンは半導体の性能を維持するために冷却ファンを必ず搭載している。しかし、ファンを動かすには電力が必要で、それはLEDライトには搭載したくなかった。そこで、搭載したのが、直径6mmの銅製のヒートパイプ。ここからLEDの発する熱を効率的に逃がすことで、LEDの温度を低く保つことができ、長寿命を実現した」

Arielを手にした ジェイク ダイソン氏
直径6mmの銅製のヒートパイプを使ってLEDの熱を効率的に逃がす
ヒートパイプ

 一般的なLED照明は接合部温度が約130℃まで上昇し、製品寿命は5万時間程度だが、ヒートパイプテクノロジーにより、LEDの接合部温度を53.4℃と低く抑制し、連続使用時間16万時間を超えても、ライトの色や明るさを長期的に均一に保つことができるという。1日12時間使用した場合でも、約37年以上使い続けられる計算だ。

 新製品のArielでは、高出力のLEDチップを1つだけ採用し、レンズを多用して9,000lmの明るさを実現する。

 「高出力のLEDチップというのは、放熱量が大きく、使うのが非常に難しかった。だから、一般的なLED照明器具というのは小さなLEDチップを何百も使っている。しかし、ヒートパイプテクノロジーを使えば、高出力のLEDチップを使い、光を操ることができる。独自のレンズデザインも重要な要素だ」(ジェイク ダイソン氏)

 製品の詳細は、現時点では公開されていないが、ネットワーク接続機能なども予定しているという。

阿部 夏子