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中部電力ら、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた電圧変動抑制試験を開始

 中部電力は三菱電機と共同で、太陽光発電設備による電圧変動の抑制にむけて、蓄電池を組み合わせたシステムを試作し、フィールド試験を開始した。試験期間は、2012年12月11日から2015年11月。

 太陽光発電は再生可能エネルギーとして注目を集めており、発電した電機の全量買取制度の開始により、発電量の増加が見込まれている。

 しかし、太陽光発電は天候により出力が大きく変動するため、配電系統へ太陽光発電設備が大量に導入されると、配電用変電所に流れる電流が短い周期で変動することになり、変電所からの送り出し電圧の変動などが懸念される。

試験システムの連系イメージ
試験設備の外観
パワーコンディショナーとリチウムイオン電池

 中部電力と三菱電機は、この短周期での電圧変動を抑制する研究に取り組んでおり、パワーコンディショナー(250kVA)とリチウムイオン電池(25kWh)を組み合わせたシステムを試作して、長野県飯田市の「メガソーラーいいだ」(1,000kW)と家庭用太陽光発電設備が連系している、同じく飯田市の下瀬変電所構内に設置した。

  今後は、試作したシステムを用いて、変電所の電流や電圧の変動を監視し、検出した変動に対して、蓄電池から電力の充放電を行なうことによって、電圧の変動を制御する方法の確立に取り組むとしている。また、リチウムイオン電池の劣化性能(寿命)評価も試験内容に含まれている。

伊達 浩二